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毎日5杯の緑茶で認知症予防:東北大

 生物学的研究では、緑茶の特定の構成要素が、認知神経の保護効果を有することが示唆されている。しかし、ヒトを対象とした疫学研究が十分でないため、認知症発症率に対する緑茶消費量の影響は確認されていない。東北大学の遠又 靖丈氏らは、緑茶消費量と認知症発症との関連を明らかにするため、コホート研究を行った。The American journal of geriatric psychiatry誌2016年10月号の報告。

慢性腰痛患者が医師に診せない理由

 2016年10月17日(月)、塩野義製薬株式会社/日本イーライリリー株式会社主催のプレスセミナー「慢性腰痛治療の現状と課題―患者と医師の対話の中で見えてくること―」が開催された。まず、日本イーライリリー株式会社 臨床開発医師 榎本 宏之氏より、慢性腰痛に伴う痛みが患者の日常生活に及ぼす影響に関するインターネット全国調査の結果が発表された。その結果を受け、慢性腰痛治療に造詣の深い浜松医科大学 整形外科 教授の松山 幸宏氏より、慢性腰痛治療の現状や患者コミュニケーションの重要性、治療ゴール設定のポイントなどが語られた。

緑内障発症に関連するリスクアレルを特定

 原発開放隅角緑内障(POAG)は失明や視覚障害の主な原因で、POAGと視神経機能に関連するいくつかの遺伝的リスク因子が確認されている。米国・アイオワ大学のTodd E. Scheetz氏らは、Ocular Hypertension Treatment Study(OHTS)の参加者を対象に、それら遺伝的リスク因子が緑内障発症に及ぼす影響について検討した。その結果、非ヒスパニック系白人集団においてはTMCO1遺伝子型が、既知の臨床的な予測因子と同程度に緑内障と関連していることを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月1日号の掲載の報告。

統合失調症患者の性機能障害、ミルタザピンで改善

 統合失調症における性的機能不全は、抗精神病薬(とくに第1世代抗精神病薬)やSSRIなどの抗うつ薬により悪化する。ミルタザピンは、他の多くの抗うつ薬と比較し、異なる作用機序を有する抗うつ薬であり、うつ病患者のSSRI誘発性性機能障害を改善することが期待される。しかし、ミルタザピンが統合失調症患者の性機能を改善させるかは不明である。フィンランド・ヘルシンキ大学のViacheslav Terevnikov氏らは、この疑問に対し、検討を行った。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月5日号の報告。

カフェイン摂取で認知症リスク低下か

 認知機能に対するカフェインの保護効果は、ヒト以外の報告で認められている。ヒトに対する研究では一貫性は示されていないが、レビューによると、カフェインの摂取と認知障害や認知症との間に良好な関係がある可能性が示唆されている。米国・ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のIra Driscoll氏らは、65歳以上の女性を対象としたThe Women's Health Initiative Memory Studyより、カフェイン摂取と認知障害または認知症疑いの発生率との関連を調査した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年9月27日号の報告。

6割が現在の年収額に満足―医師1,000人へのアンケート

 ケアネットでは、9月9日(金)~12日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に「医師の年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の年収額が妥当と思うかと尋ねたところ、25.1%が「そう思う」、36.4%が「ややそう思う」と回答し、6割以上の医師が、現在の年収におおむね満足していることがわかった。

双極性障害や統合失調症のバイオマーカー検出の試み:理研BSI

 双極性障害と統合失調症の診断マーカーは必要とされている。バイオマーカーの発見の遅れは、薬物治療の効果を混乱させる。理化学研究所 脳科学総合研究センターの影山 祐紀氏らは、薬物治療を行っていない双極性障害と統合失調症患者における血清バイオマーカーを同定するため、メタボローム解析を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年9月27日号の報告。

A群レンサ球菌咽頭炎に最良の抗菌薬は?

