既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者に対する治療薬として、2024年5月に発売された抗ヒトIL-13モノクローナル抗体製剤レブリキズマブについて、日本の実臨床における良好な有効性と安全性が示された。日本医科大学千葉北総病院の萩野 哲平氏らによるDermatitis誌オンライン版2月20日号への報告より。
本研究は2施設の共同研究であり、中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者126例が対象。患者はレブリキズマブに外用コルチコステロイド薬を併用する16週間の治療を受けた。治療期間中に、以下の各指標が評価された:Eczema Area and Severity Index(EASI)/Investigator's Global Assessment(IGA)/Peak Pruritus Numerical Rating Scale(PP-NRS)/睡眠障害NRS/Atopic Dermatitis Control Tool(ADCT)/Dermatology Life Quality Index(DLQI)/Patient Oriented Eczema Measure(POEM)/IgE抗体/Thymus and Activation-Regulated Chemokine(TARC)/乳酸脱水素酵素(LDH)/末梢血好酸球数(TEC)
主な結果は以下のとおり。
・レブリキズマブは4週時点ですべての臨床指標を改善し、その効果は16週まで維持された。
・16週時点のEASI-50、75、90、100、IGA 0/1の達成率はそれぞれ83.1%、57.1%、27.3%、11.7%、33.3%であった。
・16週時点のPP-NRS、睡眠障害NRS、DLQIの≧4ポイントの改善、ADCT<7ポイント、POEM≦7ポイントの達成率は、それぞれ75.9%、68.8%、65.9%、76.9%、80.4%であった。
・検査指標については、治療期間中にIgE、TARC、LDHは減少したが、TECは増加した。
・新たな安全性上の懸念は認められなかった。
(ケアネット 遊佐 なつみ)