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18日より、日本循環器学会学術集会が仙台で開催

 第80回日本循環器学会学術集会(JCS2016)が2016年3月18日(金)~20日(日)、宮城県仙台市で開催される(会長:東北大学循環器内科学教授 下川 宏明氏)。3日間を通して、約2万人の参加を見込んでおり、循環器系学術集会としては欧州心臓病学会(ESC)に次いで、世界第2位の規模になる。17ヵ国、66人の海外からの招待演者らによる発表や、米国心臓病学会/心臓協会(ACC/AHA)、ESCなどとのジョイントシンポジウム7セッションをはじめとする、計3,294演題、815人の座長による発表が予定されている。

ほろ酔い状態は人を魅力的にする

 適度な飲酒は、素面のときよりも他人を魅力的に感じることができるだけでなく、他人から見ても魅力的にうつることが、英国・ブリストル大学のJana Van Den Abbeele氏らによる研究で明らかになった。この研究結果により、飲酒と冒険的な性行動が関連する理由が説明できるかもしれない。Alcohol and alcoholism誌オンライン版2015年5月号の掲載報告。

アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。

医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。

CTO再灌流、生存率改善はみられないものの、バイパス術施行を有意に減らす

 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の成功率は、術者の経験の蓄積、デバイスや手技の改善により向上している。とくに薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、ベアメタルステントに比べて再狭窄発生や再灌流療法の再施行が減少し、複雑なCTOに対するPCI施行が容易になった。これまでにも、CTOに対する再灌流療法によって、症状の改善、左室駆出率の改善、バイパス術の減少などが報告されているが、生命予後の改善に関しては一定した結果が得られていない。韓国のグループが、DESのみを用いたPCIによる研究結果をJACC Cardiovascular Interventions 誌オンライン版2016年2月25日号で発表した。

スーグラほかSGLT2阻害薬は高齢者に安全か

 3月3日、アステラス製薬株式会社は、「本邦の高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性」と題し、演者に横手 幸太郎氏(千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学講座 教授)を招き、プレスセミナーを開催した。講演では、65歳以上の高齢者7,170人を対象としたSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)錠の大規模調査「STELLA-ELDER」の中間報告も行われた。  はじめに、2型糖尿病をメインにその概要や機序が説明された。わが国の糖尿病患者は、疫学推計で2,050万人(2012年)と予想され、この5年間で予備群といわれている層が減少した半面、糖尿病と確定診断された層は増加しているという。血糖コントロールについては、さまざまな治療薬の発売もあり、2002年と2013年を比較すると、2型糖尿病患者のHbA1cは7.42%から6.96%へと低下している。しかしながら、患者の平均BMIは24.10から25.00と肥満化傾向がみられる。

急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は

 双極性障害(BD)に関連する混合性の特徴を伴う急性うつ病の治療における第2世代抗精神病薬(SGA)の使用を支持するエビデンスは乏しく、不明確である。そのような中、米国・コロンビア大学のMichele Fornaro氏らは、混合特徴を伴う急性BDのうつ病治療に対するSGAを調査した研究のシステマティックレビューと予備メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年2月号の報告。

FDA、パルボシクリブのHR+ HER2-転移乳がんへの適応拡大を承認

 米ニューヨーク州ニューヨーク発、ファイザー社は2016年2月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、転移乳がん治療薬パルボシクリブ(商品名:IBRANCE)125mgカプセルの適応拡大を承認したと発表。これまでの適応症に加え、内分泌療法後に疾患が進行したホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+HER2-)転移乳がんに対するフルベストラントとの併用治療の承認を取得した。

テロのストレスがもたらす心血管イベント増加:フランス

 2015年1月7日朝に起こった「シャルリー・エブド事件」は、3日間のパリにおけるテロ攻撃の幕開けとなった。その際、地元メディアは、攻撃の詳細な報道に、彼らのプログラムの大部分を割いた。Francesco Della Rosa氏らは、感情的なストレスが心血管関連入院の増加を引き起こすと仮定し、トゥールーズ(フランス)における2015年1月の胸痛ユニットの状況を分析した。Archives of Cardiovascular Diseases Supplements誌2016年1月号の掲載報告。

