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非定型うつ病を評価するT&P日本語版の信頼性は:群馬病院

 2006年、Parker氏らは、さまざまなストレス要因や病前性格スタイルに起因する非メランコリー型うつ病の特定のサブタイプを分類するための新規アプローチとして、Temperament and Personality Questionnaire(T&P)を提案した。群馬病院の工藤 由佳氏らは、T&P日本語版を開発し、その信頼性と妥当性を評価した。その結果、T&P日本語版は、日本人非メランコリー型うつ病患者の気質や性格を評価するうえで、信頼性が高く、有効な尺度であることを報告した。Journal of affective disorders誌オンライン版2016年3月26日号の報告。

成人期まで持続するADHD、その予測因子は

 注意欠如・多動症(ADHD)は、診断された症例の半数において成人期まで症状が持続する神経発達障害と考えられている。現在、疾患の経過に関連する因子を明らかにするエビデンスは得られていない。ブラジル・リオグランデドスール連邦大学のArthur Caye氏らは、ADHD症状の成人期までの持続を予測するため、小児期のリスクマーカーに関する文献を検索し、システマティックレビューを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2016年3月28日号の報告。

ビタミンC摂取で白内障が予防できる?

 核白内障は、老人性白内障の最も一般的な病型で、年齢のほかに喫煙、酸化ストレスおよび食物性抗酸化物質の摂取がその形成に関与している。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのEkaterina Yonova-Doing氏らは、核白内障の進行における遺伝因子と微量栄養素の影響を調べる前向きコホート研究を行った。結果、10年間での遺伝率(遺伝因子の影響度合いの指標)は35%であり、環境要因の影響のほうが大きいことを明らかにした。とくに、食物中のビタミンCは白内障の進行を抑制するという。Ophthalmology誌オンライン版2016年3月15日号の掲載報告。

医療情報を個人が管理する時代へ?医療介護危機の打開策となるか

 4月14日都内にて、第1回編成医療情報戦略フォーラム「日本を救う!自己情報コントロールによるヘルスケア戦略」が開催された。東京大学大学院情報理工学系研究科附属ソーシャルICT研究センターと一般社団法人 日本統合医療支援センターの共催による本フォーラムは、医療介護に関わる個人情報のあり方を見直し、効率を高め、現場の負担を軽減することで、少子高齢化に伴う医療介護危機を回避するための具体的な方法を提言することを目的としており省庁や関連分野の企業などから150名を超える参加者が集まった。

双極性障害の簡便な症状把握のために

 双極性障害(BD)患者の安定性と生活リズムのマーカーとして臨床的に検証されたソーシャル・リズム・メトリック(SRM)を、スマートフォンから受動検知したデータを用いて自動評価する仕組みの実現可能性について、米国・コーネル大学のSaeed Abdullah氏らが評価した。Journal of the American Medical Informatics Association誌オンライン版2016年3月14日号の報告。

第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ、EGFR-TKI抵抗性の非小細胞肺がんに承認

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ)は、2016年3月2日、「EGFR-TKI抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌(NSCLC)」を効果・効能としたオシメルチニブメシル酸塩(商品名:タグリッソ40mgおよび80mg錠)の国内における製造販売承認を取得したと発表。

抗うつ薬誘発性体重増加のレビュー、その結果は

 うつ病と肥満はどちらも複雑な病因を持ち、公衆衛生に大きな影響を与える不均一な疾患である。疾患管理予防センター(CDC)のデータによると、抗うつ薬の処方は1988年以降、約400%上昇している。同時に、1980年以降の肥満率は、成人で15%から30%に倍増しており、小児では3倍以上増加している。肥満率の上昇は、重大な健康への影響を有し、30以上の重篤な疾患の増加率に影響する。西洋社会において、抗うつ薬の使用と肥満率が同時に上昇しているにもかかわらず、2つの関連付けおよび抗うつ薬誘発性体重増加のメカニズムについてはよくわかっていない。オーストラリア国立大学のS H Lee氏らは、抗うつ薬使用およびうつ病と体重増加との複雑な関係に注目し、レビューを行った。Translational psychiatry誌2016年3月15日号の報告。

超低カロリー食+体重管理で2型糖尿病が寛解?

 新たな研究によると、2型糖尿病患者のうち超低カロリー食療法(very-low-calorie diet)のレスポンダーが、少なくとも6ヵ月間、糖尿病寛解の状態にあったという。通常、不可逆性の慢性疾患と見なされることが多い2型糖尿病だが、この研究結果が希望の光になるかもしれない。英国・ニューカッスル大学のSarah Steven氏らによるDiabetes Care誌オンライン版2016年3月21日号掲載の報告。