医療一般|page:10

コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?

 朝の1杯のコーヒーや午後のお茶には、あるタイプのがんを予防する効果があるようだ。コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスク低下と関連していることが、新たな研究で明らかになった。論文の上席著者である米ユタ大学医学部の疫学者Yuan-Chin Amy Lee氏によると、「カフェイン抜きのコーヒーでも、ある程度のプラスの影響があった」という。この研究の詳細は、「Cancer」に12月23日掲載された。  頭頸部がんとは、口腔、咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)、甲状腺など、目と脳を除く首から上の全て領域に発生するがんのこと。頭頸部がんは、患者数が世界で7番目に多いがんであり、2020年だけで新規患者数は約74万5,000人、死亡者数は36万4,000人に上るという。この研究でLee氏らは、14件の症例対象研究のデータを統合してコーヒーやお茶の摂取と頭頸部がんとの関連を検討した。解析対象者は、頭頸部がん患者9,548人と対照1万5,783人であった。

高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか

 高齢患者の抗菌薬の使用は認知機能の低下とは関連しないことが、新たな研究で明らかにされた。論文の上席著者である米ハーバード大学医学大学院のAndrew Chan氏は、「高齢患者は抗菌薬を処方されることが多く、また、認知機能低下のリスクも高いことを考えると、これらの薬の使用について安心感を与える研究結果だ」と述べている。この研究の詳細は、「Neurology」に12月18日掲載された。  研究グループは、人間の腸内には何兆個もの微生物が存在し、その中には認知機能を高めるものもあれば低下させるものもあると説明する。また、過去の研究では、抗菌薬を使用すると、腸内細菌叢のバランスが崩れる可能性のあることが示されているという。Chan氏は、「腸内細菌叢は、全体的な健康の維持だけでなく、おそらくは認知機能の維持にも重要とされている。そのため、抗菌薬が脳に長期的な悪影響を及ぼす可能性が懸念されている」と話す。

出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連

 出産後に抜け毛が多い女性は不安が強く、交絡因子を調整後にも独立した関連のあることが明らかになった。東京科学大学病院周産・女性診療科の廣瀬明日香氏らの研究によるもので、詳細は「The Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に10月27日掲載された。  個人差があるものの、出産後女性の多くが抜け毛を経験し、一部の女性は帽子やかつらを使用したり外出を控えたりすることがあって、メンタルヘルスに影響が生じる可能性も考えられる。産後の脱毛症の罹患率などの詳細は不明ながら、廣瀬氏らが以前行った調査では、育児中女性の91.8%が「抜け毛が増えた」と回答し、73.1%がそれに関連する不安やストレスを感じていることが明らかにされている。今回の研究では、その調査データをより詳しく解析し、産後脱毛と育児中のメンタルヘルスとの関連を検討した。

身近な血圧計から心房細動の早期発見に寄与する新システム発表/オムロン

 オムロンヘルスケアは、血圧測定時に同時に得られるバイタルデータを解析することで「脈の乱れ」をを検知するシステムの完成に合わせ、プレセミナーを開催した。  セミナーでは、心房細動(AF)におけるバイタルデータの重要性や開発された血圧測定でAFのリスク検出をする次世代アルゴリズム“Intellisense AFib”の説明が行われた。  「脳・心血管イベントの抑制における心房細動管理の重要性」をテーマに清水 渉氏(日本医科大学大学院医学研究科循環器内科学分野 教授)がAFの発症リスクと家庭におけるバイタルデータ計測の重要性について、説明を行った。

緑茶に認知症予防効果?~65歳以上の日本人約9千人の脳を解析

 緑茶の摂取が認知症の予防につながる可能性が報告された。柴田 修太郎氏(金沢大学医薬保健学総合研究科 脳神経内科学)らの研究グループは、認知症のない65歳以上の日本人を対象として、緑茶およびコーヒーの摂取量と脳MRIの関係を検討した。その結果、緑茶の摂取量が多いほど、脳白質病変容積が小さい傾向にあった。一方、コーヒーには脳MRIの解析結果との関連はみられなかった。本研究結果は、npj Science of Food誌2025年1月7日号に掲載された。  健康長寿社会の実現を目指し、65歳以上の1万人超を対象として実施されている認知症コホート研究「JPSC-AD研究」の参加者のうち、認知症がなく脳MRIデータを取得できた8,766人を対象として、本研究を実施した。対象者を緑茶、コーヒーの1日当たりの摂取量(200mL以下、201~400mL、401~600mL、601mL以上)で分類し、脳白質病変、海馬、全脳の容積との関連を検討した。

