ざ瘡(にきび)治療の補助としてビタミン剤やそのほかの栄養補助食品に関心を示す患者は多い。しかし、それらの有効性や安全性は明らかではなく、推奨する十分な根拠は乏しい。そこで、米国・Brigham and Women's HospitalのAli Shields氏らの研究グループは、ざ瘡治療における栄養補助食品のエビデンスを評価することを目的にシステマティックレビューを行った。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年10月25日号の報告。
研究グループは、PubMed、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Scienceの各データベースを開設から2023年1月30日まで検索した。ざ瘡患者を対象に栄養補助食品(ビタミンやミネラル、植物抽出物、プレバイオティクス、プロバイオティクスなど)の摂取を評価した無作為化比較試験を解析し、臨床医が報告したアウトカム(全体評価や病変数など)、患者が報告したアウトカム(QOLなど)、有害事象を抽出した。バイアスリスクはCochrane risk of bias toolを用いて、研究の質をGood、Fair、Poorに分類した。
主な結果は以下のとおり。
・42件の研究(3,346例)が組み入れ基準を満たした。
・GoodまたはFairの分類の研究で栄養補助食品の有用性が示唆されたのは、ビタミンB5およびD、緑茶、プロバイオティクス、オメガ3脂肪酸であった。
・これらの有用性評価に最も関連していたのは、病変数の減少または臨床医による全体評価スコアであった。
・栄養補助食品の摂取による有害事象の発現はまれであったが、亜鉛摂取による消化管障害が報告された。
これらの結果より、研究グループは「このシステマティックレビューは、ざ瘡治療における栄養補助食品の可能性を示している。医師は、患者に栄養補助食品のエビデンスを提示する準備をしておくべきである」としたうえで、「多くの研究は小規模であり、今後の研究ではより大規模な無作為化比較試験に焦点を当てるべきである」とまとめた。
(ケアネット 森 幸子)