テクリスタマブ、再発/難治多発性骨髄腫に承認/J&J

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/10

 

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は、2024年12月27日、BCMA/CD3標的二重特異性抗体テクリスタマブ(商品名:テクベイリ)について、「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能又は効果として製造販売承認を取得したと発表した。

 テクリスタマブはT細胞表面に発現するCD3受容体と骨髄腫細胞表面に発現するBCMAの両方に結合し、免疫系を活性化させるT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、投与前の希釈が不要な皮下注製剤である。

 今回の承認は、海外第I/II相MajesTEC-1試験4および国内第I/II相MMY1002試験の結果に基づくもの。両試験は、成人の再発/難治多発性骨髄腫(R/R MM)患者を対象にテクリスタマブの全奏効率(ORR)、最良部分奏効(VGPR)、完全奏効(CR)などの有効性および安全性を評価している。

 MajesTEC-1試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38抗体を含む少なくとも3つの標準治療歴を有する成人外国人のR/R MM患者を対象に、テクリスタマブの有用性を評価する第I/II相用量漸増単群非盲検多施設共同用量拡大試験。追跡期間中央値 30.4ヵ月において、ORR63%、CR以上46%を示した。有害事象は、好中球減少症(全Grade72%)、貧血(全Grade55%)、血小板減少症(全Grade42%)、リンパ球減少症(全Grade36%)、感染症(全Grade79%)などであった。MMY1002試験は成人日本人のR/R MM患者を対象に、テクリスタマブの有用性を評価する第I/II相用量漸増単群非盲検多施設共同試験。追跡期間中央値14.3か月において、ORR76.9%、VGPR以上76.9%、CR以上65.4%を示した。安全性に関する所見はMajesTEC-1の結果と一貫していた。

(ケアネット 細田 雅之)