お知らせがあります

2024/07/10
7月10日より「Web講演会」「CARENQ」の送信元メールアドレスを変更いたしました。
■変更前:seminar@carenet.co.jp、enquete@carenet.co.jp
■変更後:seminar@www.carenet.com、enquete@www.carenet.com
メールアドレスまたはドメインによる受信拒否や振り分けなどを設定されている方は、設定の変更をお願いいたします。

17歳前後の肥満、成人後の心血管死リスクが3.5倍/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2016/04/28

 

 青年期BMIが50パーセンタイル以上において、成人での心血管疾患死のリスクが増大することが明らかにされた。BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる“許容範囲”と考えられている群でも同リスクの増加が認められ、95パーセンタイル以上群では5~24パーセンタイル群に比べて、心血管疾患死のリスクが3.5倍に増大したという。イスラエル・Sheba Medical CenterのGilad Twig氏らが、平均年齢17.3歳の青年男女230万人について約40年間追跡を行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌オンライン版2016年4月13日号で発表した。

被験者の平均年齢は17.3歳
 研究グループは、1967~2010年にイスラエルの青年男女230万人のBMIを測定した。そのうえで、米国疾病予防管理センターの年齢・性別ごとの100分位数に基づいてBMI値による被験者のグループ分けを行った(5未満、5~24、25~49、50~74、75~84、85~94、95以上の各パーセンタイル群)。被験者の平均年齢は17.3±0.4歳だった。

 主要評価項目は、2011年半ばまでの冠動脈性心疾患死、脳卒中死、原因不明の突然死の各死亡数、またはそれら3カテゴリーの複合(総心血管疾患死)だった。

 Cox比例ハザードモデルを用いてリスクを算出した。

BMI 95パーセンタイル以上の肥満群の冠動脈性心疾患死リスクは約5倍
 結果、4,229万7,007人年に及ぶ追跡期間中の死亡者数は3万2,127例で、そのうち心血管疾患によるものは2,918例(9.1%)だった。うち1,497例は冠動脈性心疾患死、528例は脳卒中死、893例は突然死だった。

 多変量解析の結果、心血管疾患死および全死因死亡のリスクは、BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる許容範囲と考えられているグループから段階的に上昇することが判明した。

 具体的に、5~24パーセンタイル群を基準(1.00)とした時の、冠動脈性心血管死の補正(性別・年齢・出生年・社会人口学的特性・身長)後ハザード比は、25~49パーセンタイル群では1.11(p=0.23)、50~74群は1.49(p<0.001)、75~84群2.17(p<0.001)、85~94群3.02(p<0.001)、95以上群では4.9(95%信頼区間[CI]:3.9~6.1、p<0.001)であった。なお、95パーセンタイル群についてみると、脳卒中死は2.6(同:1.7~4.1、p<0.001)、突然死2.1(同:1.5~2.9、p<0.001)、総心血管疾患死は3.5(同:2.9~4.1、p<0.001)だった。

 また追跡期間ごとにみると、95パーセンタイル群の心血管疾患死のハザード比は、追跡期間0~10年には2.0(同:1.1~3.9)だったが、追跡期間30~40年には4.1(同:3.1~5.4)に増大。両期間とも冠動脈性心疾患死のハザード比が一環して高値だった。

 これらの所見は、感度解析でも同様に確認された。

 著者は、「青年期の、許容範囲とされるBMI50~74パーセンタイル群でも、追跡40年間の間、心血管死および全死因死亡増大との関連が認められた。過体重と肥満は、成人における心血管死増大と強く関連していた」とまとめている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)