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- 2024/12/20
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カナグリフロジン、心不全入院を低下も心血管系入院は同等/BMJ
2型糖尿病の治療において、SGLT2阻害薬カナグリフロジンは、クラスが異なる他の3つの経口薬(DPP-4阻害薬[DPP-4i]、GLP-1受容体作動薬[GLP-1RA]、スルホニル尿素[SU]薬)と比べて、心不全による入院リスクは30~49%低いことが、また急性心筋梗塞/脳卒中による入院リスクは同程度であることが示された。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らが、大規模な住民ベースの後ろ向きコホート試験を行い明らかにしたもので、BMJ誌2018年2月6日号で発表した。これまで、カナグリフロジンの心血管安全性を評価した「CANVAS試験」などの結果において、同薬は心不全による入院リスクの低減効果を示しており、今回3種の糖尿病治療薬と直接比較を行うことで、その効果が確認された。
卵円孔開存の存在で周術期の脳梗塞リスク上昇/JAMA
非心臓手術を受ける成人患者において、術前に卵円孔開存(PFO)の診断を受けた患者は受けなかった患者と比べて、術後30日間の周術期虚血性脳卒中リスクが有意に高いことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院(MGH)のPauline Y.Ng氏らが、18万例超を対象に行った後ろ向きコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2018年2月6日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回の所見について、さらなる確証試験を行うとともに、PFOへの介入によって術後脳卒中のリスクが低減するのかどうかを確認する必要がある」とまとめている。
イスラム圏の健康状態、国家間格差の要因は?/Lancet
乳幼児と妊産婦の健康改善を目標とした、ミレニアム開発目標(MDG)の項目4および5の推進は、世界的には大きな成果をもたらした。しかし、南アジア・中東・アフリカの多くのイスラム国家では、遅れをとっていることも明らかになっている。カナダ・トロント小児病院のNadia Akseer氏らは、イスラム国家間における、生殖や妊産婦・新生児・小児・青少年の健康状態および、その進展状況を評価する検討を行った。その結果、国家間の格差が認められ、そうした格差に関して、地域性や慣習の影響は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2018年1月30日号掲載の報告。
片頭痛は脳出血や心房細動とも関連/BMJ
片頭痛は、虚血性脳卒中や心筋梗塞との関連が知られている。デンマーク・オーフス大学病院のKasper Adelborg氏らは、一般集団ベースのコホート研究を行い、片頭痛は出血性脳卒中や静脈血栓塞栓症、心房細動/粗動とも関連することを示した。BMJ誌2018年1月31日号掲載の報告。
がん5年生存率、世界3,700万例調査/Lancet
2015年、CONCORD-2プログラムは、世界のがんコントロール対策への情報提供に向け、医療システムの有効性の評価基準としての「がん生存率」に関して、世界的なサーベイランスを行うことを定めた。これを受けて、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のClaudia Allemani氏らCONCORDワーキンググループは、2014年までのがん生存率に関する最新データであるCONCORD-3の解析を行い、その結果をLancet誌オンライン版2018年1月30日号で報告した。
再発性B細胞性ALL、CAR-T療法での長期転帰/NEJM
新たな細胞免疫治療であるCD19特異的キメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞療法は、再発性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児および成人患者で、70~90%という良好な完全寛解率が示されている。しかし、これらの試験の多くはフォローアップ期間が相対的に短く、長期的な寛解の予測因子と考えられる背景因子の解析は行われていない。そこで、米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)のJae H. Park氏らは、CD19 CAR T療法を受けたALL成人患者の第I相試験の長期フォローアップを行い、その結果をNEJM誌2018年2月1日号で報告した。
B細胞性ALL、CAR-T療法で8割が全寛解/NEJM
小児および若年成人における再発・難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)に対して、抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞療法(CAR-T療法)であるtisagenlecleucelの単回投与は、長期にわたる持続的な寛解をもたらし、Grade3以上の有害事象は一過性であることが確認された。米国・ペンシルベニア大学のShannon L. Maude氏らが、11ヵ国の25施設で実施された国際共同第II相臨床試験の結果を報告した。単一施設で行われたtisagenlecleucelの第I・IIa相試験では、同患者における完全寛解率は93%と高く、毒性は重篤であったものの、ほとんどが可逆的であることが示されていた。NEJM誌2018年2月1日号掲載の報告。
