医療一般|page:513

不眠症への行動療法、夜間頻尿を軽減できるか

 不眠症に対する行動療法は夜間頻尿の軽減につながる可能性が示唆された。米国・ピッツバーグ大学のShachi Tyagi氏らが、不眠症と夜間頻尿を併発している60歳以上の地域住民を対象に、行動療法を行った場合と情報提供のみを行った場合を比較検討した結果、報告した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2014年1月2日号の掲載報告。

高齢の乾癬患者、非アルコール性脂肪性肝疾患併発が1.7倍

 高齢の乾癬患者は、非乾癬患者と比べて非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を有する割合が1.7倍高いことが、オランダ・エラスムス大学医療センターのElla A.M. van der Voort氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、明らかにされた。最近のケースコントロール試験で、乾癬患者でNAFLDの有病率が上昇していることが観察されていた。

双極性障害の診断、DSM-IV-TRでは不十分

 双極性障害を正確に診断することは容易ではない。とくに、かかりつけ医においてはうつ病との鑑別が困難な場合も少なくない。スイス・チューリッヒ大学精神科病院のJules Angst氏らは、ICD-10基準で双極性障害(BD)と診断が付いている患者が、プライマリ・ケアの場面でDSM-IV-TRによってBDと診断されるかを検証した。その結果、診断された患者はわずかで、DSM-IV-TRのBD診断基準は限定的であることが示された。過去20年の間に、DSM-IVおよびDSM-IV-TRにおける軽躁病の診断概念が、非常に限定的であるとのエビデンスが蓄積されていた。Journal of Affective Disorders誌2014年1月号の掲載報告。

アリピプラゾールは急性躁病治療のファーストラインになりうるか

 急性躁病のファーストライン治療は薬物療法であり、まず初めに興奮、攻撃性、危険な行動を迅速にコントロールすることが目的とされている。非定型抗精神病薬アリピプラゾールは、躁病治療において、単独また他剤との併用いずれもが行われている。また、英国精神薬理学会(British Association of Psychopharmacology)のガイドラインでは、単独療法プラセボ対照試験において、アリピプラゾールを含む非定型抗精神病薬は急性躁病また混合性エピソードに有効であることが示唆されたとしている。そこで、英国・Oxford Health NHS Foundation TrustのRachel Brown氏らは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年12月17日号の掲載報告。

NSAIDs誘発の蕁麻疹/血管性浮腫、慢性蕁麻疹には進展せず

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によって誘発された蕁麻疹/血管性浮腫(NIUA)が、慢性蕁麻疹(CU)発症に先行するものとは認められなかったことが、スペイン・カルロス・アヤ病院のI. Dona氏らによる12年間の追跡調査の結果、報告された。NSAIDsは、薬物アレルギー反応と関連する頻度が最も高い薬物で、なかでもNSAIDs誘発であるNIUAの頻度が最も高い。

治療抵抗性高血圧に対する腎デナーベーションの治験、一時中断

 米Medtronic社は、1月9日、治療抵抗性高血圧患者を対象とした腎デナーベーションの臨床試験(SYMPLICITY HTN-3)において、試験実施前に計画していた降圧効果が得られなかったとの結果を公表した。なお、データ安全性モニタリング委員会は、試験において安全性には問題ないと発表している。この結果を受けて、倫理的な観点からMedtronic社は、腎デナーベーションに関するすべての臨床試験(日本でのHTN-Japanを含む) を一時中断し、詳細な分析結果より今後の方向性を判断するとしている。

ベンゾジアゼピン部分アゴニスト、新たなてんかん治療薬として期待

 ドイツ・Drug-Consult.NetのChris Rundfeldt氏らは、てんかんに対する新たな治療薬として、ベンゾジアゼピン(BZD)受容体部分アゴニストの可能性について言及した。現在、BZD受容体部分アゴニストとしてイミダゾロン誘導体のイメピトインが、イヌのてんかん治療薬として承認されており、従来のBZDでみられる有害事象、忍容性、依存性などの問題を解決する新たな治療薬としてヒトへの応用が期待されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2013年12月号の掲載報告。

小児の原発性多汗症におけるイオントフォレーシス療法は有用?