グルタミン酸調整薬evenamideは治療抵抗性統合失調症の新たな選択肢となるのか〜国際第III相臨床試験

 グルタミン酸調整薬evenamideは、治療効果不十分または治療抵抗性の統合失調症に対する併用薬として、現在第III相臨床試験が行われている。スイス・Anand Pharma ConsultingのRavi Anand氏らは、第2世代抗精神病薬で治療効果不十分な慢性期統合失調症患者を対象に、evenamide併用療法の有効性、安全性、忍容性を評価するため、国際第III相臨床試験を実施した。Neuropharmacology誌オンライン版2024年12月19日号の報告。  対象は、第2世代抗精神病薬の安定した用量で2年以上治療を行っているが、依然として症状が残存する(PANSS:70〜85、CGI-S:4〜6、主な症状:陽性症状)18歳以上の慢性期統合失調症外来患者(DSM-V基準)。経口evenamide(30mg1日2回)併用療法による有効性、安全性、忍容性を評価するため、4週間のプロスペクティブランダム化二重盲検プラセボ対象試験を実施した。対象患者は、21日間のスクリーニング期間終了後、evenamide群またはプラセボ群に1:1でランダムに割り付けられた。主要アウトカムは、PANSS合計スコア(毎週評価)のベースラインからの変化とし、主要エンドポイントは4週間とした。

人工甘味料の摂取は非健康的な食生活と関連

 人工甘味料の摂取量が多い人ほど、食生活が非健康的であるという関連性を示すデータが報告された。米ジョージ・ワシントン大学のAllison Sylvetsky氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Clinical Nutrition」に11月25日掲載された。  砂糖などの添加糖の代わりに人工甘味料が使われることがあるが、それが人々の食生活の質を高めているのか、または反対に食生活の質の低下と関連しているのかという点は、よく分かっていない。これを背景としてSylvetsky氏らは横断的研究により、人工甘味料の摂取と食生活の質との関連を検討した。

16歳超55歳未満の男性は入院中にAKIリスクが上昇

 16歳超55歳未満の男児および男性は、入院中に急性腎障害(AKI)を発症するリスクが高いという研究結果が、「American Journal of Kidney Disease(AJKD)」に10月22日掲載された。  米イェール大学医学部のLadan Golestaneh氏らは、女性ホルモンが腎臓病の予防に効果があると示唆されていることに注目し、ライフサイクル上のホルモン的に異なる年齢層別に、性別とAKI発症率の関連の強さを検討する前向きコホート研究を実施した。2015年10月15日から2019年1月1日の間にモンテフィオーレ医療システム傘下の病院に入院した全患者から、腎不全または産科の診断を受けた患者を除外したデータが含まれた。

自傷行為に関する誤った認識が少なくない

 自傷行為に関する人々の認識を調査した結果が報告された。固定観念を持つ人が少なくないこと、自傷行為を行う人に適切に対応できる自信があると答えた人ほど、かえってその傾向が強いことなどが明らかにされている。お茶の水女子大学生活科学部心理学科の高橋哲氏らの研究であり、詳細は「PCN Reports」に11月5日掲載された。  青少年の6人に1人が自傷行為の経験を有するというデータがある。自傷行為自体は自殺を意図しない行為であり、用いられる方法や予期する結果や機能などの点で自殺と区別して考えられるものの、同時に、既往者はその後の人生で自殺を試みるリスクが高いとする報告があり早期の介入が重要とされる。しかし、自傷行為に関する誤った認識が人々の間で広くいきわたっているとされ、一例を挙げると、自傷行為は単に他者からの注目を集めたいがために行われるといったものがある。このような誤解は偏見を助長し、当事者がサポートを求める妨げとなる可能性がある。高橋氏らは、自傷行為に関する人々の認識を把握するとともにその認識に関連する要因を検討するため、webを用いた横断研究を実施した。

PTSDの新たな治療選択肢となるか、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法〜第III相臨床試験

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)では、新たな薬物治療の選択肢が求められている。米国・アラバマ大学バーミンガム校のLori L. Davis氏らは、PTSDに対するブレクスピプラゾール+セルトラリン併用療法の有効性、安全性、忍容性を検討するため、第III相二重盲検ランダム化比較試験を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2024年12月18日号の報告。  2019年10月〜2023年8月に米国の臨床試験施設86施設で実施された。PTSD成人外来患者を対象に、ブレクスピプラゾール(可変用量:2〜3mg/日)+セルトラリン(150mg/日)併用療法とセルトラリン(150mg/日)+プラセボ治療との比較を行った。1週間のプラセボ導入期間後に11週間の二重盲検ランダム化実薬対照並行群間期間(21日間のフォローアップ調査)を設けた。主要アウトカムは、ランダム化後(1週目)から10週目までのClinician-Administered PTSD Scale for DSM-5(CAPS-5)合計スコア(20のPTSD症状の重症度を測定)の変化とした。安全性評価には、有害事象を含めた。

