日本人も肺炎クラミジア感染で冠動脈疾患リスクが上がる~約5万人のコホート研究

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/24

 

 欧米では、肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae)感染がアテローム性動脈硬化症と冠動脈疾患の危険因子と考えられている。しかし、日本人は欧米人に比べて冠動脈疾患リスクが低いため、日本人におけるエビデンスは非常に少ない。今回、日本人における肺炎クラミジア感染と冠動脈疾患リスクとの関連について、JPHCスタディ(厚生労働省がん研究班による多目的コホート研究)で検討した。その結果、肺炎クラミジア感染と冠動脈疾患リスクとの間に正の相関が認められた。Atherosclerosis誌オンライン版2014年1月23日号に掲載。

 本研究は、JPHCスタディに参加した日本人男女4万9,011人のコホート内症例対照研究である。2004年末までに記録されたケース(冠動脈疾患196例、心筋梗塞155例)に対し、それぞれコントロールを選択し、血清肺炎クラミジアIgA抗体およびIgG抗体と冠動脈疾患リスクとの関連を調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・肺炎クラミジアIgA抗体濃度は、冠動脈疾患、心筋梗塞と相関が認められた。
・IgA抗体の最も高い四分位では最も低い四分位と比べ、冠動脈疾患リスクが2.29倍(95%CI:1.21~4.33)、心筋梗塞リスクが2.58倍(95%CI:1.29~5.19)であった。
・IgG抗体では、この関連は認められなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)