医療一般|page:538

慢性腰痛症の高齢者、体重が痛みや歩行時間と関連

 腰痛を有する高齢者で肥満者は過体重者より、歩行および階段昇段時の疼痛が強く腰椎の強度が低いことが、米国・フロリダ大学のHeather K. Vincent氏らの比較記述的研究で示された。腰椎伸展強化を含むリハビリテーション戦略は機能的な可動性と歩行時間を改善し、そのどちらも慢性腰痛症を有する肥満高齢者の体重管理に役立つ可能性がある、とまとめている。

ECTが適応となる統合失調症患者は?

 電気けいれん療法(ECT)は双極性障害や大うつ病などの気分障害の治療において有効な手段のひとつである。また、統合失調症の緊張型、重症なうつ病、躁病、その他の感情障害に対して有効な治療法でもある。イタリア、ラ・サピエンツァ大学のMaurizio Pompili氏らは統合失調症患者に対するECTの短期的および長期的な効果や薬物療法との比較を行い、ECT適応患者を明らかにしようと試みた。Schizophrenia research誌オンライン版2013年3月14日号の報告。

p53と乳がんのサブタイプ、化学療法への反応 ザンクト・ガレン乳癌カンファレンス2013 会員レポート

 2013年3月13日から16日までスイス ザンクト・ガレンにて第13回ザンクト・ガレン乳癌カンファレンス2013が開催された。この重要な会議における、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネットでは会員現役ドクターによる聴講レポートを企画。現在そして今後の乳がん診療トレンドを本日から紹介する。

ADHDに対するメチルフェニデートの評価は?

 注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療に用いられる中枢神経刺激剤メチルフェニデート。カナダ・アルバータ大学のSalima Punja氏らは、小児のADHDに対するメチルフェニデートの有効性および安全性に関して長時間作用型製剤と短時間作用型製剤で違いがあるかをシステマティックレビュー、メタアナリシスにて検討を行った。BMJ open誌オンライン版2013年3月15日号の報告。

ヒトの皮膚への摩擦行動と保湿の定量的予測モデルを開発

 皮膚への摩擦の特性を知ることは、皮膚傷害の発端や予防において重要であることから、オランダ・トゥウェンテ大学のN. K. Veijgen氏らは、ヒトの皮膚への摩擦行動および皮膚の保湿を予測する定量的モデルの開発を試みた。統計的手法を用いて、摩擦行動者の特徴、摩擦面の状態、摩擦物質の性質、摩擦行動時の環境を描出した。Skin Research and Technology誌オンライン版2013年2月26日号の掲載報告。

100歳以上を理由に、股関節骨折手術の対象から除外すべきではない

 大腿骨近位部は骨粗鬆症により骨折しやすい部位である。米国では100歳以上の超高齢者における股関節骨折が増加しているが、こうした症例の機能的予後と死亡率に関する報告は少ない。米国・トーマス ジェファーソン大学病院のT. David Tarity氏らは、レトロスペクティブな調査を行い、100歳以上で手術した高齢者の死亡率は容認できるものであり、年齢を理由に股関節骨折手術の対象から除外すべきではないとの考えを示した。Orthopedics誌2013年3月1日号の掲載報告。

調査:統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況

 統合失調症患者において、アドヒアランスは患者の予後を決定する重要な要因のひとつである。スペイン領カナリア諸島保健サービスのFrancisco J. Acosta氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況を調査した。その結果、1日の服薬回数や指示された服薬時間が遵守されていないなど、服薬アドヒアランスが不良である実態を報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月7日号の掲載報告。

大人の重症アトピー性皮膚炎、臨床経過は多様であり層別化が必要

 ドイツ・ボン大学のD. Garmhausen氏らは、青年期および成人期のアトピー性皮膚炎の自然経過を調べ、分類化および重症化するリスク因子の同定を行った。アトピー性皮膚炎は、大半が乳幼児期に発症し小児のうちに寛解に至る。しかし重症例では慢性化して成人に至るケースや、成人期に重症のアトピー性皮膚炎を発症し、重症化が起きるケースもある。これまで、大人のアトピー性皮膚炎の自然経過についてはあまり研究されていなかった。Allergy誌オンライン版2013年3月1日号の掲載報告。

グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係

 米国・ニューヨーク州立大学SUNYアップステート医科大学のMarina Myles-Worsley氏らは、統合失調症と双極性障害の間に遺伝的な重複がみられることに着目し、グルタミン酸トランスポーター遺伝子であるSLC1A1遺伝子変異について検討を行った。その結果、SLC1A1遺伝子の欠失が認められ、家系内で共分離していることを報告した。American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Genetics誌2013年3月号(オンライン版2013年1月22日号)の掲載報告。

「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係

 頻発する腰痛と、慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛とは関連があることが、ドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。腰痛と頭痛との関連についてドイツ・エッセン大学病院のMin-Suk Yoon氏らは、異常な全身痛の処理の一部という概念も含め複数の可能性が考えられるとまとめている。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月28日号)の掲載報告。

新品の靴が原因の接触皮膚炎、アレルゲンは?

 スロバキア・コメニウス大学のDanka Svecova氏らは、重症のアレルギー性接触皮膚炎(ACD)を呈した9例の患者の原因調査を行った結果、全員に共通することとして新品の靴を履いていたことが浮かび上がり、アレルゲンについて調べた結果、防カビ剤の小袋に含まれていたフマル酸ジメチル(DMF)が特定されたことを報告した。

小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は?

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRobert L. Findling氏らは、小児の双極I型障害に対するアリピプラゾール長期投与の有効性と安全性を検討する、30週間の無作為化プラセボ対照試験を行った。その結果、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群ともプラセボ群に比べ優れた有効性を示し、忍容性も良好であることを報告した。Bipolar Disorders誌2013年3月15日号の掲載報告。

テレダーマトロジー、QOL改善への効果は?

 米国・トゥルーマン記念退役軍人病院のJohn D. Whited氏らは、テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)のQOLへの効果について無作為化試験を行った。皮膚の状態とQOLに関する論文は散見されるが、テレダーマトロジーがQOLに及ぼす効果に関する研究報告はこれまでほぼなかったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年2月20日の掲載報告。

「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義

 2012年3月18日(月)、マスコミセミナー「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義 が開催された。国立国際医療研究センター国府台病院 院長 上村直実氏と東海大学医学部総合内科 教授 高木敬司氏が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎保険適用のメリット、プロバイオティクス併用除菌の可能性などについて最近の知見を紹介した。

腰痛患者の椎体骨折スクリーニングで“レッドフラッグ”の診断精度は低い

 各国の腰痛診療ガイドラインでは、椎体骨折など追加検査や特別な治療を要する病変を有している可能性が高い患者を特定するため“レッドフラッグ”の使用を勧告している。しかし、オーストラリア・シドニー大学のChristopher M Williams氏らによるシステマティックレビューの結果、ほとんどのレッドフラッグが椎体骨折のスクリーニングには役に立たないことが明らかとなった。

皮膚レーザー治療をめぐる訴訟、原告勝訴が約半数、賠償額は平均約38万ドル

 米国・UCLA デイヴィッド・ゲフィン医科大学院 のH. Ray Jalian氏らは、皮膚レーザー治療をめぐる訴訟について分析を行った。全米データベースでオンライン公開されている法定文書を精査したもので、レーザー治療に関する訴訟の詳細を特定した最大規模の研究だという。分析の結果、実際の処置をphysician extenderが行っていた場合でも医師の責任も問われていることが明らかになった。著者は、インフォームド・コンセントの重要性とともに、医師には最終的な監督責任があることを強調している。

パーキンソン病患者は骨折リスクが高い

 パーキンソン病(PD)患者は非PD患者と比べ骨折リスクが有意に高いことが、オランダ・ユトレヒト大学のS. Pouwels氏らが行った後向きコホート研究で明らかになった。PD患者では、一般的な骨折リスクとされる高齢者および女性のほかにも、最近の選択的セロトニン再取込み阻害薬または高用量抗精神病薬の使用歴、骨折歴、転倒、BMI低値、腎疾患がある場合は骨折リスクを評価することが望ましいと考えられる。