人工甘味料の摂取量が多い人ほど、食生活が非健康的であるという関連性を示すデータが報告された。米ジョージ・ワシントン大学のAllison Sylvetsky氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Clinical Nutrition」に11月25日掲載された。
砂糖などの添加糖の代わりに人工甘味料が使われることがあるが、それが人々の食生活の質を高めているのか、または反対に食生活の質の低下と関連しているのかという点は、よく分かっていない。これを背景としてSylvetsky氏らは横断的研究により、人工甘味料の摂取と食生活の質との関連を検討した。
研究には、米国がん協会(ACS)が行っているがん予防に関するコホート研究の参加者のデータを用いた。精度検証済みの食品摂取頻度質問票を用いて、人工甘味料入り飲料・食品・ヨーグルトの摂取量を推測。その結果に基づき参加者全体を、人工甘味料非摂取群、1日1サービング未満群、1日1〜2サービング未満群、1日2サービング以上群という4群に分類した。食事の質は、ACS食事スコアと健康的な食事指数(HEI-2015)を用いて評価した。解析対象者は16万3,679人で、年齢中央値53歳(四分位範囲45~60)、女性78.9%であり、1日当たりの人工甘味料摂取頻度は1.0±1.5回、HEI-2015は75.4±10.2だった。
ACS食事スコアは、人工甘味料非摂取群が6.8±0.03であったのに対し、1日1サービング未満の群は6.5±0.03、1〜2サービング未満の群6.3±0.03、2サービング以上の群6.1±0.03と、摂取量が多いほどスコアが低いという有意な関連が認められた。また、HEI-2015についても同順に、76.3±0.1、76.7±0.1、75.6±0.2、72.7±0.2と、同様の関連が認められた(いずれも傾向性P<0.0001)。
次に、食事の質が低いと判定されるオッズを多変量ロジスティック回帰分析で検討した結果、人工甘味料の摂取量が多いほどそのオッズが増加する傾向が認められた。具体的には、人工甘味料を摂取していない群に比較して、摂取量が1日1サービング未満の群では3%、1〜2サービング未満の群では17%、2サービング以上の群では43%のオッズ上昇が認められた。
これらの結果について論文の筆頭著者であるSylvetsky氏は、「人工甘味料は添加糖の代替として摂取されているが、われわれの研究では人工甘味料を多く摂取している人は、飽和脂肪、食塩、添加糖など、健康上の懸念のある成分の含有量が多い食品や飲料を大量に摂取していることが分かった。米国成人の大規模コホートにおいて、人工甘味料摂取者の食事の質は概して低いと言える」と総括している。
[2024年12月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら