動物モデルでは、糖分の過剰摂取とアルツハイマー病(AD)との関連が報告されている。今回、米国・ボストン大学のMatthew P. Pase氏らは、フラミンガム心臓研究において、糖分の多い飲料の摂取量とADの発症前段階(preclinical AD)のマーカーが関連することを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年3月5日号に掲載。
フラミンガム心臓研究において、糖分の多い飲料の摂取量と、ADの発症前段階および血管脳損傷(vascular brain injury:VBI)の神経心理学的マーカー(n=4,276)および磁気共鳴画像マーカー(n=3,846)との横断的関連を調べた。糖分の多い飲料の摂取量は食事摂取頻度調査票を用いて推定した。
主な結果は以下のとおり。
・糖分の多い飲料の摂取量が1日1杯未満と比較し、摂取量が多いほど総脳容積が少なかった(1日1~2杯:β±標準誤差[SE]=-0.55±0.14 mean percent difference、p=0.0002、1日2杯:β±SE=-0.68±0.18、p<0.0001)。また、エピソード記憶の検査結果はより劣っていた(すべてp<0.01)。
・毎日のフルーツジュースの摂取は、総脳容積および海馬容積の減少、エピソード記憶の低下と関連していた(すべてp<0.05)。
・糖分の多い飲料の摂取量は、どのアウトカムにおいてもVBIに関連していなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)