地中海式ダイエット食が、アルツハイマー型認知症リスクを低減する?

提供元:ケアネット

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公開日:2009/08/25

 



米国ニューヨークTaub Institute for Research in Alzheimer’s Disease and the Aging BrainのNikolaos Scarmeas氏らは、地中海式ダイエット食および運動は、いずれもアルツハイマー型認知症の発症リスクを有意に低減すると報告している。地中海式ダイエット食が少ない人と比べると、多い人は同リスクが約4割減少、また運動をよくする人はしない人に比べると、同リスクが約3割強減少するという。JAMA誌2009年8月12日号で発表した。

高齢者1,880人について、平均5.4年追跡




研究グループは、1992~2006年にかけて、ニューヨーク在住の高齢者合わせて1,880人について、前向きに追跡調査を行った。被験者の地中海式ダイエット食の摂取程度と、運動量について、およそ1.5年ごとに調査を行った。試験開始時点の平均年齢は77.2歳、追跡期間の平均は5.4年(SD 3.3)だった。

結果は、年齢、性別、人種、うつ病の有無、余暇の過ごし方などで、補正を行った上で解析された。

AD発症リスクは、地中海式ダイエット食で0.60倍、運動で0.67倍まで減少




追跡期間中、282人のアルツハイマー型認知症(AD)が発症した。

地中海式ダイエット食とAD発症率について見てみると、同ダイエットの程度を3段階(低・中・高)に分けた際の低レベル群との比較で、中レベル群のAD発症に関するハザード比は0.98(95%信頼区間:0.72~1.33)、高レベル群は同0.60(同:0.42~0.87、傾向性p=0.008)だった。

一方、運動量とAD発症率については、運動量を3段階(しない・中・高)に分けた際の運動をしない群との比較で、中レベル群のハザード比は0.75(同:0.54~1.04)、高レベル群の同比は0.67(同:0.47~0.95、傾向性p=0.03)だった。

また、地中海式ダイエット食と運動量を併せて見てみると、同ダイエット食の低レベル群で運動をしない人の、AD発症に関する絶対リスクは19%だったのに対し、同ダイエットと運動量ともに高レベル群の人の絶対リスクは12%だった(ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.44~0.96、傾向性p=0.03)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)