親が主導する急性喘息発作時のステロイド投与戦略は有益なのか?

提供元:ケアネット

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公開日:2010/03/19

 



急性の喘息発作は世界的に、救急部門と入院の主因の一つであり、発作時の負担軽減および医療費削減のための戦略が必要不可欠とされる。オーストラリアのビクトリア州BarwonにあるGeelong病院のP J Vuillermin氏らは、入院下の医師投与による有効性が確立している経口ステロイド投与について、学童期児童(5~12歳)の急性喘息発作時に、親が開始を決める経口ステロイド投与を短期間行うことの有効性について、無作為化試験を行った。BMJ誌2010年3月6日号(オンライン版2010年3月1日号)より。

プラセボ投与対照で、症状、医療資源利用、学校欠席状況を比較




試験は、二重盲検無作為化プラセボ対照クロスオーバーの手法で行われた。被験者は、ビクトリア州Barwonに住む5~12歳児で、過去に急性喘息発作のエピソードを有する230例が登録された。親によって開始される短期の経口プレドニゾロン投与(1mg/kg体重/日)もしくはプラセボを投与する群に無作為化された。

主要評価項目は、7日間の日中の平均症状スコア。副次評価項目は、7日間の夜間症状の平均スコア、利用した医療サービス、学校を欠席状況とした。

繰り返し投与による副作用とをはかりにかけて検討すべき




試験登録児童のうち131例(57%)から、3年間(2005年3月~2008年5月)で計308回の急性喘息発作のエピソードおよび親によるプレドニゾロン投与(うち153回はプラセボ)が報告された。

プレドニゾロン投与群の7日間の日中の平均症状スコアは、プラセボ群よりも15%低かった(平均比:0.84、95%信頼区間:0.74~0.98、P=0.023)。

夜間症状の平均スコアも、16%低かった(同:0.84、0.70~1.00、P=0.050)。

医療サービス利用も(オッズ比:0.54)、学校の欠席日数も(平均差:-0.4日)プレドニゾロン投与群の方が低かった。

Vuillermin氏らは、「子どもが急性喘息発作時、親による短期の経口プレドニゾロン投与は、症状軽減、医療資源利用の低減、学校欠席の低減をもたらすことができるようだ」とまとめつつ、「この戦略のささやかなベネフィットと、経口ステロイドの繰り返し投与による副作用とをはかりにかけて検討しなくてはならない」と結論している。