米国・バイオジェンは2024年1月31日付のプレスリリースにて、同社とエーザイが共同開発したアルツハイマー型認知症治療薬aducanumabの開発および販売を終了することを発表した。本剤は、米国食品医薬品局(FDA)から2021年6月8日に迅速承認を受けていた。迅速承認の条件として第IV相市販後検証試験であるENVISION試験を実施していたが、本試験を終了する。本剤は、日本では2020年12月に承認申請されていたが、翌21年12月の審議で明確な有効性を示すデータが不十分と判断され、承認が見送られ継続審議となっていた。
バイオジェンは今後のアルツハイマー病領域について、米国でフル承認を取得したレカネマブや、新規作用機序を有する治療薬候補でASOタウを標的とした「BIIB080」、経口のタウ凝集を阻害する低分子薬「BIIB113」の開発に優先的にリソースを配分する方針を示した。
また、同社はaducanumabの終了に伴う費用として、2023年第4四半期に約6,000万ドルの特別損失を計上し、Neurimmune社(スイス)から受けていたaducanumabのライセンス契約を終了したことも明らかにした。
(ケアネット 古賀 公子)