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難治性てんかん重積状態への有用な対処法

 小児の痙攣難治性てんかん重積状態の治療における、全身麻酔導入前のレベチラセタムおよびバルプロ酸の有効性、安全性を比較した研究は不十分である。トルコ・Dr Behcet Uzこども病院のRana Isguder氏らは、2011~14年に小児集中治療室に入院した痙攣てんかん重積状態の患者における抗てんかん薬の有効性を比較するため検討を行った。Journal of child neurology誌オンライン版2016年4月14日号の報告。

飲酒量と高血圧の関連、フラッシングと関係なし~NIPPON DATA2010

 高血圧における飲酒の影響はフラッシング反応の有無により異なる可能性があるが、確認されていない。今回、大規模コホートNIPPON DATA2010のデータを用いた研究で、日本人男性ではフラッシング反応に関係なく飲酒量と高血圧が正相関することを、東北大学の小暮 真奈氏らが報告した。Hypertension research誌オンライン版2016年5月12日号に掲載。

認知症者に対するSSRI使用はどのような影響を与えるか?

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、認知症の神経変性プロセスに影響を及ぼし、認知機能を高める可能性があるといわれている。英国・Royal Infirmary of EdinburghのHelen E Jones氏らは、いかなるタイプの認知症者でも認知実行や気分、機能に対しSSRIが影響を与えるのかを検討した。Age and ageing誌オンライン版2016年4月7日号の報告。

コーヒーと大腸がんリスクの関連は? 日本人データでのメタ解析

 コーヒー摂取と大腸がんリスクとの関連は明らかになっていない。今回、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究グループが、日本人での疫学研究の系統的レビューとメタ解析を行ったところ、日本人におけるコーヒー摂取と大腸がんリスクの関連を支持するには不十分な結果であった。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年5月12日号に掲載。

パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用か

 パニック症治療に対する第2世代抗精神病薬(SGAs)の役割が提唱されているが、その有用性は明らかとなっていない。イタリア・Villa San Benedetto Menni病院のPerna Giampaolo氏らは、PRISMAガイドラインに基づき、パニック症(他の併存疾患の有無)治療に対するSGAs(単独または増強療法)の有効性および忍容性に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューアップデートを行った。International journal of molecular sciences誌2016年4月13日号の報告。

緑内障点眼治療の片眼トライアルは簡便で有効

 緑内障の薬物治療では、真の眼圧下降効果を評価することが重要となる。英国・ノッティンガム大学病院のAnthony J. King氏らは、プロスタグランジン関連薬による単剤治療について、片眼のみ1週間早く点眼を開始する片眼トライアルの前向き試験を行い、この方法は未治療眼の治療への反応の予測に有効であり、先行投与眼の効果が他眼への治療効果も予測できることを示した。

抗精神病薬ナイーブ統合失調症患者におけるプロラクチンレベルは

 ドパミンアンタゴニストの抗精神病薬の使用は、高プロラクチン血症と関連しているが、統合失調症および関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者においてプロラクチン濃度の上昇がみられる。スペイン・オビエド大学のLeticia Gonzalez-Blanco氏らは、これら疾患の抗精神病薬ナイーブ患者におけるプロラクチンに関する研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年4月5日号の報告。

eGFRが30未満は禁忌-メトホルミンの適正使用に関する Recommendation

 日本糖尿病学会「ビグアナイド薬の適正使用に関する委員会」は、5月12日に「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」の改訂版を公表した。  わが国では、諸外国と比較し、頻度は高くないもののメトホルミン使用時に乳酸アシドーシスが報告されていることから2012年2月にRecommendationを発表、2014年3月に改訂を行っている。とくに今回は、米国FDAから“Drug Safety Communication”が出されたことを受け、従来のクレアチニンによる腎機能評価から推定糸球体濾過量eGFRによる評価へ変更することを主にし、内容をアップデートしたものである。

MCIからAD、DLBへの進行を予測するには:順天堂大

 アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別診断には、18F-フルデオキシグルコース(FDG)PETと123I-ヨードアンフェタミン(IMP)SPECTが使用される。しかし、軽度認知障害(MCI)における鑑別診断に関する情報は少ない。順天堂大学・横浜市立大学の千葉 悠平氏らは、MCIがADによるものかDLBによるものかの鑑別が、FDG PETおよびIMP SPECTで可能かを検討した。Psychiatry research誌2016年3月30日号の報告。

アジア人のシミのレーザー治療、Qスイッチ vs.フラクショナル

 老人性色素斑(日光黒子)は、ほとんどが日光に曝された領域に生じる良性の色素沈着病変である。この病変を取り除くのにQスイッチレーザーが有効であるが、黒い肌タイプにおいては炎症後色素沈着の発生が高まることが懸念されている。タイ・マヒドン大学のVasanop Vachiramon氏らは、アジア人の日光黒子に対する有効性と炎症後色素沈着の程度をQスイッチ Nd:YAGレーザーとフラクショナルCO2レーザーとで比較する検討を行った。その結果、前者のほうが効果は優れているものの、治癒に時間を要し、痛みを伴うことを明らかにした。

LAIは死亡率を上昇させるのか:藤田保健衛生大

 長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬(AP)は、経口薬と比較し、いくつかの利点を有するが、日本国内で市販後初期の警戒すべき時期に起こった死亡例の報告により、安全性に対する懸念が広がってしまった。藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、LAI-APが統合失調症患者の死亡率に影響を与える可能性を評価するため、メタ解析を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2016年4月16日号の報告。