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DPP-4阻害薬の動脈硬化抑制、インスリン治療患者でも

 順天堂大学の三田 智也氏らは、2型糖尿病患者においてDPP-4阻害薬(アログリプチン)投与による動脈硬化進展抑制をすでに報告している(Diabetes Care. 2016;39:139-48)。今回、同氏らは、動脈硬化が進展していると考えられるインスリン治療中の2型糖尿病患者でのDPP-4阻害薬の影響を検証するため、シタグリプチン併用による頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)への影響を評価した。その結果、シタグリプチンが通常治療に比べて頸動脈IMTの進展を抑制させることが認められた。Diabetes Care誌オンライン版2016年1月28日号に掲載。

睡眠時無呼吸症候群、緑内障リスクを増大

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は緑内障のリスク因子であることを、中国・重慶医科大学附属第一医院のLiu Shulin氏らはメタ解析の結果、報告した。これまでの研究で、OSAが緑内障と関連していることは示唆されていたが、データ的には議論の的となっていた。著者は、「今後、OSAが緑内障に関与するメカニズムを解明するためにさらなる研究が必要である」とまとめている。Journal of Glaucoma誌2016年1月号の掲載報告。

抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか

 抑うつ症状は、健忘型軽度認知機能障害(aMCI)においてもよく見られる症状である。抑うつ症状と認知症への転換との関連はまだ明らかになっていない。ベルギー・ブリュッセル自由大学のEllen De Roeck氏らは、aMCI患者における抑うつ症状が認知症への転換を予測するかを確認するため、縦断的研究を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月18日号の報告。

大腸がんは肥満・高血圧・糖尿病と関連

 大腸新生物とアテローム性動脈硬化はどちらも内臓脂肪蓄積によって生じうる。しかし、進行期大腸がんと心血管/脳血管疾患との関連は不明である。東京大学の山地 裕氏らは、わが国における入院患者の全国データベースを用いて、肥満・代謝性疾患との関連からみた大腸がんと血管疾患との関連性を、非心臓性の胃がん患者(肥満・代謝性疾患に関連がないと考えられる)を基準として検討した。その結果、肥満と代謝性疾患は、胃がんと比べて大腸がんとの関連が強かったが、冠動脈疾患は大腸がんと逆相関していた。Digestive Diseases and Sciences誌オンライン版2016年2月1日号に掲載。

エベロリムス溶出ステント留置後のDAPT延長、主要心・脳血管イベントは減少せず

 薬剤溶出ステント留置後、アスピリン・チエノピリジン系薬剤を併用する抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月継続することが一般的に推奨されている。ところが、昨年発表されたDAPT試験では、薬剤溶出ステント(DES)留置後、DAPT 12ヵ月群に比べて、30ヵ月継続した群でステント血栓症および主要な心および脳血管イベントが減少し、出血リスクが上昇することが示された。12ヵ月を超えたDAPTによるこれまでの結果と異なり、物議を醸した。DESの安全性と有効性は種類間で異なる。エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントに比べて、ステント血栓症が少ないと報告され、使用頻度も高い。

うつ病患者への運動介入、脱落させないコツは

 運動による抑うつ症状の改善効果は確立している。無作為化試験(RCT)の脱落率は試験間で異なり、RCTにおける脱落はエビデンスに基づく信頼性に脅威を与える。英国・South London & Maudsley NHS Foundation TrustのBrendon Stubbs氏らは、運動RCTに参加したうつ病成人における脱落率とその予測因子を調査し、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。

「妊娠、抗てんかん薬」検索結果は患者に役立つか?

 女性てんかん患者(WWE)は、インターネットなどの多くのソースから妊娠関連の重要な情報を入手していることを調査が示している。イスラエル・ヘブライ大学のTal Lavi-Blau氏らは、妊娠、授乳中における4種類の抗てんかん薬使用について、Google検索により提供されているWebサイトのタイプを評価した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2016年1月12日号の報告。

精神疾患患者に対するECT後の転帰を予測することは可能か

 発作後における見当識障害の回復速度から電気ショック療法(ECT)の結果が予測可能かどうか、これまで検討されたことはなかった。ノルウェー・Diakonhjemmet病院のTor Magne Bjolseth氏らは、見当識障害の回復速度から高齢うつ病患者におけるECT治療の効果を予測できるかを検討した。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。

家庭の味が認知症ケアには必要

 伝統的な食品は、帰属感、アイデンティティ、伝統の感情を強め、認知症患者の文化的アンデンティティやQOLの保持や強化に役立っている。味覚は、生理学的というよりも文化的なものである。食習慣は、人生の早い段階で確立され、その変更は難しい場合がある。また、なじみのない料理は、失望や裏切られたような気持ち、愛されていない感覚につながる可能性がある。ノルウェー・Lovisenberg diakonale hogskoleのIngrid Hanssen氏らは、施設に入居する認知症患者に対する伝統的な食品の意味について検討を行った。Journal of clinical nursing誌オンライン版2016年1月11日号の報告。