ポラツズマブ ベドチン+R-CHPのDLBCL1次治療、5年追跡でも有効性確認 (POLARIX)/ASH2024

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/10

 

 未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチンとR-CHPレジメンの併用は5年追跡結果でも、引き続き無増悪生存期間(PFS)ベネフィットが示された。

 中等度または高リスクのDLBCLにおいてPola-R-CHPレジメンとR-CHOPレジメンを比較するPOLARIX試験の5年追跡結果 (カットオフ2024年7月5日) が第66回米国血液学会(ASH2024)で報告された。

・試験デザイン:国際無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験
・対象:未治療の成人(18~80歳)DLBCL(IPI指標2〜5)
・試験群:ポラスズマブ ベドチン+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン +リツキシマブ→リツキシマブ (Pola-R-CHP、440例)
・対照群:シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン+リツキシマブ→リツキシマブ(R-CHOP、439例)
・評価項目:
【主要評価項目】治験担当医評価のPFS
【副次評価項目】治験担当医評価の無イベント生存期間(EFS)、PET-CTによる完全奏効(CR)割合、盲検下独立中央判定(BICR)評価の全生存期間(OS)

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値54.9ヵ月における5年PFS割合はPola-R-CHP群64.9%、R-CHOP群59.1%と、引き続きPola-R-CHP群で有意な改善を示した(ハザード比[HR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.62~0.97)。
・5年CR持続(DOCR)割合はPola-R-CHP群71.8%、R-CHOP群66.5%であった(HR:0.75、95%CI:0.57〜1.00)。
・5年OS割合は、Pola-R-CHP群82.3%、R-CHOP群79.5%であった(HR:0.85、95%CI:0.63〜1.15)。
・後治療を受けた割合はPola-R-CHP群38.3%、R-CHOP群61.7%だった。

 拡大集団では中国の121例が追加され、合計1,000例(Pola-R-CHP群500例、R-CHOP群500例)が評価された。

・拡大集団におけるPFSのHRは0.80(95%CI:0.65〜0.98)、無病生存率のHRは0.81(95%CI:0.63〜1.05)、OSのHRは0.83(95%CI:0.62〜1.10)であった。
・拡大集団におけるGrade3~5の有害事象(AE)発現率はPola-R-CHP群98.0%、R-CHOP群98.6%、Grade3/4のAE発現はそれぞれ62.6%と60.2%、Grade5の発現はそれぞれ2.8%と2.0%で、Pola-R-CHP群とR-CHOP群で同等だった。

 5年追跡データの結果でも、Pola-R-CHPは未治療の中または高リスクDLBCL患者に対する標準治療であることが確認された。

(ケアネット 細田 雅之)