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日本人男性、不眠でうつ病リスクが10倍にも

 椙山女学園大学の西谷直子氏らは、男性労働者における不眠症とうつ病発症との関連を調査し、不眠症の重症度とうつ病発症との関連を明らかにするため、3年間のコホート研究を行った。International journal of public health誌オンライン版2017年10月20日号の報告。  男性労働者を対象に、うつ病と不眠症に関する自己管理アンケートを3年間実施した。うつ病はうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて評価し、不眠症はアテネ不眠尺度(AIS)を用いて評価した。ベースライン時にうつ病でない男性840例について分析を行った。  主な結果は以下のとおり。 ・113例にうつ病が認められた。 ・Cox回帰分析では、ベースライン時に不眠症(AISスコア1以上)であった男性は、うつ病発症リスクが7倍以上高かった。 ・さらに、不眠症ではなかった男性(AISスコア0)と比較し、AISスコア1~3の男性のうつ病リスクは5.2倍高く、AISスコア4以上の男性はうつ病リスクが約10倍高かった。  著者らは「本研究による新たな知見は、不眠症の重症度とともにうつ病発症リスクが増加することであった」としている。

nab-パクリタキセル+durvalumab、肺がん2次治療以降の効果/WCLC2017

 化学療法の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)への追加は、奏効率の改善など効果を強化するとの報告がある。nab-パクリタキセル(nab-P)+カルボプラチンとICIの組み合わせは毒性を増すことなく非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する有効性を早期臨床試験において示した。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、米国・Washington University School of MedicineのRamaswamy Govindan氏がnab-P+durvalumabの2~3次治療としての有効性と安全性を報告した。

白内障の高齢女性、手術施行で死亡リスク低下

 白内障の高齢女性において、白内障手術は全死因死亡および原因別死亡のリスク低下と関連があることが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のVictoria L. Tseng氏らによるWomen's Health Initiative(WHI)の参加者を対象とした検討で明らかにされた。ただし著者は、「この関連が白内障手術によって説明されるかどうかは不明確である」としたうえで、「白内障手術、全身疾患および疾患関連死の相互作用についてのさらなる研究が、患者ケアの改善に役立つだろう」とまとめている。白内障手術はこれまでの研究で、健康状態および機能的な自立の改善を通し、全死因死亡リスクの減少に関与することが示唆されている。しかし、白内障手術と原因別死亡率との関連は十分に解明されていなかった。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年10月26日号掲載の報告。

ワルファリン使用者、がん罹患率が2割低い

 ノルウェーの50歳以上の大規模コホート研究において、ワルファリンを服用している人はがん罹患率が低いことが報告された。ワルファリンはがんモデルにおいて、AXL受容体チロシンキナーゼによる腫瘍形成を阻害し、抗凝固レベルに達しない用量で抗腫瘍免疫応答を増強するが、本研究で臨床でも抗がん作用を有する可能性が示唆された。著者のノルウェー・ベルゲン大学のGry S. Haaland氏らは「この結果は、抗凝固が必要な患者の薬剤選択に重要な意味を持つだろう」と述べている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年11月6日号に掲載。

ADHDドライバー、トレーニングで危機感知能を改善できるか

 ADHDを有する若者のドライバーは、同世代の人よりも交通事故傷害リスクが高い。このリスク増加は、危機感知能が低いことと相関する。これまで、ADHDを有する若者のドライバーを対象に、コンピュータ技術を用いた危険感知訓練について調査した研究はほとんどなかった。オーストラリア・School of Allied HealthのC.R. Bruce氏らは、ドライブスマートトレーニングを受けたADHDを有する若者のドライバーの、危機感知能における群間および対象者内の変化の有無や重要性を確認し、訓練により改善した危機感知能の変化が、時間が経過しても維持されるかを調査した。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2017年10月14日号の報告。

