大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?

提供元:ケアネット

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公開日:2024/04/19

 

 大腸がんと診断された後の超加工食品摂取量と死亡率を調査した前向きコホート研究によって、アイスクリーム/シャーベットの摂取量が多いほど大腸がんによる死亡リスクが高く、超加工食品全体および油脂/調味料/ソースの摂取量が多いほど心血管疾患(CVD)による死亡リスクが高いことを、中国・南京医科大学のDong Hang氏らが明らかにした。eClinicalMedicine誌2024年3月号掲載の報告。

 これまでの研究により、超加工食品の摂取が多い男性では大腸がんの発症リスクが約30%高いことが報告されている1)。しかし、大腸がんと診断された後の超加工食品摂取が大腸がんの予後にどのような影響を与えるかはまだ解明されていない。そこで研究グループは、米国のNurses’ Health Study(NHS)に参加した35~55歳の女性看護師と、Health Professionals Follow-Up Study(HPFS)に参加した40~75歳の男性医療者のデータを用いた前向きコホート研究を行った。

 解析対象は、1980~2016年にStageI~IIIの大腸がんと診断された2,498例(NHS:1,764例、HPFS:734例)であった。約130品目の食物や飲料の摂取頻度の調査票から、診断後6ヵ月以上(積極的な治療期間を除外するため)4年未満における超加工食品の全体およびサブグループの摂取量(1食分として食べる量:サービング)を推定した。追跡調査は隔年に行われた。交絡因子で調整した逆確率重み付け法によるCoxモデルを用いて、超加工食品摂取に関連する全死因死亡率、大腸がんによる死亡率、CVDによる死亡率のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・大腸がん診断時の患者の平均年齢は68.5(SD 9.4)歳であった。追跡調査期間中央値11.0年で1,661例が死亡し、そのうち大腸がんによる死亡は321例(19.3%)、CVDによる死亡は335例(20.2%)であった。
・診断後の超加工食品全体の摂取量の中央値は6.0(四分位範囲:4.6~7.8)サービング/日であった。摂取量の多かったサブグループは、超加工パン/朝食用食品(27%)、油脂/調味料/ソース(24%)、スナック菓子/デザート(17%)であった。
・超加工食品の総摂取量が最も少ない五分位(中央値:3.6サービング/日)と比較して、最も多い五分位(中央値:10サービング/日)では、CVDによる死亡リスクが高かった(HR:1.65、95%CI:1.13~2.40、p for trend=0.01)。大腸がんによる死亡と全死因死亡では有意な関連はみられなかった。
・超加工食品のサブグループ間では、アイスクリーム/シャーベットの摂取量が最も多い五分位では、大腸がんによる死亡リスクが高かった(HR:1.86、95%CI:1.33~2.61、p for trend=0.02)。
・油脂/調味料/ソースの摂取量が最も多い五分位では、CVDによる死亡リスクが高かった(HR:1.96、95%CI:1.41~2.73、p for trend=0.001)。
・超加工食品のサブグループと全死因死亡との間に有意な関連性はみられなかった。

(ケアネット 森 幸子)

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