LAIを適切に使用するための5つのポイント 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/07/26 最近のパリペリドンパルミチン酸エステルで治療された患者における心臓突然死(SCD)は、長時間作用型注射用抗精神病薬(LAI)の使用について議論を引き起こした。しかし、LAIとSCDとの関連は、十分に研究されていない。いしい記念病院の長嶺 敬彦氏は、LAIを適切に使用するために、LAIの市販直後調査結果のレビューを行った。International Medical Journal誌2016年6月号の報告。 LAIに関する市販直後調査の結果を確認し、D2受容体占有率を推定した。 主な結果は以下のとおり。 ・2つの所見が確認された。 1)身体的リスクを有する患者へのLAI投与は、SCDを増加させる可能性が高い。 2)パリペリドンパルミチン酸エステルで治療された患者における4例のSCDは、心室性不整脈に起因することが疑われる。 ・パリペリドンパルミチン酸エステル150mg単回投与による推定D2受容体占有率は80%以上であった。 ・症状が不安定な患者に対しより高用量で投与した場合、重篤な身体的合併症のない患者でも、パリペリドンパルミチン酸エステルは、心室性不整脈のリスクを増加させる可能性がある。 結果を踏まえ著者は、臨床診療では以下の5点に注意し、LAIを使用することが重要であるとしている。 1)身体的合併症を有する患者では、非常に慎重に使用すること。 2)不必要な高用量での使用は避け、多剤併用患者に対しては非常に慎重に使用すること。 3)急性精神症状を有する患者へのLAI使用は避けること。 4)代謝機能不全や心血管疾患リスクの低い患者にLAIを選択すること。 5)定期的に体調をモニタリングし、ライフスタイルを向上させること。 関連医療ニュース パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 アリピプラゾール持続性注射剤を使いこなすために 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら T Nagamine, et al. International Medical Journal. 2016;3:211-213. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet(2025/04/18) 症候性発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオバルーン/NEJM(2025/04/18) iPS細胞移植、パーキンソン病患者の脳内でドパミン産生を確認/京大(2025/04/18) カピバセルチブ使用時の高血糖・糖尿病ケトアシドーシス発現についての注意喚起/日本糖尿病学会(2025/04/18) 非専門医による診療機会を考慮、成人先天性心疾患診療ガイドライン改訂/日本循環器学会(2025/04/18) 通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター(2025/04/18) 双極症における片頭痛と関連する臨床的特徴(2025/04/18) 臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する(2025/04/18) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)