コーヒー摂取と膀胱がんリスクの関連について、最近の疫学的研究の結果は一致していない。東北大学の杉山 賢明氏らは、宮城県で実施された2つのコホート研究(宮城県コホート研究、大崎コホート研究)のプール解析により、コーヒー摂取と膀胱がん罹患率との関連を調べた。その結果、コーヒー摂取と膀胱がんリスクの間に有意な逆相関が示された。European journal of cancer prevention誌オンライン版2016年2月12日号に掲載。
著者らは、宮城県コホート研究では1990年、大崎コホート研究では1994年に、コーヒー摂取頻度と他の生活習慣因子についての自記式質問票調査を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・宮城県コホート研究は17.6年、大崎コホート研究は13.3年の間に、両コホートで7万3,346人を追跡し、膀胱がんを274例同定した。
・コーヒーを時々飲む人、1日1~2杯飲む人、1日3杯以上飲む人において、まったく飲まない人に対する膀胱がん罹患率の多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は、それぞれ1.22(0.90~1.66)、0.88(0.61~1.26)、0.56(0.32~0.99)であった(傾向のp=0.04)。
・この逆相関は、喫煙状況による層別化後も認められた。
(ケアネット 金沢 浩子)