アルツハイマー病の今後の治療戦略予測

 アルツハイマー病は、最もよく見られる進行性の神経変性疾患である。コリン作動性機能障害は主要な病理学的変化の1つであり、コリン作動性ニューロンの枯渇は、βアミロイドプラークや神経原線維変化といった十分に確立された毒性によって引き起こされる。コリン作動性機能障害は、アセチルコリンの合成と放出の減少の結果であり、ムスカリン性およびニコチン性のコリン作動受容体の機能を変化させる。また、コリン作動性変化、アミロイドβ産生やタウのリン酸化と2つの主要なアルツハイマー病の病理的特徴との間には直接的な相関が同定されている。イタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学のAnnamaria Confaloni氏らは、コリン作動性受容体の活性を調節できる新たなアロステリックやbitopicリガンドの同定を検討した。さらに、脳内で薬物を送達する薬物送達(drug delivery)法(ナノ粒子、リポソームなど)が、毒性や潜在的な副作用を低減するかも検討した。Current pharmaceutical design誌オンライン版2016年2月15日号の報告。

非STEMIに多段階PCIは必要か?:SMILE試験

 冠動脈完全血行再建術の非ST上昇心筋梗塞患者(以下、NSTEMI)における役割はいまだ明らかにはなっていない。この研究では、多枝冠動脈病変を有するNSTEMI患者に対する、単段階経皮的冠動脈インターベンション(以下、1S-PCI)と多段階の経皮的冠動脈インターベンション(以下、MS-PCI)という、2種類の冠動脈完全血行再建戦略の心血管・脳血管主要有害イベントの長期的結果を比較した。

0.01%アトロピンによる近視治療、白人でも忍容性と有効性を確認

 近視の進行を予防する最も有効な治療はアトロピンとされているが、調節麻痺作用と散瞳作用のため二重焦点眼鏡の使用が必要となり、現実的な選択肢とはなっていない。また、アトロピンの効果には、色素が濃いアジア人種の眼と白色人種の眼とで違いがあることがよく知られている。アイルランド・Dublin Institute of TechnologyのJames Loughman氏らは、白色人種における低用量アトロピンの安全性について評価した。

血清尿酸値と心血管疾患死亡率の関係はJ字型

 アジア人における血清尿酸値と心血管疾患との関係を調査するために、大阪大学のWen Zhang氏らはEvidence for Cardiovascular Prevention from Observational Cohorts in Japan(EPOCH-JAPAN研究)のデータを用いて、日本における大規模なプール解析を実施した。その結果、血清尿酸値と心血管疾患死亡率との間にJあるいはU字型の関係が示唆された。また、日本人男女とも、血清尿酸値の最高五分位で心血管疾患の死亡率増加と関連していた。Journal of atherosclerosis and thrombosis誌オンライン版2016年2月18日号に掲載。

双極性障害治療、10年間の変遷は

 過去10年間メンタルヘルスケアにおいて、双極性障害と診断された患者の処方パターンや変化を明らかにするため、デンマーク・コペンハーゲン精神医学センターのLars Vedel Kessing氏らは、集団ベースおよび全国データを用いて検討した。さらに、国際的ガイドラインからの勧告と調査結果との関係も検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2016年2月18日号の報告。

がんは最善の死に方なのか~中高年者の意識調査

 がんは転帰が改善しているにもかかわらず、依然として広く恐れられている。他の主な死亡原因である心疾患が早急な死と関連しているのとは対照的に、多くの場合、死亡までの期間が長いと思われているためである。それゆえ、BMJ誌の元編集長であるRichard Smith氏の“がんは最善の死に方(cancer is the best way to die)”という見解は多くの批判を集めた。今回、英国ロンドン大学のCharlotte Vrinten氏らは、中・高年者に対してこの見解に同意するかどうかを調査し、“良い死(good death)”かどうかという観点で、がんによる死と心疾患による死に対する考えを比較した。その結果、中・高年者の4割ががんを“最善の死に方”と見なし、がん死のほうが心疾患死より良いと評価した。著者らは、「2人に1人ががんと診断されることを考えると、がんによる良い死についての会話が、がんへの恐怖を少し軽減するかもしれない」と記している。European journal of cancer誌2016年3月号に掲載。