 小児の原発性多汗症における水道水イオントフォレーシス(イオン導入)療法の有効性と安全性が、トルコのSeval Dogruk Kacar氏らにより調査・報告された。その結果、イオントフォレーシス療法は、有効性および信頼性において小児の原発性掌蹠多汗症、原発性腋窩多汗症に有用な治療であることが示された。これまで、小児におけるイオントフォレーシス療法の有効性について調査した研究は限られていた。

KRAS変異型大腸がんリスクに食品中のアクリルアミドが関連

 炭水化物を多く含む材料を加熱調理した食品に含まれるアクリルアミドは、ヒトでの発がん性があると推定されている。これまで、アクリルアミド摂取量と大腸がんリスクとの間に明確な関連性を示す疫学的研究はないが、その理由として大腸がんにおける分子生物学的不均一性が考慮されていなかった可能性がある。アクリルアミド代謝物であるグリシドアミドは、げっ歯類において特定のDNA変異を誘導することから、オランダ・マーストリヒト大学のJanneke GF Hogervorst氏らは、アクリルアミドが、大腸がんの発がんkey遺伝子であるKRASおよびAPCの変異による大腸がんリスクと関連しているかどうかを検討した。Carcinogenesis誌オンライン版2014年1月7日号に掲載。

足関節捻挫、脛腓靱帯部でも保存的治療で競技に復帰可能

 脛腓靱帯結合捻挫は足関節外側捻挫と比較して、長期的な故障の原因となり得る。米国・MedStar Union Memorial HospitalのDaryl C. Osbahr氏らは、ナショナルフットボールリーグ(NFL)に所属するあるチームについて調査し、(1)脛腓靱帯結合捻挫は足関節外側捻挫と比較し重大な障害の原因となる、しかし(2)損傷の重症度にもよるがどちらも保存的治療で競技に復帰できることが多い、ことなどを明らかにした。

イマチニブを中止した慢性骨髄性白血病、投与再開の基準は?

 分子遺伝学的完全寛解(CMR)に到達した慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者の半数以上で、イマチニブ中止後に分子遺伝学的再発を認める。仏ベルサイユ大学のPhilippe Rousselot氏らは、治療再開の判断基準として分子遺伝学的major寛解(MMR)の喪失を検討した。その結果から、CMR期間の長いCML患者においてMMR喪失が治療再開の実用的かつ安全な基準であると報告した。Journal of clinical oncology誌オンライン版2013年12月30日号に掲載。

抗精神病薬の用量決定時、精神科医が望むことは

 抗精神病薬処方時の用量決定には、主として臨床医としての直観(intuition)や経験、そして患者の意向が影響していることが、英国・ロンドン大学のLauren Best-Shaw氏らが行った精神科医へのアンケート調査の結果、明らかになった。また、処方のエビデンスに関して懸念を示す臨床医もいたが、大半が治療薬物モニタリング(TDM)を用いることに前向きで、活用可能であればそれを利用するだろうと回答したという。これまで精神科医が、統合失調症の個々の患者について、どのように抗精神病薬の処方用量を選択しているのか、明らかになっていなかった。Therapeutic Drug Monitoring誌オンライン版2013年12月31日号の掲載報告。

aHUS診断基準公表による、早期診断・早期治療に期待

 非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)は、志賀毒素産生性大腸菌由来尿毒症症候群(Shiga toxin-producing E. coli hemolytic uremic syndrome:STEC-HUS)とADAMTS13 (a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs:member13)活性著減による血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP) 以外の血栓性微小血管障害(thrombotic microangiopathy:TMA)と定義される。

認知症患者のニーズを引き出すアプリ:神奈川県立保健福祉大学

 認知症患者は進行に伴い、意思疎通が難しくなる。このような問題を解決するため、神奈川県立保健福祉大学の友利 幸之介氏らは、作業療法に当たっての作業選択意思決定支援ソフト「ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice;エードック)」の活用基準を確定するため検討を行った。検討の結果、ADOCは中等度認知症患者における大切な作業を把握するのに役立つ可能性があることが示された。Disability and Rehabilitation : Assistive Technology誌オンライン版2013年12月24日号の掲載報告。