リバーロキサバン、PCI施行心房細動患者の出血減らす:バイエル 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/11/23 Bayer AGは2016年11月14日、第III相試験PIONEER AF-PCIの結果から、経口Xa阻害薬リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)の2つの治療戦略が、冠動脈ステントを留置した心房細動患者の出血リスクを、ビタミンK拮抗薬(以下、VKA:Vitamin K Antagonist)に比べ有意に減少させたと発表した。とくに、リバーロキサバン15mg/日と抗血小板薬剤の併用は、VKAと抗血小板2剤療法(以下、DAPT:Dual AntiPlatelet Therapy)の併用に比べ、臨床上著明な出血を41%減少させた。また、リバーロキサバン2.5mg×2/日とDAPTの併用は、VKAとDAPTの併用に比べ、臨床的に著明な出血を37%減少させた。これらの結果は、いずれも統計学的に有意であった。同様の結果が効果評価項目(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、ステント血栓症)でもみられたが、この試験は統計学的に有意を示すにはパワー不足であった。 この米国で初めてのNOACとVKAとの無作為化比較試験であるPIONEER AF-PCIの結果は、2016年米国心臓学会議(AHA)学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションで発表され、同時にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された。 PIONEER AF-PCI試験について PCIによる冠動脈ステント留置を行った非弁膜症性心房細動患者2,124例を対象に、リバーロキサバンとVKAの効果と安全性を評価した世界26ヵ国による非盲検無作為化比較試験。主要評価項目は臨床的に著明な出血(TIMI major bleeding)。被験者は以下の3群に割り付けられた。 ・リバーロキサバン15mg/日+クロピドグレル(またはプラスグレル、チカグレロル)12ヵ月投与 ・リバーロキサバン2.5mg×2/日+DAPT(主治医の判断により1ヵ月、6ヵ月または12ヵ月)の後、リバーロキサバン15mg/日+低用量アスピリン投与、計12ヵ月 ・VKA+DAPT(主治医の判断により1ヵ月、6ヵ月または12ヵ月)の後、VKA+低用量アスピリン投与、計12ヵ月 (ケアネット 細田 雅之) 参考バイエル社(ドイツ):ニュースリリース PIONEER AF-PCI試験(ClinicalTrials.gov) 原著論文Gibson CM, et al. N Engl J Med. 2016 Nov 14.[Epub ahead of print] (ケアネット) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答12<上巻>(2016/10/07) Dr.加藤の「これだけ眼科」(2016/10/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) フィーバー國松の不明熱コンサルト (2016/04/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2(2016/02/07) ナベちゃん先生のだれでも読める心エコー(2015/12/07) Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコー(2015/09/08) HDLの質に注目した新たなアプローチ ―脂質異常症患者における高純度EPA製剤の投与意義―(2015/07/10)