米国における主要6要因の死亡率の変化/JAMA
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1969~2013年の米国死亡統計データを分析した結果、全死因(心疾患・がん・脳卒中・不慮の外傷・糖尿病の統合)の年齢標準化死亡率は減少の傾向が認められたという。米国がん協会のJiemin Ma氏らが報告した。ただし、心疾患、脳卒中、糖尿病の減少割合は鈍化がみられ、また同期間中COPDの死亡率は増大していた。JAMA誌2015年10月27日号掲載の報告。
1969~2013年の全死因、主要6死因死亡率の経時的変化を調査
本検討は、米国における全死因および主要6要因(心疾患、がん、脳卒中、COPD、不慮の外傷、糖尿病)の死亡率について、経時的変化の傾向を調べることを目的とし、1963~2013年の全米人口動態統計データをjoinpoint分析して行われた。主要評価項目は、年齢標準化死亡率と75歳未満の損失生存可能年数(years of potential life lost:YPLL)の総計および年間割合の変化で、全死因統合および各死因について評価した。
COPDのみ増大、また近年は心疾患、脳卒中、糖尿病の死亡率低下が鈍化
1969~2013年の年齢標準化死亡率(人口10万当たり)は、全死因は1,278.8から729.8に減少していた(減少率42.9%、95%信頼区間[CI]:42.8~43.0%)。脳卒中は156.8から36.0に(77.0%、76.9~77.2%)、心疾患は520.4から169.1(67.5%、67.4~67.6%)、不慮の外傷65.1から39.2(39.8%、39.3~40.3%)、がんは198.6から163.1(17.9%、17.5~18.2%)、糖尿病は25.3から21.1(16.5%、15.4~17.5%)に減少していた。一方で、COPDは21.0から42.2に増大していた(増加率100.6%、95%CI:98.2~103.1%)。
しかし、joinpoint分析により、直近期間において、男性COPD死亡率の低下が始まっていることが、また心疾患、脳卒中、糖尿病の死亡低下率が鈍化していることが判明した。たとえば、心疾患死亡の年間低下率は、2000~10年では3.9%(95%CI:3.5~4.2%)であったが、2010~13年では1.4%(同:0.6~3.4%)であった(傾斜差p=0.02)。
また、1969~2013年の年齢標準化YPLLは、糖尿病は1.9から1.6に(減少率14.5%、95%CI:12.6~16.4%)、がんは21.4から12.7に(40.6%、40.2~41.1%)、不慮の外傷は19.9から10.4に(47.5%、47.0~48.0%)、心疾患は28.8から9.1に(68.3%、68.1~68.5%)、脳卒中は6.0から1.5に(74.8%、74.4~75.3%)それぞれ有意に減少していた(p<0.05)。一方で同一期間中、COPDのYPLLは有意な減少はみられなかった。
(医療ライター 武藤 まき)
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