東京海上日動火災保険とエーザイは認知症の早期発見や早期治療について経済的に支援するための「認知症治療支援保険」を共同で開発したことを、9月28日のプレスリリースにて発表した。アルツハイマー病による軽度認知障害またはアルツハイマー型認知症に特化した補償は業界初となる。
9月25日に、エーザイとバイオジェンが共同開発したヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ凝集体モノクローナル抗体レカネマブ(商品名:レケンビ点滴静注200mg、同500mg)が、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効能・効果において厚生労働省より承認を取得した。認知症の約6割を占めるアルツハイマー病について、早期の治療介入により疾患の進行の抑制が期待できることから、認知症の早期発見や早期治療に備えることの重要性が増している。
レカネマブは、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症の患者が対象となるが、その判断にはアミロイドβ病理の確認を行うPET検査等を受ける必要がある。こうした検査・治療には、一定の自己負担を要する。認知症治療支援保険では、保険料月額1,370円で、(1)早期発見の支援として、初めて軽度認知障害(含む認知症)と診断確定された場合、アミロイドPET検査の費用等に充てる一時金30万円※と、(2)早期治療の支援として、初めてアルツハイマー病による軽度認知障害(含むアルツハイマー型認知症)と診断確定された場合、新たな治療薬による治療費用等に充てる一時金100万円※を補償するという(※本例は50~54歳男性の場合。契約条件によって異なる)。契約方式は、企業等を契約者とし、その構成員等が任意に加入する団体契約となる。
また、付帯サービスとして、エーザイが開発した認知機能(脳の反応速度、注意力、視覚学習および記憶力)のデジタルチェックツール「のうKNOW」を加入者に提供し、認知機能の低下を捉えることで、早期発見・早期治療への導線をサポートする。
(ケアネット 古賀 公子)