足首骨折、石膏ギプスはブレースに優越性なし/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/15

 

 成人の急性足関節骨折において、石膏ギプスの、取り外し可能な固定ブレースに対する優越性は認められなかったことが、英国・ウォーリック大学のRebecca Kearney氏らによる無作為化比較試験の結果、示された。16週時点で両群間にOMAS(Olerud Molander ankle score)の統計学的な差は示されなかったという。足関節骨折の治療では、固定を最大限とする石膏ギプスが伝統的に利用されてきたが、固定中に関節の硬直や筋肉の衰弱を引き起こす可能性がある。取り外し可能なブレースは早期の可動により、それらの問題を解決できる可能性はあるが、いずれの治療法が優れているかは明らかになっていなかった。BMJ誌2021年7月5日号掲載の報告。

16週後のOMASで比較

 研究グループは、英国の国民保健サービス(NHS)傘下の20ヵ所の外傷センターを通じて、急性足関節骨折を呈し、ギプス固定が適切な18歳以上、669例を無作為に2群に分け、一方には石膏ギプスで(334例)、もう一方には取り外し可能なブレースで(335例)足関節を固定した。石膏ギプス群は、膝下ギプスを装着し、ギプスが取れてから足首を動かすエクササイズを開始した。ブレース群は同練習を、装着後すぐに開始した。

 主要アウトカムは、16週時点のOMASで、ITT解析にて評価した。副次アウトカムは、6週、10週、16週時点のマンチェスター-オックスフォード・フット質問票、機能障害評価指数(DRI)、生活の質(QOL)、合併症だった。

OMASは有意差なし

 被験者の平均年齢は46歳(SD 17)、57%(381例)が女性だった。試験を終了したのは、502例(75%)だった。

 16週時点のOMASについて、両群間で有意差はみられなかった(ブレース群を支持する値:1.8、95%信頼区間:-2.0〜5.6)。他の評価時点のOMASについては、補正前、代入法、PPS解析でも、臨床的に重要な差はなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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