閉経後女性における結腸がんの危険因子について、米国Women's Health Initiativeにおけるプロスペクティブデータから、関連する可能性がある800以上の因子を検討した結果が、Cancer Causes and Control誌オンライン版2012年8月2日版に発表された。Arthur Hartz氏らが報告。
著者らは、150,912人(50〜79歳)の閉経後女性のデータから、Cox比例ハザード回帰分析を用い、追跡期間中央値である8年において結腸がん発症に関連する独立危険因子を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・1,210人の女性が結腸がん、282人の女性が直腸がんを発症した。
・11の危険因子が、結腸がんリスク増加との独立した関連性が認められた(p<0.001)。χ2値の高い因子から順に、年齢、腰囲(とくに糖尿病ではない女性)、ベースライン時のホルモン療法(防御的)、喫煙、関節炎(防御的、おそらく治療薬剤による)、結腸直腸がんの親類、低ヘマトクリット値、疲労、糖尿病、少ない睡眠薬使用、胆嚢摘出術であった。
・11因子のうち、3つ(年齢、腰囲、ホルモン療法なし)は直腸がんのリスク増加と有意に関連が認められた。
・結腸がんの危険因子として、腰囲、ホルモン療法、喫煙、NSAIDの使用、糖尿病、胆嚢摘出術の重要性が追加された。
・以前に影響を及ぼすリスクとして識別された因子(運動、黒色人種)は、今回の解析では結腸がんとの強い関連性は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)