重症敗血症または敗血症性ショックの患者に対し、晶質液に加えてアルブミンを投与しても、晶質液単独投与と比較して28日、90日の生存率は改善しなかったことが示された。イタリア・ミラノ大学のPietro Caironi氏らが、1,818例対象の多施設共同非盲検無作為化試験ALBIOSの結果、報告した。先行研究において、重症敗血症に対するアルブミン投与のベネフィットが示唆されたが、有効性については十分には確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。
100のICUで1,818例を対象に晶質液単独群とアルブミン追加群を比較
ALBIOS(Albumin Italian Outcome Sepsis)試験は、イタリア国内100ヵ所の集中治療室(ICU)にて、2008年8月~2012年2月の間に18歳以上の1,818例の重症敗血症患者を、20%アルブミン+晶質液(910例)もしくは晶質液単独(908例)を受ける群に無作為に割り付けて行われた。アルブミン群の、ICU退室時まで、もしくは無作為化後28日間の目標血清アルブミン値は30g/L超で維持された。
主要アウトカムは、28日時点の全死因死亡だった。副次アウトカムは、90日時点の全死因死亡、臓器機能障害を有した患者数およびその重症度、ICU在室期間、入院期間などであった。
28日時点の全死因死亡に有意差みられず、90日時点も同様
解析は、同意が取り下げられたなどの理由で除外された8例を除外した、アルブミン群903例(年齢中央値70歳、経時的臓器不全スコア[SOFA]中央値:8、人工呼吸器装着:78.5%)、晶質液単独群907例で行われた。
結果、最初の7日間において、アルブミン群の患者は晶質液単独群と比較して、平均動脈圧が有意に高く(p=0.03)、ネット体液バランスが有意に低かった(p<0.001)。
28日時点の全死因死亡は、アルブミン群285/895例(31.8%)、晶質液単独群288/900(32.0%)で有意差はみられなかった(アルブミン群の相対リスク:1.00、95%信頼区間[CI]:0.87~1.14、p=0.94)。
同様に90日時点についても、アルブミン群365/888例(41.1%)、晶質液単独群389/893例(43.6%)で有意差はみられなかった(同:0.94、0.85~1.05、p=0.29)。
その他、副次アウトカムについても両群間の有意差はみられなかった。