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呼称変更から12年、統合失調症への偏見は軽減されたのか:東京大学

 わが国では2002年、統合失調症に対するスティグマを軽減するため、精神分裂病から統合失調症へと呼称変更が行われた。しかし、その長期的な影響はあまり知られていない。東京大学の小池 進介氏らは、呼称変更から12年でどのような影響があったかを調査した。Social psychiatry and psychiatric epidemiology誌オンライン版2015年5月7日号の報告。

学歴とうつ病の関連は、遺伝か、環境か

 うつ病と低学歴の関連には、遺伝的多面発現効果(pleiotropy)の影響は認められないが、社会経済的状況などの環境因子が関わっている可能性が示唆された。Major Depressive Disorder Working Group of the Psychiatric GWAS ConsortiumのW J Peyrot氏らがドイツ人、エストニア人のうつ病患者のデータを解析し報告した。Molecular Psychiatry誌2015年6月号の掲載報告。

てんかん患者への精神療法、その効果は

 英国・王立ハラムシャー病院のEdel Dewhurst氏らは、てんかん患者に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の有効性と費用対効果について検討した。その結果、ACTは抑うつや不安、QOL、自尊心、職業および社会的適応に対して良好な効果をもたらし、費用対効果にも優れることを報告した。Epilepsy Behavior誌オンライン版2015年4月10日号の掲載報告。

認知症への運動療法、効果はあるのか

 最近の複数の研究とシステマティック・レビューにおいて、認知症患者に対する運動の効果について信頼性の高い結果が報告されている。カナダ・アルバータ大学のDorothy Forbes氏らは、認知症高齢者に対する運動の効果について、患者および介護者の両面から明らかにするためメタ解析を行った。その結果、運動プログラムが認知症患者の日常生活動作を改善する可能性、および認知機能、神経精神症状、抑うつに対する運動の効果に関するエビデンスは認められなかったことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年4月15日号の掲載報告。

真皮縫合、セットバック縫合vs. 垂直マットレス縫合

 セットバック縫合は真皮の剥離面から刺入し剥離面へ刺出する縫合法で、垂直マットレス縫合に代わる真皮縫合となり得ることが示唆されている。米国・カリフォルニア大学デイビス校のAudrey S. Wang氏らは無作為化盲検比較試験を行い、セットバック縫合が埋没垂直マットレス縫合より創縁の外反に優れ、縫合痕も美容的に良好であることを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年4月号の掲載報告。

統合失調症患者の自殺企図、家族でも気づかない:東邦大学

 未治療の統合失調症では多くの場合、周囲の人たちは、患者の精神症状や自殺企図の可能性を認識できていない。東邦大学の山口 大樹氏らは、致死的な自殺企図を経験した未治療の統合失調症患者において、主観的な経験と観察された行動との間に矛盾があるかを質的パイロット研究により調査した。Annals of general psychiatry誌オンライン版2015年4月15日号の報告。

脊椎疾患の待機的手術、患者満足度が有効性を正確に表す?

 患者満足度調査は、医療の質と診療報酬の償還を決める要素として生み出されたもので、満足度を改善する要因を特定することは非常に重要である。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのSilky Chotai氏らは、脊椎変性疾患に対する待機的手術時に行った患者満足度調査から、アウトカムに対する患者の満足度は、脊椎外科的治療の有効性を正確に表すことが可能で、術後1年間における疼痛や機能障害の改善で示されることを報告した。ただし、だからといって満足度が治療の全体の質や有効性に依存するわけではないこと、メディケイド/保険非加入者の支払人の社会的地位および手術前の疼痛や機能障害が関与することも示唆されたと述べている。Neurosurgery誌オンライン版2015年4月23日号の掲載報告。

慢性心不全に適度なワイン

 日常的に適度なワインを飲むことは、心血管イベントリスクの低下と関連するが、慢性心不全患者におけるデータは不足している。GISSI-HF試験の研究グループは、イタリア人慢性心不全患者の大規模コホートを対象とした多施設臨床研究により、ワイン摂取と健康状態、バイオマーカー、臨床アウトカムとの関連性を評価した。著者らは「本研究は、慢性心不全患者の大規模コホートにおいて、適度なワインがより良い主観的/客観的健康状態、低い抑うつ傾向、血管炎症の少なさと関連することを示した、初の研究である。ただし、より良好な4年後臨床アウトカムとの関連性は認められなかった」とした。Circulation: Heart failure誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。

SSRI抵抗性、脳内ヒスタミンが関与か

 治療抵抗性うつ病の背景に存在する神経生物学的変化については、不明な部分が多い。一方で選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)不応については、ヒスタミンなどのセロトニン作動性神経を活性化する神経伝達物質システムの異常に起因している可能性がある。イタリア・フィレンツェ大学のLeonardo Munari氏らは、ヒスタミン合成不能マウスモデルを用いて、抗うつ薬抵抗性のメカニズムについて検討を行った。その結果、ヒスタミン合成不能マウスにおいて、レボキセチンやイミプラミンは抗うつ効果を発揮することが示唆された一方、SSRIはセロトニン作動性神経系が機能している場合でも効果が認められなかった。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年4月21日号の掲載報告。

認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか

 認知症高齢者は、危険運転のリスク群であるが、すべての認知症タイプにおいて同様であると考えてよいのだろうか。オランダ・フローニンゲン大学のDafne Piersma氏らは、認知症の病因が異なっても運転能力に同様の影響があるのかを検討するため、文献レビューを行った。Traffic Injury Prevention誌オンライン版2015年4月15日号の掲載報告。

パートナーがうつ病だと伝染するのか

 カップル間において、一方のうつ病はもう一方の適応障害のリスク因子となることを、スイス・チューリッヒ大学のAndrea B. Horn氏らが報告した。研究グループの検討では、このことはとくに男性に当てはまったという。適応障害は、ストレスフルなことに適切に対処できないことが診断理由である傾向が高い。一方で、臨床的に問題となる不適応を招く社会的リスクについては、ほとんどわかっていないが、文献的考察で、カップル間のコミュニケーションにおけるうつ病の影響やサポート状況の変化が示唆されていた。Psychother Psychosomatik Medizinische Psychologic誌オンライン版2015年3月30日号の掲載報告。

EGFR遺伝子変異検査、アジアで高い実施率

 ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社(本社:東京都品川区)は2015年4月、肺がん専門医を対象としたの国際調査の結果を発表。この国際調査は、進行非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の診断、遺伝子変異検査、治療実態について把握することを目的として、10ヵ国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、スペイン、台湾、英国、米国)、562人の医師を対象に行われた。調査期間は2014年12月~2015年1月。ベーリンガーインゲルハイムがスポンサーとなり実施され、本年(2015年)の欧州肺癌学会議(ELCC)において発表された。