小児の喘息のエンドタイプを特定できる新たな検査法を開発

 新しい迅速かつ簡便な鼻腔スワブ検査により、小児の喘息の背後にある特定の免疫システムや病態に関する要因(エンドタイプ)を特定できる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究グループは、この非侵襲的アプローチは、臨床医がより正確に薬を処方するのに役立つだけでなく、これまで正確に診断することが困難で、研究の進んでいないタイプの喘息に対するより良い治療法の開発につながる可能性があると見ている。米ピッツバーグ医療センター(UPMC)小児病院呼吸器科部長で上級研究員のJuan Celedón氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に1月2日掲載された。

豚由来の腎臓で健康に暮らす米国人女性

 遺伝子編集された豚からの腎臓移植を受けて、新たな人生を歩み始めた米国人の女性が、新しい臓器とともに1カ月以上健康に暮らしていることが報告された。  この女性はアラバマ州在住のTowana Looneyさん、53歳。Looneyさん自身の腎臓が後に腎不全まで進行する過程は、彼女の母親への“贈り物”から始まった。1999年、彼女は病気の母親のために、自分の腎臓の一つを提供したのだ。彼女の移植治療を行った米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン校の医師によると、Looneyさんはその後の妊娠時に血圧が急に高くなり、残っていた腎臓も機能不全に陥ったという。

血圧の経時的変動は高齢者の認知機能に悪影響を及ぼす

 血圧の管理は、心臓の健康のためだけでなく、加齢に伴い低下する頭脳の明晰さを保つ上でも重要であるようだ。時間の経過に伴い血圧が大きく変動していた高齢者は、思考力や記憶力が低下する可能性の高いことが、新たな研究で明らかになった。米ラッシュ大学のAnisa Dhana氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に12月11日掲載された。Dhana氏は、「これらの結果は、血圧の変動が高血圧自体の悪影響を超えて認知障害のリスク因子であることを示唆している」と述べている。  この研究では、白人と黒人を対象に実施されたシカゴ健康と加齢プロジェクト(1993〜2012年)への65歳以上の参加者4,770人(平均年齢71.3歳、女性62.9%、黒人66.0%)を対象に、経時的な血圧変動と認知機能との関連が検討された。試験参加者は、3年ごとに18年間にわたって血圧測定を受けていた。収縮期血圧と拡張期血圧は、前回の測定値との差の絶対値を全て合計し、それを測定回数から1を引いた数(n−1)で割って算出した。認知機能は、標準化された認知テストで評価して総合スコアを算出し、zスコアとして表した。

歩くのが速いと自認している肥満者、代謝性疾患が少ない

 肥満者において、主観的歩行速度が代謝性疾患のリスクと関連のあることを示唆するデータが報告された。同志社大学大学院スポーツ健康科学研究科の山本結子氏、石井好二郎氏らが行った横断的解析の結果であり、詳細は「Scientific Reports」に11月15日掲載された。  歩行速度は、体温、脈拍、呼吸、血圧、酸素飽和度に続く“第6のバイタルサイン”と呼ばれ、死亡リスクと関連のあることが知られている。しかし、歩行速度を客観的に把握するにはスペースと時間が必要とされる。よって健診などでは、「あなたの歩く速度は同世代の同性と比べて速い方ですか?」という質問の答えを主観的歩行速度として評価することが多い。この主観的歩行速度も代謝性疾患リスクと関連のあることが報告されているが、疾患ハイリスク集団である肥満者での知見は限られている。これらを背景として山本氏らは健診受診者データを用いて、肥満者の主観的歩行速度が代謝性疾患の罹患状況と関連しているかを検討した。

CKDを有する高血圧患者にも厳格降圧は有益?

 SPRINT試験で認められた厳格降圧(収縮期血圧目標:120mmHg未満)および標準降圧(同:140mmHg未満)のリスク・ベネフィットが、慢性腎臓病(CKD)を有するSPRINT試験適格の高血圧患者にも適用できるかどうかを調査した結果、SPRINT試験と同様に厳格降圧による予後改善効果は認められたものの、重篤な有害事象も多かったことを、米国・スタンフォード大学のManjula Kurella Tamura氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2025年1月7日号掲載の報告。  SPRINT試験において、糖尿病または脳卒中の既往がなく、心血管イベントリスクが高い高血圧患者では、厳格降圧のほうが標準降圧よりも死亡や心血管イベントのリスクが低減した。その一方で、急性腎障害などの特定の有害事象が増加したことや、進行したCKD患者では厳格降圧による心血管系へのメリットが減弱する可能性があることも示唆されている。そこで研究グループは、SPRINT試験の結果が、実臨床におけるCKDを有する高血圧患者にも適用可能かどうかを評価するために比較有効性試験を実施した。

アルコール飲み放題が飲酒問題に及ぼす影響はどの程度か

 国立国際医療研究センターの若林 真美氏らは、レストランやバーでのアルコール飲み放題と問題のあるアルコール消費パターンとの関連を調査した。BMJ Open誌2024年12月3日号の報告。  COVID-19パンデミック中の2022年2月の日本における社会と新型タバコに関するインターネット調査研究プロジェクト(JASTIS研究)のデータを用いて、横断的研究を実施した。問題のあるアルコール消費パターンは、アルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)で特定した。飲酒対象者1万9,585人(男性の割合:55%、平均年齢:48.3歳)をAUDITスコアに基づき、問題のない飲酒(AUDITスコア:0〜7)、問題のある飲酒(同:8以上)、危険な飲酒(同:8〜14)、アルコール依存症疑い(同:15以上)の4つに分類した。AUDITの設問3で2以上のスコアの場合、過度な飲酒と判断される。説明変数は、COVID-19パンデミック中の過去12ヵ月間(2021年2月〜2022年2月)における定額制のアルコール飲み放題の利用歴とした。定額制飲み放題の利用と問題のある飲酒または過度な飲酒、危険な飲酒またはアルコール依存症疑いとの関連を分析した。

自分時間、回復効果が高い過ごし方は?

 「Me Time(ミータイム;自分のための時間)」の過ごし方として、森の奥深くを1人でハイキングするのと喫茶店でカフェラテを飲みながら読書するのとでは、どちらの方がより回復効果が高いだろうか? その答えは意外なことに、周囲に人がいる環境でコーヒーと良書を片手に自分自身と向き合うのがベストであることを示唆する研究結果が明らかになった。完全に1人きりになって過ごす張り詰めた体験は、社会的つながりをある程度維持した状態で過ごすMe Timeほど、その人のウェルビーイングに良い影響をもたらすわけではないことが示されたという。米オレゴン州立大学コミュニケーション学分野のMorgan Quinn Ross氏と米オハイオ州立大学コミュニケーション学分野のScott Campbell氏によるこの研究の詳細は、「PLOS One」に12月5日掲載された。

若年者の健康問題、自閉症がトップ10にランクイン

 2021年の世界での自閉スペクトラム症(以下、自閉症)の患者数は約6200万人に上ったことが、新たな研究で明らかにされた。米ワシントン大学健康指標評価研究所のDamian Santomauro氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Psychiatry」に12月19日掲載された。  この研究は、世界疾病負担研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study;GBD)2021に基づき、自閉症の有病率と健康負担(障害調整生存年〔DALY〕)の最新の世界的な推定値を提示したもの。有病率の推定では、受動的な患者の発見に依存した研究を除外し、新たなシステマティックレビューに基づきデータを更新した。また、障害による重み付けの推定方法も修正された。最終的に、33カ国における自閉症の有病率に関する105件の研究データが統合された。

甲状腺疾患と円形脱毛症の間に遺伝的関連がある可能性

 甲状腺機能低下症、慢性甲状腺炎(橋本病)、亜急性甲状腺炎と円形脱毛症(AA)の間には有意な関連性があることを示す研究結果が、「Skin Research & Technology」に9月27日掲載された。  Heping Hospital Affiliated to Changzhi Medical College(中国)のYue Zhao氏らは、2標本のメンデルランダム化解析を用いた研究で、AAと甲状腺疾患の潜在的な因果関係を検証した。甲状腺機能低下症、橋本病、甲状腺機能亢進症、亜急性甲状腺炎、バセドウ病が曝露因子として選択され、AAが結果変数とされた。データはゲノムワイド関連解析(GWAS)から取得された。

統合失調症に対するルラシドン投与量は80mg/日へ増量すべきか

 慶應義塾大学の竹内 啓善氏らは、統合失調症患者に対するルラシドンの投与量を40mg/日から80mg/日に増量した場合の有効性および安全性を評価するため、本検討を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2025年1、2月号の報告。  対象は、6週間のルラシドン二重盲検プラセボ対照試験を完了し、その後12週間の非盲検延長試験に移行した統合失調症患者。二重盲検期間中に、ルラシドン群(40mg/日)またはプラセボ群に割り当てられた患者には、延長試験期間中にルラシドン40mg/日投与を行った。臨床医による判断に基づきルラシドン80mg/日への増量を可能とした。有効性アウトカムには、ルラシドン80mg/日の治療開始から終了までの陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアの変化を含めた。安全性アウトカムは、新たに発生した有害事象の発現率とした。