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抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

 抗精神病薬誘発性の体重増加は、クロザピンやオランザピンなどの抗精神病薬治療で一般的にみられる副作用である。オレキシン遺伝子および受容体は、視床下部に局在し、エネルギー恒常性の維持と関連している。カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのArun K Tiwari氏らは、オレキシン1および2受容体の一塩基変異多型(SNP)をターゲットとし、抗精神病薬誘発性体重増加との関連を解析した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2015年10月8日号の報告。

小児のIgE感作と疾患の関連 4分の1が疾患を有さず

 小児は皮膚炎、喘息および鼻炎に罹患することが多いが、それらの有病率は年齢とともに変化する。また、IgE抗体保有と疾患との関連もよくわかっていない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のNatalia Ballardini氏らは、感作と疾患との関連を明らかにする目的で、出生コホート研究にて16歳まで追跡された小児を調査した。

双極性障害のうつ症状改善へ、グルタミン酸受容体モジュレータの有用性は

 グルタミン酸系経路の障害が、双極性うつ病の病態生理に重要な役割を果たしている可能性を示すエビデンスが新たに出てきている。英国・オックスフォード大学のTayla L McCloud氏らは、双極性障害のうつへのグルタミン酸受容体モジュレータの使用に着目し、その有用性についてレビューを行った。ケタミン、メマンチン、cytidineについて、それぞれプラセボを対照としたランダム化比較試験(RCT)についてレビューしたところ、ケタミン単回静脈内投与が、24時間後の反応率においてプラセボと比べ有意に良好な反応率を示したことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年9月29日号の掲載報告。

眼由来でも黄色ブドウ球菌分離株の多くが多剤耐性、メチシリン耐性が蔓延

 米国・マウントサイナイ医科大学のPenny A. Asbell氏らは、ARMOR研究の最初の5年間に採取された眼由来臨床分離株の耐性率と傾向について調査した。ARMOR研究は、眼感染症の病原体に関する唯一の抗生物質耐性サーベイランスプログラムである。その結果、黄色ブドウ球菌分離株は多くが多剤耐性を示し、メチシリン耐性が蔓延していることを明らかにした。

複数の向精神薬の血中濃度を一度に測定する新手法

 向精神薬治療は薬物動態学的特性の個体差が大きいため十分な治療効果が得られない場合があるが、薬物血中濃度モニタリング(TDM)は、患者個々に投与された用量の効果を調べる有効な方法である。中国・昆明医科大学附属第一医院のJingjing Wang氏らは、TDM等に応用するため、抗精神病薬、抗うつ薬および抗認知症薬計17種の血漿中濃度を測定する、超高速液体クロマトグラフィー(UFLC)-タンデム質量分析法を開発し検証を行った。その結果、新しい測定法はTDMのすべての基準を満たしており、著者らの病院の日常診療において、抗精神病薬および抗うつ薬のTDMとして有用であったと報告している。Therapeutic Drug Monitoring誌2015年10月号の掲載報告。

緑茶やコーヒーで胆道がんリスクは減少するか

 緑茶やコーヒーの摂取が、数種類のがんリスクを減少させる可能性があるが、胆道がんについてはよくわかっていない。大阪大学の牧内 武氏らは、緑茶(緑茶全体、煎茶、番茶/玄米茶)およびコーヒーの摂取と、胆道がんおよびそのサブタイプのリスクとの関連を、日本における集団ベースの前向きコホート研究で検討した。その結果、緑茶摂取量が多いと胆道がんリスクが減少する可能性が示唆され、その効果は煎茶に起因する可能性があるという。また、コーヒー摂取とは関連がなかった。Cancer science誌オンライン版2015年11月4日号に掲載。

妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法

 スクリーニングでうつ病と診断された妊娠中あるいは分娩後の女性について、スクリーニング単独の場合はメンタルヘルスの活用は22%にとどまったが、周産期外来部門への介入や、本人へのリソース提供を行うことで、周産期うつ女性のメンタルヘルス活用は、2~4倍増大するという。米国・マサチューセッツ大学医学部のNancy Byatt氏らがシステマティックレビューの結果、示した。Obstetrics & Gynecology誌オンライン版2015年11月号の掲載報告。

MetSリスクの高い抗うつ薬は

 メタボリックシンドローム(MetS)は双極性障害患者でよくみられ、一般集団と比較し相対リスクは1.6~2倍といわれている。このリスク増加は、不健康なライフスタイルや薬物治療に起因すると考えられている。これまで、抗精神病薬や気分安定薬は、体重増加やMetSと関連付けられてきたが、抗うつ薬の影響については総合的に評価されていなかった。イタリア・トリノ大学のVirginio Salvi氏らは、抗うつ薬の種類とMetSリスクとの関連を評価するため検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2015年9月26日号の報告。

静脈血栓塞栓症が経口剤単剤で治療可能に

 深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PE)は密接に関連するため、総称して静脈血栓塞栓症(VTE)と呼ばれる。このVTEの治療および再発抑制に対して、選択的直接作用型第Xa因子阻害薬のイグザレルト(一般名:リバーロキサバン)が9月24日に適応追加承認を取得したことを受け、プレスセミナーが10月28日、都内で開催された(主催:バイエル薬品株式会社)。そのなかで、三重大学医学部附属病院 循環器内科科長 山田 典一氏が、日本初の経口シングルドラッグアプローチの有効性と、治療戦略の変化について解説した。

統合失調症薬物治療、LAIは早く使うべきなのか

 一貫性がある抗精神病治療は治療の重大な部分を占めるが、統合失調症治療では、治療アライアンスの確立および継続、患者中心のアプローチがあらゆるケアの面で基本となることを、米国・Partners in Aging & Long-Term CaregivingのGeorgia L. Stevens氏らは文献レビューの結果、報告した。すなわち、意思決定やアドヒアランス共有の強化、長期にわたる回復を達成しうるなどの点においてである。臨床試験の結果は、早期または初回エピソードの統合失調症患者の治療について、経口抗精神病薬による治療を支持している。研究グループは文献レビューによって、統合失調症における早期治療開始の優位性と、持効性注射薬(LAI)の早期使用の臨床ベネフィットを調べた。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2015年9月25日号の掲載報告。

腰痛と精神障害の併存、障害年金支給リスクを16~20倍に

 腰痛と神経症性障害やストレス関連障害などとの相乗的な影響について、オーストリア・ウィーン大学のThomas. E. Dorner氏らは障害年金の観点からコホート研究を行った。その結果、両者の併存はそれぞれ一方の場合より、障害年金支給のリスクを相乗的に高めることが明らかになった。結果を踏まえて著者は、「さらなる障害と労働市場からの排除を防ぐことが臨床的に重要」とまとめている。Psychological Medicine誌オンライン版2015年10月15日号の掲載報告。