診断のための標的ボトックス注射は片頭痛のトリガー部位の特定に、高い陽性適中率を示すという研究結果が、「Plastic and Reconstructive Surgery」5月号に掲載された。
マギル大学保健センター(カナダ)のHassan ElHawary氏らは、片頭痛のトリガー部位を特定するためにボトックス注射を受け、その後に罹患末梢神経の神経減圧術を受けた患者40人について感度解析を実施し、ボトックスの診断能について検討した。
解析の結果、ボトックス注射が成功した患者(注射後に片頭痛指数のスコアが50%以上改善した患者と定義)は、神経減圧術後の片頭痛の強度、頻度、片頭痛指数の平均減少率が有意に高かった。片頭痛の診断法としてのボトックス注射の使用は、感度解析で感度が56.7%、特異度が80.0%であった。陽性適中率は89.5%、陰性適中率は38.1%であった。
共著者で米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのJeffrey E. Janis氏は、「われわれの研究は、術前ボトックス注射が片頭痛手術に反応する患者を特定するための信頼できる診断ツールとして価値があることを支持するものであり、その陽性適中率はほぼ90%であった。われわれは、トリガー部位を確認し、片頭痛手術の効果がより期待できる患者を特定する目的で、神経ブロックと同様に診断用ボトックス注射を日常的に使用することを推奨する」と述べている。
[2024年5月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら