医療一般|page:234

新型コロナ、感染リスクが高まる行動/CDC

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック発生後、感染防止のため、医薬品以外におけるさまざまなアプローチが検討・推奨されてきた。このうち感染防止に実際に有効なアプローチを観察研究で特定した研究が米国疾病予防管理センター(CDC)サイトに掲載されている。感染リスクはケースコントロール研究で検討し、感染者と非感染者の最近の行動を比較することによって特定された。  COVID-19感染者の2割が全感染の8割を引き起こし、感染の半数は無症候性または発症前の患者からと推定されている。

統合失調症に対するω3多価不飽和脂肪酸の影響~メタ解析

 統合失調症の治療では、症状改善のために単剤療法だけでなく増強療法が一般的に行われる。近年、精神疾患患者に対するω3多価不飽和脂肪酸のベネフィットを示唆する報告が増加しているが、その役割については、統合失調症治療のコンセンサスが十分に得られていない。台湾・台北医学大学のKah K. Goh氏らは、統合失調症患者に対するω3多価不飽和脂肪酸の有効性および安全性を評価するため、ランダム化比較試験のメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2021年2月15日号の報告。

非扁平上皮NSCLC、KEYNOTE-189のOSおよび日本人試験のアップデート/日本臨床腫瘍学会

 転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ペムブロリズマブ+化学療法の第III相KEYNOTE-189試験。第18回日本臨床腫瘍学会(JSMO Virtual2021)では、関西医科大学の倉田 宝保氏が全集団の全生存期間(OS)と日本人サブセットののアップデートを発表した。 ・対象:再発・転移のある無治療のStageIV非扁平上皮NSCLC患者616例 ・試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド)3週ごと4サイクル後、ペメトレキセド3週ごと最大35サイクル)(ペムブロリズマブ+Chemo群) ・対照群:プラセボ+化学療法(ペムブロリズマブ併用群と同一用法・用量)(Chemo群) ・評価項目: [主要評価項目]OS、無増悪生存期間(PFS) 「副次評価項目」奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性 「探索的評価項目」PD-L1発現(TPS)別OS、PFS、ORR、2次治療後までを含めたPFS(PFS2)など

救急でのてんかん重積状態に対するベンゾジアゼピン投与戦略の評価

 全身痙攣重積状態(GCSE)の治療に特定のベンゾジアゼピンを投与することがガイドラインで推奨されているが、一般的には少用量で投与されている。米国・サウスカロライナ大学のKyle A. Weant氏らは、救急受診したGCSE患者の初期マネジメントにおけるベンゾジアゼピン投与戦略について、評価を行った。The American Journal of Emergency Medicine誌オンライン版2021年2月6日号の報告。  GCSE治療のために救急科でベンゾジアゼピン投与を受けた患者を対象に、レトロスペクティブにレビューした。初回ベンゾジアゼピン治療後に発作の改善を達成した患者の特徴を評価した。救急受診した患者222例に対し、ベンゾジアゼピンは403回投与されていた。そのうち、推奨事項を順守していた割合は1.5%であった。

診療に役立つLGBTQsの基礎知識

 LGBTという言葉を聞いたことはありますか? これは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、セクシュアルマイノリティの総称として使われています。多様性を強調するためにQuestioningを加えて、LGBTQsと表現することもあります。  性の多様性に関する知識は診療にも必要不可欠です。当事者が声を上げ始め、各自治体による同性パートナーシップ制度の成立などの社会変化もある今、知らないでは済まされない時代になりつつあります。今回はCareNeTVで配信中の「診療に役立つLGBTQsの基礎知識」講師で、川崎協同病院総合診療科・にじいろドクターズの吉田 絵理子氏に医師が知っておくべきことを聞きました。

ファイザーの新型コロナワクチン副反応疑い、2回目に多い?/CDC

 2021年2月時点の米国での新型コロナウイルスワクチン(以下、新型コロナワクチン)の有害事象について、Pfizer/BioNTech社とModerna社のワクチンに関する有害事象を収集した結果、ワクチン副反応報告システム(VAERS)に報告されたレポートの90%超は非重篤なものであった。また、分析期間中のアナフィラキシーの発生は、接種100万回あたり4.5例で、インフルエンザワクチン(100万回あたり1.4例)、肺炎球菌ワクチン(100万回あたり2.5例)の範囲内であることも明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月19日にMMWR Early Releaseとして発表した。

高齢者サルコペニアは死亡・要介護リスク増加、予備群は?/東京都健康長寿医療センター

 健康のバロメーターとして「筋肉」が注目される中で、高齢者におけるサルコペニアの予防・改善は、健康長寿を実現するためにも重要である。東京都健康長寿医療センター研究所・北村 明彦氏らの研究グループは、日本人の一般高齢者1,851人におけるサルコペニアの有病率、関連因子、死亡・要介護化リスクについて約6年間の追跡調査を行い、その結果をプレスリリースで発表した。75~79歳では男女ともに約2割、80歳以上では男性の約3割と女性の約半数がサルコペニアに該当し、サルコペニアになると死亡、要介護化のリスクがいずれも約2倍高まることが示された。Journal of Cachexia, Sarcopenia Muscle誌2021年2月号に掲載。

非扁平上皮NSCLC、化学療法+ニボルマブ+ベバシズマブの1次治療、日本人集団の成績(ONO-4538-52/TASUKI-52)/日本臨床腫瘍学会

 非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ニボルマブとプラチナ含有化学療法およびベバシズマブの併用とプラチナ含有化学療法およびベ バシズマブの併用を比較検討する第III相ONO-4538-52/TASUKI-52試験。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、愛知県がんセンターの樋田 豊明氏が日本人のサブ解析結果を発表した。 ・対象:未治療のStage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者(PD-L1発現問わず) ・試験群:ニボルマブ(360mg)+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(3週間ごと6サイクル)→ニボルマブ+ベバシズマブ(ニボルマブ群) ・対象群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ→プラセボ+ベバシズマブ(プラセボ群)  ニボルマブ/プラセボ+ベバシズマブは、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続

日本における産後のうつ症状と妊娠中の体重増加との関係

 産後のうつ症状(PPDS)と妊娠中の体重増加との関係については、依然として議論の余地が残っている。福島県立医科大学の山口 明子氏らは、産後1ヵ月のPPDSと妊娠中の体重増加との関係について、妊娠前のBMIに基づいて、調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年2月2日号の報告。  2011~14年に日本人女性8万927人を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。妊娠前のBMIに基づき、対象者をG1(18.5kg/m2未満)、G2(18.5~20.0kg/m2)、G3(20.0~23.0kg/m2)、G4(23.0~25.0kg/m2)、G5(25kg/m2以上)の5グループに分類した。PPDSに関連する不十分または過剰な妊娠中の体重増加の潜在的なリスク因子を特定するため、母体年齢、教育、年間世帯収入、喫煙、出産歴、分娩方法、母乳の中止、精神的ストレス、妊娠中のエネルギー摂取量で調整した後、各グループに対して多重ロジスティック回帰分析を行った。

mRNAワクチン、新型コロナ感染歴のある人は単回でも有効か/JAMA

 COVID-19ワクチンの不足から、一部の専門家から単回接種レジメンが提案されている。一方、COVID-19に感染すると少なくとも6ヵ月は免疫があると考えられているが、リコール応答も最適なワクチン投与レジメンも検討されていない。今回、米国・メリーランド大学のSaman Saadat氏らが医療従事者を対象に、COVID-19のmRNAワクチンを単回接種して結合価および中和力価を調べたところ、血清学的検査でCOVID-19感染歴が確認された人は、感染歴のない人よりも抗体価反応が高いことが示された。JAMA誌オンライン版2021年3月1日号リサーチレターでの報告。

FDA、ロルラチニブのALK肺がん1次治療を承認/ファイザー

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年3月3日、ロルラチニブ(商品名:ローブレナ)の適応症を拡大し、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療を追加承認した。  ロルラチニブの今回の承認拡大は、未治療のALK陽性NSCLCを対象にクリゾチニブと比較した第III相CROWN試験の結果に基づくもの。この試験でロルラチニブはクリゾチニブに比べ、盲検独立評価委員会(BICR)評価による死亡および進行リスクを72%減少させた (PFS HR 0.28:95%CI:0.19~0.41、p<0.0001)。事前に特定された探索的研究によるBICR評価の頭蓋内奏効率 (IC-ORR) は82% (クリゾチニブ群は23%)であった。頭蓋内奏効期間12ヵ月以上持続した割合は79%(クリゾチニブ群は0%)であった。

認知症リスクの人種差~メタ解析

 世界の認知症患者数は、約5,000万人といわれている。高血圧や糖尿病などの認知症のリスク因子は、黒人、アジア人、その他の少数民族においても一般的に認められるが、認知症のケア、診断、治療においては、人種間で不平等なこともある。そこで、英国・London School of Hygiene & Tropical MedicineのSuhail Ismail Shiekh氏らは、認知症の発生率や有病率に関する民族的な差異について、調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年1月30日号の報告。

