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福島での意味

南相馬市立総合病院神経内科 小鷹 昌明 2012年6月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  「MRICの記事を読みましたが、本当のご意見をお聞かせください」ということで、数回程度インタビューを受けた。それらは、医療系ジャーナリストやテレビ局ディレクター、写真家、新聞記者、難病患者支援団体、あるいは個人的な研究目的でやってきた人たちであった。

医師と「法への不服従」に関する論考

神戸大学感染症内科岩田 健太郎 2012年6月12日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 平岡諦氏の「日本医師会は「医の倫理」を法律家(弁護士)に任せてはいけない」(MRIC. vol. 496. 497)を興味深く読みました。平岡氏は「医の倫理」は「法」よりも上位にあり、日本医師会は「医の倫理」に遵法を要求していることから、法律家(弁護士)が「医の倫理」規定に参画するのは間違っていると主張します。本稿の目的は平岡氏のこの大意「そのもの」への反論ではありません。平岡氏が指摘するような日本医師会の医療倫理への「操作」や歴史的プロセスについて、あるいはそこにおける弁護士の意味や役割についてぼくは十分な情報を持っていませんし、また関心事でもないからです。しかし、部分的には異議を持ちましたので、その点については、あくまでも各論的に指摘したいと思います。

境界性人格障害の自殺対策へ期待「DBT PEプロトコール」パイロット試験

境界性人格障害と心的外傷後ストレス症候群(PTSD)はしばしば合併し、その治療に難渋することも少なくない。Harned氏らは自殺企図や自傷行為のみられる境界性人格障害患者のPTSDを治療するために、PTSDに有効な認知行動療法の1つである持続エクスポージャー法(Prolonged Exposure:PE)と最近注目されている弁証法的行動療法(DBT)を組み合わせる治療法のプロトコール開発およびパイロット試験を実施した。Behav Res Ther誌2012年6月号(オンライン版2012年3月11日号)掲載。

郷に入っても郷に従わず その4 ~食事の心理学

ハーバード大学リサーチフェロー大西 睦子 2012年5月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 前回のコラムで、人工甘味料と肥満や糖尿病の関係は、体の生理的反応と人間の行動的、心理的な要素が関与していることをお伝えしました。そこで今回は、『食べる』という行動が起こるまでの心理的な状況を、さらに深く考えたいと思います。例えば、みなさんが5人のお友達とレストランに行くことを想像してみてください。おそらく、5人とも違うメニューを選ぶことが多いと思います。私は和風パスタとチーズケーキを選んだのに、あなたはサラダにステーキを選んだ理由、それはなぜでしょうか。けっこう深い理由があるのです。

労働安全衛生法改正法案は本当にメンタルヘルス対策の充実・強化になるのか

井上法律事務所 弁護士井上 清成 2012年6月4日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 1. メンタルヘルス対策の充実・強化 労働安全衛生法の一部を改正する法律案が政府より提出され、国会で審議中である。今は、受動喫煙対策の充実・強化の一環として打ち出された「職場の全面禁煙、空間分煙」の事業者への義務付けが議論の中心となっているらしい。しかし、その法律案の真の問題点は、むしろ「メンタルヘルス対策の充実・強化」というもう一つの柱の方にあるように思う。

福島の医療現場から見えてきたもの

南相馬市立総合病院 神経内科小鷹 昌明 2012年6月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 2012年3月5日の福島県は、朝から雪だった。震災から1年が経とうとするこの日は、私が大学病院・准教授を退職してから初めて勤務する、市立病院への挨拶の日であった。

タダ(無料)ほど高い物はない~医療の無駄について~

つくば市 坂根Mクリニック坂根 みち子 2012年6月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 福島県が独自に18歳以下の子供の医療費を無料にするという。これについて全国保険医団体連合会や著名人たちが中心となって福島の子供たちの医療費をタダにすべしと国にも訴えている。大変言いにくいが反対である。一見聞こえのいいスローガンだが、タダほど高い物はない。結局子供たちのためにならない。ただには多くの無駄がもれなくセットで付いてくる。これから先、福島原発に関連してお金は果てしなく掛かる。貴重な財源は本当に必要な時に必要な人に届くような制度設計にしなくていけない。

CKD診療ガイド改訂 -慢性腎臓病(CKD)は原疾患、腎機能と尿所見でリスク評価を-

日本慢性腎臓病対策協議会(東京都文京区、理事長:槇野博史、J-CKDI)は、1日、CKD診療に関して、かかりつけ医の標準化と腎臓専門医の連携を目的とした「CKD診療ガイド2012」を発行した。「CKD診療ガイド」は、2009年以来3年ぶりの改訂となる。本ガイド改訂委員長の今井圓裕氏は、今回の最も大きな改訂点として、CKDの重症度分類が腎機能だけでなく、原疾患、尿所見を評価した分類に変更されたことを挙げ、その他、血圧管理、貧血管理が臨床上に影響を及ぼす点として掲げた。

「今後の透析医療を考える」プレスセミナーレポート

2012年5月31日、「今後の透析医療を考える」と題したプレスセミナー(バイエル薬品株式会社主催)が開催された。第1部として、秋澤忠男氏(昭和大学医学部 腎臓内科教授)が、「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドラインによって変わる透析医療」を、第2部として、宮本高宏氏(全国腎臓病協議会 会長)が、「透析患者の治療における実態とガイドライン改訂への期待」を講演した。その内容をレポートする。

関節リウマチ治療薬への新たな期待 【アバタセプト全例調査 中間解析結果】

2012年4月に開催された第56回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2012)において、アバタセプト(商品名:オレンシア)の使用成績調査(全例調査)の中間解析結果が報告された。これを受けて2012年5月25日、ブリストル・マイヤーズ株式会社による記者発表会が開催され、産業医科大学第1内科学講座の田中良哉氏によって講演が行われた。

抗精神病薬を処方された患者は本当に薬を服用しているのか?

Stephenson氏らは経口第二世代抗精神病薬を服用している患者について、医師が認識しているアドヒアランスと患者による薬局への薬剤請求から判定した実際のアドヒアランスを比較し、「医師が思っているよりも患者のアドヒアランスは良好でないため、再発予防も見据え適切な介入を行うことが重要である 」と結論づけた。本報告はInt J Clin Pract誌6月号(オンライン版5月11日号)に掲載された。

東日本大震災1年 透析患者移送その後の記録

財団法人ときわ会 常磐病院新村 浩明 2012年5月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 東日本大震災からすでに1年以上が経過しました。以前、この場をお借りして東日本大震災時の透析患者移送に関して報告させていただきました。(Vol.404 東日本大震災透析患者移送体験記 http://medg.jp/mt/2012/02/vol404.html)震災から1年を経過したのを機に、ときわ会グループのうち、震災時に透析移送にかかわった4施設(いわき泌尿器科、常磐病院、泉中央病院、富岡クリニック)において透析されていた方々のこの1年の経過をまとめてみましたのでここに報告したいと思います。