日本の片頭痛治療におけるフレマネズマブのリアルワールドエビデンス

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/29

 

 抗CGRP抗体であるフレマネズマブのみに焦点を当てたアジアにおけるリアルワールド研究は、これまでほとんど行われていなかった。慶應義塾大学の大谷 星也氏らは、日本のリアルワールドにおけるフレマネズマブの有効性および安全性を評価するため、本研究を実施した。その結果から、日本人の片頭痛予防に対するフレマネズマブの有効性および安全性が確認され、フレマネズマブ治療により約半数の患者において片頭痛関連症状の改善が認められたことを報告した。BMC Neurology誌2023年11月14日号の報告。

 2021年12月~2022年8月に慶應義塾大学病院でフレマネズマブを4回投与した片頭痛患者を対象に、単施設観察的レトロスペクティブ研究を実施した。1ヵ月当たりの片頭痛日数、治療反応率、片頭痛関連症状、注射部位の反応、有害事象の変化を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者は29例、女性の割合は79.3%であった。
・1ヵ月当たりの片頭痛日数は、ベースライン時と比較し、4ヵ月時点で5.9日減少した。
・50%治療反応率は、4ヵ月時点で55.2%であった。
・フレマネズマブ治療により光線過敏症、音過敏症、悪心/嘔吐の重症度改善が認められた患者は、それぞれ57.9%、47.8%、65.0%であった。
・最も一般的な有害事象は、注射部位反応であった(55.2%)。

(鷹野 敦夫)