肝硬変が認められない未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)感染患者に対するレディパスビル+ソホスブビル治療について、8週間投与が、同12週間投与やリバビリン併用投与と比べ、有効性において非劣性であることが示された。米国・バージニア・メイソン・メディカル・センターのKris V. Kowdley氏らが行った治験(第III相)の結果、明らかにした。NEJM誌オンライン版2014年4月11日号掲載の報告より。
レディパスビル+ソホスブビルの8週投与を、12週投与、リバビリン併用と比較
Kowdley氏らは、肝硬変の合併症がなく、未治療のHCV遺伝子1型に感染した患者647例を対象に、オープンラベル無作為化比較試験を行った。被験者を無作為に3群に分け、1群にはレディパスビルとソホスブビルを、別の群にはレディパスビル+ソホスブビルとリバビリンをそれぞれ8週間、もう一群にはレディパスビル+ソホスブビルを12週間投与した。
主要エンドポイントは、治療終了12週後の持続的ウイルス消失(SVR)だった。
主要エンドポイント達成率は8週群で94%、その他の群と同等
その結果、主要エンドポイントのSVR達成率は、レディパスビル+ソホスブビル8週群が94%(95%信頼区間:90~97%)、レディパスビル+ソホスブビル+リバビリン群が93%(同:89~96%)、レディパスビル+ソホスブビル12週群が95%(同:92~98%)と、いずれも同等だった。
レディパスビル+ソホスブビル8週群に比べ、レディパスビル+ソホスブビル12週群のSVR達成率は1%ポイント高く(97.5%信頼区間:-4~6%)、レディパスビル+ソホスブビル+リバビリン群は1%ポイント低いのみで(95%信頼区間:-6~4%)、いずれの群に対してもレディパスビル+ソホスブビル8週群の非劣性が示された。
レディパスビル+ソホスブビル8週群の被験者に、有害イベントによる治療中断はなかった。有害イベントは、レディパスビル+ソホスブビル+リバビリン群で最も多くみられた。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)