お知らせがあります

2024/07/10
7月10日より「Web講演会」「CARENQ」の送信元メールアドレスを変更いたしました。
■変更前:seminar@carenet.co.jp、enquete@carenet.co.jp
■変更後:seminar@www.carenet.com、enquete@www.carenet.com
メールアドレスまたはドメインによる受信拒否や振り分けなどを設定されている方は、設定の変更をお願いいたします。

急性心筋梗塞で入院した55歳以下の女性患者は男性患者よりも退院後1年間の再入院リスクが高い

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2023/09/05

 

 急性心筋梗塞(AMI)で入院した若年成人期~中年期の女性患者は、男性患者よりも退院後1年間の再入院リスクが高いという研究結果が、「Journal of the American College of Cardiology」5月9日号に掲載された論文で明らかにされた。

 米イェール大学の澤野充明氏らは、AMIで入院した18~55歳の患者を対象に、退院後1年間に発生した再入院の原因と時期を男女間で比較する研究を実施した。米国の病院103件のAMI患者が登録されたVIRGO(Variation in Recovery: Role of Gender on Outcomes of Young AMI Patients)研究の参加者のうち、本研究の組み入れ基準を満たした2,979例(女性2,007例、男性972例、平均年齢47.1±6.2歳)のデータを用いた。

 全ての要因による再入院および原因別の再入院(「冠動脈に関連する有害事象」、「冠動脈疾患を除く心疾患または脳卒中」、「心臓とは無関係の有害事象」、または「死亡」による再入院)の発生率を、1,000人年当たりの発生率(IR)として算出して男女間で比較した。続いて、死亡(競合リスク)を考慮したFine and Grayモデルを用いて、再入院に関する男女間の部分分布ハザード 比(SHR)を求めた。

 退院後1年間に1回以上再入院した患者は2,979例中905例(30.4%)であった。再入院の原因で最も多かったのは「冠動脈に関連する有害事象」〔IR;女性171.8(95%CI 153.6~192.2)対男性117.8(同97.3~142.6)〕、続いて多かったのは「心臓とは無関係の有害事象」〔IR;女性145.8(95%CI 129.2~164.5)対男性69.6(同54.5~88.9)〕であった。これらの再入院のリスクは女性の方が有意に高く、原因別のSHRは、「冠動脈に関連する有害事象」で1.33(95%CI 1.04~1.70、P=0.03)、「心臓とは無関係の有害事象」で1.51(同1.13~2.07、P=0.005)であった。

 全ての要因による再入院および原因別の再入院の時期については、男女間で有意差がなかった。

 付随論評で、著者らは、「比較的若い女性のAMI患者における有害事象のリスクが男性患者よりも高いことが、過去数十年間の先行研究で明らかにされているが、本研究の結果はこれを裏付けるものである。心血管治療において依然として見られるこの性差を早急に解消する段階に来ている」と述べている。

 なお、2名の著者が製薬企業および医療技術企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしており、1名の著者が関連特許を開示している。

[2023年5月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら