禁煙によって精神的な健康が得られる/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/27

 

 禁煙は不安やうつ症状を軽減し、精神的QOLやポジティブ感情を向上する効果があり、その効果量は抗うつ薬療法と同等以上であることが、英国・バーミンガム大学のGemma Taylor氏らが行った、26試験についてのメタ解析の結果、明らかにされた。BMJ誌オンライン版2014年2月13日号掲載の報告より。

不安、うつ症状、精神的QOLなどを禁煙前と後で評価
 研究グループは、Cochrane Central Register of Controlled TrialsやMedlineなどを基に、喫煙者を対象に喫煙継続または禁煙後の精神的健康状態について評価を行った26の縦断的試験についてメタ解析を行った。

 被験者について、不安、うつ症状、混合性不安抑うつ、精神的QOL、ポジティブ感情、ストレスについて、禁煙前(またはベースライン時)と7週~9年後の間に評価を行った。

禁煙で不安やうつ症状は軽減、精神的QOLとポジティブ感情は向上
 結果、不安、うつ症状、混合性不安抑うつ、ストレスについては、禁煙者は喫煙継続者に比べ、有意に症状が軽減した。標準化平均差は、不安が-0.37(95%信頼区間:-0.70~-0.03)、うつ症状が-0.25(同:-0.37~-0.12)、混合性不安抑うつが-0.31(同:-0.47~-0.14)、ストレスが-0.27(同:-0.40~-0.13)だった。

 精神的QOLとポジティブ感情についても、禁煙者が喫煙継続者に比べて有意に向上した。標準化平均差は、精神的QOLが0.22(同:0.09~0.36)、ポジティブ感情が0.40(同:0.09~0.71)だった。

 これらの効果量は、気分障害・不安障害のある人における抗うつ薬療法と同等かそれ以上だと考えられた。効果量には、身体・精神疾患のある人とない人で差は認められなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)