新型コロナワクチンを拒む一般人の割合と特徴-米国の場合

 米国では2月8日の時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン5,930万回分が配布され、少なくとも3,160万人が1回目のワクチン接種を行った。ワクチン開始前に実施された全米世論調査では、多くの人が新型コロナワクチンの接種をためらっていたが、2020年9月から12月にかけて、ワクチンを接種したいと回答した割合は、全体的に39.4%から49.1%に増加し、接種する「可能性が低い」と回答した割合は38.1%から32.1%に減少していたことが明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月12日に発表した。

遺伝子パネル検査、がん種別に見た遺伝子異常の特徴は?/日本臨床腫瘍学会

 国立がんセンターが中心となって展開する産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業、SCRUM-Japan。2019 年7月に開始した第三期プロジェクトでは、それまで消化器がんを対象としていたGI-SCREEN-Japanプロジェクトが泌尿器がん、乳がん等にも対象を拡大し、新たに血液を用いた遺伝子解析検査(リキッドバイオプシー)も取り入れた、MONSTAR-SCREENとして再始動している。参加するのは全国31施設、参加者は消化器がん、皮膚がん、乳がん、産婦人科がん、頭頸部がん、泌尿器がんなどの切除不能な固形がん患者で、腫瘍組織によるゲノム解析を受けたうえで、リキッドバイオプシー検査と腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の検査、解析を受ける。

ペムブロリズマブ+化学療法の食道がん1次治療、日本人の結果(KEYNOTE-590)/日本臨床腫瘍学会

 切除不能な局所進行または転移のある食道腺がん、食道扁平上皮がん、Siewert I型食道胃接合部腺がん患者に対する1次治療として化学療法とペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較する無作為化二重盲検第III相KEYNOTE-590試験の日本人集団における結果を第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO VIrtual2021)で、埼玉県立がんセンターの原 浩樹氏が発表した。

コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。  株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。

多発性硬化症の病態に関わる免疫細胞の新知見

 2021年2月17日、ノバルティス ファーマは、『MS病態への関与が示唆される「B細胞」とは? ~免疫の仕組みとMS治療の課題~』と題するメディアセミナーを開催した。  多発性硬化症(以下、MS)は自己免疫疾患の1つとして知られている。国内の推定患者数は約1万5千人以上と考えられており、女性の患者数が男性の約2.9倍といわれている。平均発症年齢は30歳前後、発症のピークは20代であり、就職や出産、育児などのライフイベントが多い時期と重なるため、社会への影響が大きい疾患であると考えられる。

うつ病治療アプリに対する医師や患者の期待

 スマートフォンアプリが増加し続けている現代社会において、アプリによる治療ツールの有効性は十分に実証されておらず、導入率も依然として不十分である。フランス・クレルモン・オーベルニュ大学のMarie-Camille Patoz氏らは、アドヒアランス向上に関連する効率的なアプリ開発を行うため、ユーザー中心のアプローチを通じて設計した架空のうつ病治療アプリに対する患者および医師の期待を特定することを目的とし、本研究を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月29日号の報告。

がん遺伝子パネル検査のスタート半年、「エキスパートパネル」の評価は?/日本臨床腫瘍学会

 2019年6月に保険適用となったがんゲノムプロファイリング(CGP)検査。その実施は、がんゲノム医療中核拠点病院、拠点病院、連携病院に限定され、検査結果は中核拠点病院、拠点病院で実施される専門家会議「エキスパートパネル」での検討が必須とされている。  ここでの方針がCGP検査を受けた患者の治療に直結するが、各エキスパートパネルの現状や判断の差異については評価されていなかった。そこで、中核拠点病院11施設での2019年6月~2020年1月における、エキスパートパネルの実績(全検討症例数および、遺伝子異常に合った投薬や遺伝相談外来の受診に結び付いた症例数)を調査するとともに、模擬症例2例を用いて各エキスパートパネル間で推奨治療に差があるかどうかを検証する研究を行った。

重症精神疾患患者における抗精神病薬切り替えと体重変化~メタ解析

 重症精神疾患患者では、肥満や代謝により臨床的な悪影響が懸念されるが、これを予防できる可能性がある。心血管代謝の負担を軽減するうえで、抗精神病薬の切り替えが有用かを、オーストラリア・クイーンズランド大学のDan Siskind氏らが検討を行った。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2021年2月6日号の報告。  2020年3月8日までの文献をPubMED、Embase、PsycINFO、Cochraneより検索した。抗精神病薬切り替え群と継続群における体重および代謝変化を比較するため、群全体と群内でのメタ解析を実施した。