2型糖尿病患者の食事パターンと心血管疾患(CVD)の潜在的危険因子との関連についてはこれまで明らかになっていない。順天堂大学の遅野井 雄介氏らは、2型糖尿病患者の食事パターンを同定し、CVD危険因子との関連を横断的研究で検討した。その結果、2型糖尿病患者においてCVD危険因子と関連する食事パターンが示唆された。Nutrition Journal誌2016年2月4日号に掲載。
本研究には、CVDの既往がない日本人2型糖尿病の外来患者726例が参加し、自己申告アンケートを用いてライフスタイルを分析した。因子分析によって同定された食事パターンとCVDの潜在的危険因子との関係は、線形ロジスティック回帰分析で検討した。
主な結果は以下のとおり。
・因子分析で同定された6つの食事パターンのうち、とくに3つの食事パターンがCVDの危険因子と関連していた。
・「海藻、野菜、大豆製品、キノコ」の摂取量が多い食事パターンは、少ない糖尿病治療薬使用、健康的なライフスタイルに関連していた。
・「麺、スープ」の摂取量が多い食事パターンは、高いBMI、ALP、ASP、γ-GTP、TGと関連していた。
・「果物、乳製品、甘い菓子」の摂取量が多い食事パターンは、低いγ-GTP、血圧、蛋白尿、上腕−足首間脈波伝播速度(baPWV)に関連していた。
(ケアネット 金沢 浩子)