DMR(変性性僧帽弁閉鎖不全症)に対するMitraClipのリアルワールドデータ(解説:上妻謙氏)
重症僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する経カテーテル僧帽弁クリップ術(MitraClip)は、低侵襲で僧帽弁の逆流を制御する心不全治療として定着してきた。本論文はSTS/ACC TVTレジストリーという世界を代表する米国の国家データベースの結果をまとめたリアルワールドデータである。MRは,弁尖または腱索、乳頭筋の器質的異常によって生じる1次性MR(器質性MR)と、左室や左房の拡大または機能不全に伴って生じる2次性MR(機能性MR)に大別される。1次性MRのうち弁尖や腱索、乳頭筋などの変性によるDegenerative MRの症例の成績をまとめている。2014年1月から2022年6月まで6万883例にMitraClip術が施行された。このうち1万9,088例が今回の解析対象となった。