アレクチニブ耐性の日本人進行NSCLCへのセリチニブの有効性は(ASCEND-9)/日本肺癌学会

 ALK遺伝子転座陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する一次治療として、アレクチニブが本邦で推奨されているが、多くの患者で耐性獲得とともに、再び進行する。第58回日本肺癌学会学術集会で、国立がん研究センター中央病院の堀之内 秀仁氏が、アレクチニブ治療歴のあるALK陽性NSCLC患者における第2世代ALK-TKIセリチニブの第II相非盲検単群試験、ASCEND-9の結果について発表した。

進行ROS1肺がんの脳転移に対するクリゾチニブの有効性/WCLC2017

 非小細胞肺がん(NSCLC)の1%にみられるROS1融合遺伝子陽性肺がんではとくに、脳転移が多くみられる。ROS1肺がんではクリゾチニブが治療適応となるが、脳転移への効果は明らかになっていない。ROS1肺がんにおける脳転移の状況と共に、ROS1肺がん脳転移に対するクリゾチニブの効果を評価した後ろ向き試験について、中国・Shanghai Lung Cancer CenterのShun Lu氏が発表した。

抗PS抗体bavituximabは免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強するか:SUNRISE試験サブグループの結果/WCLC2017

 phosphatidylserin(PS)は、がん微小環境にある細胞の表面に広範に発現し、腫瘍特異的T細胞の誘導を抑制し、高い免疫抑制作用を発現する。bavituximabは、PSを標的とするメラIgG1モノクローナル抗体であり、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞を活性化し、免疫寛容を抑制して、抗腫瘍効果を発揮することが期待されている。

日本の喫煙者のがんリスク、禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じに?

 日本人のがん罹患リスクは、男性で21年以上、女性で11年以上禁煙すれば、喫煙歴のない人と同レベルまで低下することが、東京大学の齋藤 英子氏らによる研究で明らかになった。男性では、20 pack-year以上のヘビースモーカーにおいても同様の結果であるという。早いうちに禁煙することが、がん予防への近道であると考えられる。Cancer epidemiology誌オンライン版2017年11月2日号の報告。

せん妄と関連する薬剤は

 これまで、集中治療室(ICU)内でのせん妄に関する研究はよく行われているが、ICU外のデータは限られている。米国・Methodist Dallas Health SystemのAnthony Cahill氏らは、非クリティカルケア病棟(NCCA:non-critical care areas)におけるせん妄の発生率および関連する危険因子をプロスペクティブに評価を行った。The journal of trauma and acute care surgery誌オンライン版2017年10月16日号の報告。

ビプレッソは「双極性障害のうつ症状」の新しい治療選択肢

 2017年11月7日、共和薬品工業株式会社主催のプレスセミナーが開催され、双極性障害治療の課題と双極性障害のうつ症状に対する新たな治療選択肢であるビプレッソ徐放錠(一般名:クエチアピンフマル酸塩徐放錠)について、赤坂クリニック・うつ治療センター長の坂元 薫氏が講演を行った。坂元氏は、「双極性障害を大うつ病エピソードで発症した場合、単極性うつ病との鑑別が困難で見逃されやすい。ようやく診断されても、日本うつ病学会のガイドラインで推奨されている双極性うつ病の薬剤は、ほとんどが適応外であった。ビプレッソ徐放錠が登場し、治療選択肢が増えたのは大変喜ばしいこと。双極性障害患者のうつ症状改善に期待したい」と述べた。

治療抵抗性統合失調症、ECT併用は有益か

 治療抵抗性統合失調症(TRS)治療は、現代の精神医学における挑戦である。TRS患者の多くは、重度の神経認知機能障害を有する。TRS治療において、電気ショック療法(ECT)は効果的かつ安全であることが証明されているが、潜在的な神経認知機能の副作用に関しては議論の余地がある。クロアチア・University Hospital Center ZagrebのBjanka Vuksan Cusa氏らは、TRS患者の認知機能に対する抗精神病薬とECT増強療法の影響について、プロスペクティブオープン研究より評価を行った。The journal of ECT誌オンライン版2017年10月19日号の報告。