軽度認知障害に有効な介入法はあるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/10/28 認知症の前兆として頻度が高い軽度認知障害(MCI)。MCIを呈する患者に対し、障害の増悪を抑制する方法は明らかにはなっていない。英国ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのClaudia Cooper氏らは、無作為化試験のシステマティックレビューを行い、認知的、神経精神病学的、機能的、全体的アウトカム、生活の質および認知症発症におけるMCIへのあらゆる介入効果について評価した。British Journal of Psychiatry誌2013年10月号の掲載報告。 研究グループは、無作為化試験のシステマティックレビューを行い、認知的、神経精神病学的、機能的、全体的アウトカム、生活の質および認知症発症におけるMCIへのあらゆる介入効果について評価した。事前規定に適合した41本の試験をレビューし、プラセボ対照試験において、チェックリストを用いて有効性を評価し、標準化アウトカムを算出し、主要アウトカム所見の順位付けを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・解析の結果、最も強力なエビデンスは、コリンエステラーゼ阻害薬は認知症発症を抑制しないということであった。 ・認知機能について、以下についてそれぞれ1試験のみで改善が示された[6ヵ月間にわたる異なる種類による集団心理療法の試験、3ヵ月間にわたるドパミン作動薬ピリベジル(国内未承認)の試験、48週間にわたるドネペジルの試験]。 ・ニコチンの6ヵ月間介入は、注意障害を改善した。 ・Huannao Yicongが認知機能と社会的機能を改善するというエビデンスはあるが不確かであった。 ・以上のように、有効であるという複数のエビデンスがある介入は1つもなかった。 ・コリンエステラーゼ阻害薬とロフェコキシブ(国内未承認)には、認知症の予防効果はない。 ・質の高いさらなる無作為化試験が必要であり、予備的エビデンスが得られている集団心理療法とピリベジルの試験を含むべきであることが示唆された。 関連医療ニュース 治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか? 認知症予防のポイント!MCIへのアプローチ 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Cooper C et al. Br J Psychiatry. 2013 Oct;203:255-64. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 敗血症性ショック、強化学習モデルのバソプレシン投与で死亡率低下/JAMA(2025/04/01) 各連携機関から見た造血幹細胞移植の現状と展望/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/01) EGFR陽性NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがOS改善(MARIPOSA)/ELCC2025(2025/04/01) 治療抵抗性うつ病に対する新たな治療薬、今後の展望は(2025/04/01) BMIを改善すると心房細動リスクが低減か(2025/04/01) 中強度〜高強度の身体活動は脳の健康に有益(2025/04/01) 自己免疫疾患に対する心身症の誤診は患者に長期的な悪影響を及ぼす(2025/04/01) レム睡眠潜時の増長がアルツハイマー病のマーカーとなる可能性(2025/04/01) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)