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ACL損傷患者、3年以内に再建術を受ける人は約4人に1人

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJamie E. Collins氏らは、膝前十字靭帯(ACL)損傷後の再建術を受けた人の臨床的特性や手術の頻度などについて調べた。これまで、厳密な調査は行われていなかったという。調査の結果、ACL損傷患者の約4人に1人が診断後3年以内に再建術を受けていることなどが明らかになった。American Journal of Sports Medicine誌オンライン版2013年1月9日号の掲載報告。

患者が語る病状にみる、線維筋痛症と慢性腰痛症の特性の違い

 スイス・ジュネーブ大学のChristine Cedraschi氏らは、患者が語る病状にみられる線維筋痛症と慢性腰痛症の特性の違いについて質的研究を行った。その結果、線維筋痛症患者の話では、高い精神的な負荷、著しい言外の暗示、理に適った問題が特徴であるのと対照的に、慢性腰痛症患者の話は、身体的なつらさや消耗、治療の無効性が強調されていたという。Pain Medicine誌2012年12月の掲載報告。

うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」

 うつ病では悲哀感、希望喪失、易刺激性、身体機能障害などの特徴がみられ、数週間にわたり重症の症状を呈する。また、気分変調症は軽度の抑うつ気分が漫然と続いた状態である。うつ病の治療には、精神療法、薬物療法、光線療法などがあるが、これまでの臨床的および経験的エビデンスから、適切な食事が抑うつ症状を軽減しうることが示唆されている。オランダ領アンティル・Saint James School of MedicineのFaisal Shabbir氏らは、食事が抑うつに及ぼす影響について考察した。神経伝達物質であるセロトニンの低下はうつ病の一因であるが、セロトニンの前駆体であるトリプトファンを多く含む食事の摂取が抑うつ症状の軽減に有用であることを示唆した。Neurochemistry international誌オンライン版2013年1月7日号の報告。

睡眠障害と皮膚疾患、夜間のひっかき行動は睡眠ステージと関連

 カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のMadhulika A. Gupta氏らは、Clinics in Dermatology誌2013年1月号特集「Psychodermatology」に、「睡眠障害と皮膚疾患」と題するレビュー論文を寄稿した。睡眠は、人の一生のうち約3分の1を占める生命活動だが、睡眠中の皮膚疾患に関する研究はほとんど発表されていない。しかし皮膚疾患による睡眠の乱れが、患者のQOLやメンタルヘルスに有意な影響を及ぼす可能性があり、また場合によっては症状の増悪に通じる可能性があると、本主題の重要性を提起している。

統合失調症の重症度・社会性の低下は、海馬体積の減少と関連

 統合失調症において海馬体積の減少は高い頻度で報告されているが、疾患への影響(とくに臨床面、心理社会面にどれほど影響するのか)については依然として十分に明らかとなっていなかった。イタリア・ウーディネ大学のP. Brambilla氏らは、統合失調症患者における症状重症度と社会性の低下は、海馬体積の減少と関連している可能性があることを、三次元マッピング研究の結果より、報告した。British Journal of Psychiatry誌2013年1月号の掲載報告。

骨粗鬆症閉経後女性に対するテリパラチド、追加投与も切り替えもベネフィットは同等

 アレンドロネート(ALN、商品名:ボナロン、フォサマック)やラロキシフェン(RLX、商品名:エビスタ)の治療を受けた骨粗鬆症閉経後女性に対して、テリパラチド(商品名:テリボン、フォルテオ)を追加併用することと同薬への切り換えとでは、同等のベネフィットをもたらすことが明らかにされた。

重度の認知障害を有する高齢者、視力検査は行うべき?

 カナダ・モントリオール大学のEstefania Chriqui氏らは、重度の認知障害を有する高齢者の視力検査の可否について検証した。30人を対象に行った試験の結果、19人が視力検査に対応でき、まったく反応しなかった人は1人であった。著者は「認知症がありコミュニケーション能力が低下した高齢者であっても、視力検査は行うことができ、少なくとも試みるべきである」と提言している。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2012年12月27日号の掲載報告。

閉経後女性、血中カロテノイドが高い人ほど骨粗鬆症リスクは低い

閉経後日本人女性を対象とした前向きコホート研究の結果、カロテノイド(とくにβクリプトキサンチンとβカロテン)の血中濃度が高い人ほど、骨減少症および骨粗鬆症リスクが低いことが報告された。農研機構・果樹研究所の杉浦実氏らが、栄養疫学調査「三ヶ日町(静岡県浜松市)研究」の参加者を4年間追跡した結果、報告した。

Qスイッチレーザーのタトゥー除去成功、セッション15回で74.8%

 Pier Luca Bencini氏らは、Qスイッチレーザーのタトゥー除去のアウトカムと後遺症への影響について前向き観察コホート研究を行った。その結果、臨床効果を減じる因子として喫煙や色(黒と赤以外)などが関連していることを明らかにした。著者によると、本検討はQスイッチレーザーによる効果的なタトゥー除去のための予後因子を評価する初の研究であるという。Archives of Dermatology誌2012年12月号(オンライン版2012年9月17日号)の掲載報告。

ネクサバール、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者の無増悪生存期間の延長を達成

 ドイツのバイエル ヘルスケア社と米国オニキス・ファーマシューティカル社は3日、放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行性または転移性分化型甲状腺がん患者を対象としたネクサバール錠(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)の第III相臨床試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の統計学的有意な延長が認められたことを発表した。バイエル薬品が10日に報告した。

日本でほとんど報道されなかった驚愕のインパクト、冠動脈疾患の二次予防に対するコルヒチンに迫る!

 2012年11月、AHA(米国心臓病学会)学術集会が開催され、多くの新しい知見が発表された。その中に、日本では、ほとんど報道されてはいないが、冠動脈疾患の二次予防において、臨床的にきわめてインパクトの高い試験結果が発表されていた。その試験名は、「The LoDoCo Trial」という。LoDoCo試験に用いられた新たな治療選択肢は、わが国でも古くから使用されている痛風発作予防薬コルヒチンだった。 ケアネットでは、この試験に注目し、情報を提供してくださった東海大学医学部 後藤信哉氏に直接お話を伺った。後藤氏は、AHA発表時のDiscussantでもある。

「糖尿病+うつ病」に対する抗うつ薬の有効性は“中程度”

 糖尿病患者におけるうつ病発症は高頻度にみられ、不良な予後と関連する。ドイツ・フライブルグ大学のHarald Baumeister氏らは、うつ病を併発した糖尿病患者への、うつ病治療としての精神療法および薬物療法の効果について、システマティックレビューを行った。その結果、いずれもうつ病改善に中程度の有意な臨床的効果をもたらすことが示され、また血糖コントロールについても、薬物療法群では短期間での改善が認められたという。精神療法の血糖コントロールへの効果については確たるエビデンスが得られなかった。Cochrane Libraryオンライン版2012年12月12日号の掲載報告。

人工膝関節形成術へのドクターフィー年5%減で起きた総医療費の劇的上昇

 米国では1997年8月に財政赤字への懸念から連邦均衡予算法(Balanced Budget Act of 1997)が可決され、メディケアプログラム下の医師への診療報酬(ドクターフィー)の引き下げが命じられた。個々のドクターフィー引き下げそのものによる節減効果と、加えて報酬引き下げは労働インセンティブを低下させ、結果としてアウトプットが減り節減効果がもたらされる、という2つの支出コスト抑制効果があると考えられたためであったという。