早産児、主要併存疾患なし生存の割合は?/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2019/11/01

 

 スウェーデンにおいて、1973~97年に生まれた早産児のほとんどは、成人期初期から中年期まで主要併存疾患を伴わず生存していたが、超早産児については予後不良であった。米国・マウントサイナイ医科大学のCasey Crump氏らが、スウェーデンのコホート研究の結果を報告した。早産は、成人期における心代謝疾患、呼吸器疾患および神経精神障害との関連が示唆されてきたが、主要併存疾患を有さない生存者の割合については、これまで不明であった。JAMA誌2019年10月22日号掲載の報告。

1973~97年に生まれた約260万人を18~43歳まで追跡
 研究グループは、1973年1月1日~1997年12月31日の期間にスウェーデンで生まれ、妊娠週数のデータがあり、2015年12月31日(18~43歳)まで生存と併存疾患に関する追跡調査を受けた全国住民256万6,699例について解析した。

 主要評価項目は、超早産(22~27週)、極早産(28~33週)、後期早産(34~36週)、早期正期産(37~38週)で生まれた人と、満期正期産(39~41週)で生まれた人の主要併存疾患のない生存率であった。

 併存疾患は、思春期および若年成人に一般的に現れる神経精神障害等を評価するAdolescent and Young Adult Health Outcomes and Patient Experience(AYA HOPE:思春期および若年成人の健康転帰と患者の体験)Comorbidity Indexを用いて定義するとともに、成人期の死亡率を予測する主要慢性疾患等を評価するCharlson Comorbidity Index(CCI)を用いて定義した。

AYA HOPE併存疾患なし54.6%、CCI併存疾患なし73.1%
 解析対象集団のうち、48.6%が女性、5.8%が早産で、追跡期間終了時の年齢中央値は29.8歳(四分位範囲12.6歳)であった。

 追跡期間終了時でのAYA HOPE併存疾患なしの生存者の割合は、全早産出生者で54.6%(超早産22.3%、極早産48.5%、後期早産58.0%)、早期正期産で61.2%、満期正期産で63.0%であった。この割合は、満期正期産出生者と比較して全早産出生者で有意に低下した(補正後率比:超早産0.35[95%信頼区間[CI]:0.33~0.36、p<0.001]、全早産0.86[95%CI:0.85~0.86、p<0.001]、補正率比の差:超早産-0.41[95%CI:-0.42~-0.40、p<0.001]、全早産-0.09[95%CI:-0.09~-0.09、p<0.001])。

 また、CCIで評価した併存疾患を有することなく生存していた人の割合は、全早産73.1%、超早産32.5%、極早産66.4%、後期早産77.1%、早期正期産80.4%、満期正期産81.8%であった(補正後率比 超早産:0.39[95%CI:0.38~0.41、p<0.001]、全早産:0.89[95%CI:0.89~0.89、p<0.001]、補正後率比の差 超早産:-0.50[95%CI:-0.51~-0.49、p<0.001]、全早産:-0.09[95%CI:-0.09~-0.09、p<0.001])。

(医学ライター 吉尾 幸恵)