ざ瘡(にきび)のisotretinoin治療と、うつ病リスクの増加に関連はあるのか。これまで定量分析は行われていなかったが、台湾・台北医学大学のYu-Chen Huang氏らはシステマティックレビューとメタ解析を行い、両者に関連性はなく、むしろざ瘡の治療は抑うつを改善する可能性があることを示した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年3月10日号掲載の報告。
研究グループは、isotretinoin治療を受けているざ瘡患者15例以上を対象にした対照試験または前向き非対照試験について、2016年9月30日までに公表された論文を検索し、うつ病の有病率ならびに抑うつスコアの変化を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・31試験がレビューに組み込まれた(無作為化試験はなし)。
・対照試験では、isotretinoin治療群と他の治療群との間で、ベースラインからの抑うつスコアの変化に有意差はなかった(標準化平均差[SMD]:-0.334、95%信頼区間[CI]:-0.680~0.011)。
・うつ病の有病率は、isotretinoin治療後に有意に低下した(相対リスク:0.588、95%CI:0.382~0.904)。
・平均抑うつスコアは、ベースラインから有意に低下した(SMD:-0.335、95%CI:-0.498~-0.172)。
・なお、試験間で大きなばらつきが観察された。
(ケアネット)