大脳辺縁系の基底神経節および基底部を含む大脳皮質下領域構造は、学習、運動制御、感情などの重要な役割を担っているだけでなく、高次の実行機能にも寄与する。これまでの研究では、統合失調症患者において、大脳皮質下領域での体積変化が報告されていた。しかし、報告された結果は、時に不均一であり、大規模研究はほとんど行われていなかった。さらに、統合失調症における大脳皮質下体積の非対称性が評価する大規模研究はほとんどなかった。そこで、東京大学の岡田 直大氏らは、ENIGMAコンソーシアムによって行われた研究と完全に独立し、統合失調症患者と健康成人の大脳皮質下体積の差を検討する大規模多施設研究を行った。また、特徴的な共通点と相違点を同定するため、大脳皮質下領域の左右差を検討した。Molecular psychiatry誌オンライン版2016年1月19日号の報告。