カルシウム摂取が大腸がんのリスク低下と関連するとの報告があるが、この関連がカルシウム源や腫瘍部位によって異なるかは明らかではない。さらに、人種や民族によるカルシウム摂取量の差が大腸がんリスクに与える影響も不明である。米国・Division of Cancer Epidemiology and Genetics, National Cancer InstituteのSemi Zouiouich氏らはカルシウムの摂取源と腫瘍部位を考慮し、人種や民族を超えたカルシウム摂取と大腸がんリスクとの関連を調査した。本研究の結果はJAMA Network Open誌2025年2月17日号に掲載された。
米国国立衛生研究所の「NIH-AARP食事と健康研究」のデータを分析した。参加者はベースライン(1995年10月~1996年5月)時点での年齢が50~71歳、自己申告による健康状態が良好で、カロリーやカルシウム摂取量が極端に多過ぎず、少な過ぎない人であり、最初の原発がん診断、死亡、追跡不能、または終了日(2018年12月31日)まで追跡調査された。データは2022年4月~2024年4月に分析された。カルシウム摂取量は、アンケート回答による摂取源(乳製品および非乳製品)、サプリメントの総摂取量から推定し、主要アウトカムは大腸がんの発生率だった。