 咽頭スワブでのA群β溶血性レンサ球菌(GABHS)陽性者において、咽頭痛に対する抗菌薬のベネフィットは限られ、抗菌薬が適応となる場合にどの薬剤を選択するのが最良なのかは明らかになっていない。今回、オーストラリア・クイーンズランド大学のMieke L van Driel氏らが19件の無作為化二重盲検比較試験を評価し、GABHSによる扁桃咽頭炎の治療におけるセファロスポリンとマクロライドをペニシリンと比較したところ、症状消失には臨床関連の差が認められなかったことが示された。著者らは、「今回の結果から、コストの低さと耐性のなさを考慮すると、成人・小児ともにペニシリンがまだ第1選択とみなすことができる」と記している。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年9月11日号に掲載。

統合失調症の性機能障害改善のための補助療法:名古屋大学

 補助的アリピプラゾール療法は、高プロラクチン血症を改善することは知られているが、性機能障害に対する効果についての十分なエビデンスが得られていない。名古屋大学の藤生氏らは、性機能障害を有する統合失調症患者に対する補助的アリピプラゾール両方の有用性を評価した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2016年9月22日号の報告。

心房細動は心筋症の原因か、結果か?

 孤立性心房細動(AF)は隠れた心筋症を反映しており、洞調律復帰しても残存する心筋症によりAFが再発するのではないか―。この仮説を検証するため、英国・オックスフォード大学の研究グループが、左室に関与する病態を有しない孤立性AF患者において、カテーテルアブレーション後の洞調律復帰が左室の機能およびエナジェティクスに及ぼす影響を調べた。この研究では、アブレーション前後の左房および左室の容量と機能の評価にMRIを用いた。また、心筋症のマーカーとしてエネルギー代謝が有用なことから、エナジェティクスの評価にはPhosphorus-31 MRスペクトロスコピー(31P-MRS)を使用した。Circulation誌オンライン版9月14日号掲載の報告。

MCIから初期アルツハイマー病を予測、その精度は

 軽度認知障害(MCI)は、正常な老化からアルツハイマー型認知症(AD)への過渡期である。そのため、安定状態からAD進展高リスクMCI高齢者を抽出するために使用可能な基準を開発することはきわめて重要である。米国・The Nathan S. Kline Institute for Psychiatric ResearchのBabak A Ardekani氏らは、構造的MRIスキャンにより海馬体積インテグリティ(HVI)の新規測定値を計測するための自動アルゴリズムを開発した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2016年9月20日号の報告。

緑内障治療に革新、ラタノプロスト持続溶出コンタクトレンズ

 ラタノプロスト持続溶出コンタクトレンズの開発が進められている。米国ハーバード・メディカル・スクールのJoseph B. Ciolino氏らは、カニクイザル緑内障モデルを用いて薬効薬理試験を行い、コンタクトレンズを介したラタノプロストの持続送達は、毎日点眼と比較して同等以上の眼圧低下効果があることを明らかにした。

悪性黒色種、発見者による予後の違いが明らかに

 悪性黒色種(メラノーマ)は早期診断が重要であるが、患者は疾患が進行してから受診することが多い。悪性黒色種を最初に誰が発見するかによって予後にどのような影響があるかは明らかになっていなかったが、スペインのグレゴリオ・マラニョン大学総合病院 Jose Antonio Aviles-Izquierdo氏らの調査によって、皮膚科医が発見したほうが患者自ら発見した場合よりも、予後は良好であることが明らかとなった。ただし皮膚科医の発見は80%が偶発的であったことも判明した。また、本人自ら発見した患者においては、とくに70歳超で男性より女性のほうが予後良好であった。著者は「この集団が、悪性黒色種発見のための教育を行う論理的なターゲットになるだろう」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年9月16日号掲載の報告。

維持期統合失調症、LAI使用で注意すべきポイント:慶應義塾大

 統合失調症の維持療法において、必要なドパミンD2受容体占有率は明らかになっていない。慶應義塾大学の猪飼 紗恵子氏らは、ベースライン時、リスペリドン長時間作用型注射剤(RLAI)を投与された統合失調症患者の臨床転帰を3年間追跡し、ドパミンD2受容体占有率を調査し、血漿中薬物濃度を推定した。Psychopharmacology誌オンライン版2016年9月8日号の報告。

統合失調症患者に対するアドバイスは届いているのか

 医師からの推奨は、医療の意思決定を行う際、不可欠な要素である。しかし、意思決定プロセスのどの時点で行うことが最も良いのか、患者に悪影響を与えないかについては不明なままである。ドイツ・ミュンヘン工科大学のJohannes Hamann氏らは、これらの疑問に対し、統合失調症患者を対象とした検討を行った。BMJ open誌2016年9月16日号の報告。