心房細動後1年以内のリズムコントロールで心血管転帰良好/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/24

 

 心房細動の診断から1年以内の患者では、リズムコントロール治療の早期開始により、レートコントロールに比べ有害心血管イベントのリスクが有意に低下したが、この関連性は心房細動を発症して1年以上経過した患者では認められなかった。韓国・延世大学校医科大学のDaehoon Kim氏らが、長期観察コホート研究の結果を報告した。心房細動患者の予後に対するレートコントロールとリズムコントロールの効果の比較については結論が得られておらず、最近発表されたEAST-AFNET 4試験では、発症後1年以内の心房細動患者の場合、リズムコントロール治療は通常治療より有害心血管イベントのリスクが低いことが示されていた。BMJ誌2021年5月11日号掲載の報告。

約2万3,000例でリズムコントロールとレートコントロールを比較

 研究グループは、韓国・国民健康保険公団のデータベースを用い、2011年7月28日~2015年12月31日に、リズムコントロール(抗不整脈薬またはアブレーション)またはレートコントロール戦略で新たに治療を受けた心房細動および心血管疾患の成人患者2万2,635例を特定し、心血管疾患による死亡、虚血性脳卒中、心不全による入院、または急性心筋梗塞の主要複合エンドポイントについて解析した。

心房細動診断1年以内のリズムコントロール開始は、心血管イベントのハザード比が0.81で有意に低い

 2万2,635例の患者背景は、1万2,200例(53.9%)が男性で、年齢中央値は70歳、追跡期間中央値2.1年であった。

 心房細動の診断から1年以内に治療が開始された早期治療患者では、レートコントロールと比較してリズムコントロールで、主要複合エンドポイントのイベント発生リスクが低かった。100人年当たりの重み付き発生率は、リズムコントロール7.42 vs.レートコントロール9.25であった(ハザード比[HR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.71~0.93、p=0.002)。

 一方、心房細動の診断から1年経過した後に治療が開始された治療遅延患者では、リズムコントロールとレートコントロールの間に主要複合エンドポイントの差は認められなかった。100人年当たりの重み付き発生率は、リズムコントロール8.67 vs.レートコントロール8.99だった(HR:0.97、95%CI:0.78~1.20、p=0.76)。

 心房細動の診断から1年以内では、治療開始時期が早いほどレートコントロールよりリズムコントロールで心血管転帰が良好であった。

 安全性については、治療開始時期の違いで、リズムコントロールとレートコントロールの間に差はみられなかった。

(ケアネット)

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