5歳未満へのコロナワクチン、3回接種の発症予防効果73.2%/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/02/24

 

 生後6ヵ月~4歳児に対する新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」3μgの3回接種は安全で免疫原性があり、症候性COVID-19に対し有効であることを、米国・Baylor College of MedicineのFlor M. Munoz氏らが、約4,500例を対象とした試験の結果を報告した。3回目接種後1ヵ月時点の、免疫ブリッジング成功基準も満たし、反応原性イベントの大部分が軽度~中等度で、Grade4のイベントは認められなかった。NEJM誌2023年2月16日号掲載の報告。

接種後1ヵ月時点の免疫応答を評価

 研究グループは、6ヵ月~11歳の健康な小児を対象にBNT162b2ワクチンの第I相用量設定試験を完了し、現在第II~III相の安全性・免疫原性・有効性試験を行っている。

 本稿では、6ヵ月~2歳未満と2~4歳の小児について、データカットオフ日(安全性と免疫原性については2022年4月29日、有効性については2022年6月17日)までの結果について報告した。

 第II~III相試験では、被験者を無作為に2対1の割合で2群に割り付け、一方にはBNT162b2の3μgを2回接種し、もう一方にはプラセボを接種した。3回目接種については、2回目接種後8週間以上空け、免疫原性の予備的結果に基づいて3μg接種を2022年1月から開始した。同時期に、B.1.1.529変異株(オミクロン株)が出現した。

 6ヵ月~2歳未満、2~4歳の小児の、2、3回目接種後1ヵ月時点における免疫応答について、ピボタル試験でBNT162b2(30μg)接種を受けた16~25歳の2回目接種後の応答と免疫ブリッジングして評価した。

3回目接種後1ヵ月時点の免疫ブリッジング成功基準、6ヵ月~4歳児で達成

 第I相用量設定試験では、BNT162b2(3μg)を6ヵ月~2歳未満の小児16例と、BNT162b2(3μgまたは10μg)を2~4歳の小児48例に21日間隔で2回接種した。

 第II~III相試験では、3μg用量を採用し、BNT162b2を6ヵ月~2歳未満の小児1,178例と、2~4歳の小児1,835例に接種し、プラセボをそれぞれ598例、915例に接種した。

 3回目接種後1ヵ月時点での幾何平均比と血清反応に基づく免疫ブリッジングの成功基準は、両年齢群で達成した。

 BNT162b2の反応原性イベントの大部分は軽度~中等度で、Grade4のイベントは認められなかった。接種後の発熱の頻度は低く、両群とも同程度で、BNT162b2群では6ヵ月~2歳未満が7%、2~4歳が5%、プラセボ群ではそれぞれ6~7%と4~5%だった。

 6ヵ月~4歳の、症候性COVID-19に対するワクチンの全体的有効性の34症例に基づく観察値は、3回目接種後7日以降で73.2%(95%信頼区間[CI]:43.8~87.6)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 田中 希宇人( たなか きゅうと ) 氏

日本鋼管病院 呼吸器内科 部長