世界初、「塗る」アレルギー性結膜炎治療薬が登場/参天

提供元:ケアネット

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公開日:2024/05/28

 

 参天製薬などは、5月22日、持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン眼瞼クリーム0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩、以下アレジオンクリーム)の発売を開始したと発表した。塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療薬は世界初となる。

 国内で無症状期のアレルギー性結膜炎患者を対象として行われた第III相試験(プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験)では、アレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアにおいて、アレジオンクリームのプラセボ眼瞼クリームに対する優越性が検証された。また、長期投与試験において認められた副作用は眼瞼そう痒症1.6%(2/124例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124例)で、重篤な副作用は認められなかった。

 現在、アレルギー性結膜炎に対しては同社の「アレジオン点眼液」をはじめとするヒスタミンH1受容体拮抗薬の点眼薬が広く処方されているが、1日2回または4回の点眼が必要となる。アレジオンクリームは1日1回の塗布で終日にわたって有効性を維持でき、点眼が困難な患者でも容易かつ適切に投与しやすいことが特長で、アレジオン点眼薬と同様にコンタクトレンズ装着時にも使用できる。

 従来の点眼薬との使い分けについて参天製薬は「アレジオンクリームは患者さんの投薬負担の軽減が期待でき、服薬コンプライアンス、QOL向上にも貢献できると考えている。新規治療だけでなく、点眼薬で治療中の患者さんの置き換えも視野に入れている」とする。また、点眼薬とアレジオンクリームの併用については、「臨床試験では他剤の併用例はなく、他剤と併用した場合の効果や安全性は現時点では不明だが、日本眼科学会の『アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン』では、抗アレルギー点眼薬だけでは効果不十分な場合には、ステロイド点眼薬、NSAIDs点眼薬の併用、また花粉など抗原に対するセルフケアとして洗眼薬の使用が勧められていることから、そうした治療薬との併用が必要な場合もあると考える。一方で、同ガイドラインに抗アレルギー点眼薬同士の併用を推奨する記載はなく、アレジオンクリームは前例がない剤形であることからも、追加薬剤としての抗アレルギー点眼薬との併用治療の考え方などは現状では不明である」としている。

製品概要

製品名:アレジオン眼瞼クリーム 0.5%
一般名:エピナスチン塩酸塩
性状:白色~淡黄白色のクリーム剤
効能・効果:アレルギー性結膜炎
用法・用量:通常、適量を1日1回上下眼瞼に塗布する
貯法:室温保存
包装:2gチューブ入×10本
薬価:1,686.7円/g
保険給付上の注意:なし
発売日:2024年5月22日

(ケアネット 杉崎 真名)