脳内出血後の院内死亡、ワルファリンvs. NOAC/JAMA
脳内出血(ICH)患者の院内死亡リスクを、発症前の経口抗凝固薬(OAC)で比較したところ、OAC未使用群に比べ非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)あるいはワルファリンの使用群で高く、また、NOAC使用群はワルファリン使用群に比べ低いことが示された。米国・デューク大学メディカルセンターの猪原拓氏らが、米国心臓協会(AHA)/米国脳卒中協会(ASA)による登録研究Get With The Guidelines-Stroke(GWTG-Stroke)のデータを用いた後ろ向きコホート研究の結果、明らかにした。NOACは血栓塞栓症予防としての使用が増加しているが、NOAC関連のICHに関するデータは限られていた。JAMA誌オンライン版2018年1月25日号掲載の報告。
心房細動合併心不全の予後、アブレーションで大幅改善/NEJM
心房細動を合併した心不全患者で、種々の理由で抗不整脈薬治療を受けられない場合においても、心房細動に対するカテーテルアブレーションを行うことで、薬物治療のみでのレートコントロールやリズムコントロールに比べ、全死因死亡および心不全悪化による入院の複合リスクは、約4割減少することが示された。米国・ユタ大学のNassir F.Marrouche氏らが、患者363例を対象に行った無作為化比較試験で明らかにし、NEJM誌2018年2月1日号で発表した。心房細動を合併した心不全患者は、心不全単独患者よりも脳卒中や心不全悪化による入院、死亡のリスクが高い。心房細動に対するカテーテルアブレーションは、そのほかの心機能は正常で薬物療法が無効の症候性心房細動に推奨されており、これまでの試験で、心房細動合併の心不全患者においてアウトカムを改善することが示唆されていた。
小児腎臓病既往で、末期腎不全リスクが約4倍/NEJM
小児期の腎臓病既往歴は、たとえ青年期においては腎機能が正常であっても、その後の末期腎不全(ESRD)発症リスクを有意に増大することが明らかになった。イスラエル・ヘブライ大学のRonit Calderon-Margalit氏らが、約152万人の同国青少年についてコホート研究を行い明らかにしたもので、NEJM誌2018年2月1日号で発表した。これまで、小児期に慢性腎臓病(CKD)に進展しなかった小児腎臓病の長期的リスクは明らかにされていないという。
術前の呼吸理学療法教育で肺合併症が半減/BMJ
待機的上腹部手術患者では、術直後の呼吸訓練に関する理学療法の講習を術前に受けることで、院内肺炎を含む術後の呼吸器合併症がほぼ半減することが、オーストラリア・メルボルン大学のIanthe Boden氏らの検討(LIPPSMAck-POP試験)で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年1月24日号に掲載された。呼吸器合併症は、上腹部手術後の最も重篤かつ不良な転帰であり、死亡率や医療費も増加させる。これらの合併症は、術前の理学療法教育や呼吸訓練の指示のみで予防可能なことを示唆する試験がいくつかあるが、このエビデンスには、方法論上の欠点や一般化可能性が乏しいといった限界があるとされていた。
C肝に8週投与でSVR99%:マヴィレット第III相試験/NEJM
肝硬変を伴わないC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型または3型感染患者において、グレカプレビル・ピブレンタスビル合剤(商品名:マヴィレット配合錠)の1日1回8週間治療および12週間治療のいずれについても、高率の持続性ウイルス学的著効(SVR)を達成(それぞれ99%、95%)したことが、ドイツ・フランクフルト大学病院のStefan Zeuzem氏らが行った検討の結果、示された。NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬グレカプレビルとNS5A阻害薬ピブレンタスビルは、すべてのHCV遺伝子型(1~6型)に活性を示し、耐性に対して高いバリアを持つ直接作用型抗ウイルス薬である。両薬合剤の第II相試験では、12週間治療のSVRが全遺伝子型で93%以上を達成し、1/3型のSVRは97%を示していた。NEJM誌2018年1月25日号掲載の報告。
急性脳梗塞の血栓除去術、発症後6~16時間でも有用/NEJM
近位中大脳動脈または内頸動脈の閉塞を呈し、虚血は認めるが梗塞に至っていない組織領域を認める患者では、発症後6~16時間でも、標準的薬物療法単独よりも血管内治療(血栓除去術)を併施したほうが、良好な機能的アウトカムに結びつくことが示された。米国・スタンフォード大学脳卒中センターのGregory W. Albers氏らが「DEFUSE3試験」の結果を報告した。現行、血栓除去術は画像診断での適格性に基づき、発症後6時間以内の脳卒中患者への施術が推奨されている。NEJM誌オンライン版2018年1月24日号掲載の報告。
1日1本のタバコでも心血管疾患リスク増大/BMJ
1日1本であっても、喫煙は冠動脈疾患および脳卒中の発症リスクを予想以上に増大させ、心血管疾患の発症に害のない安全な喫煙レベルは存在せず、リスク低減には減煙では不十分であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAllan Hackshaw氏らが実施した141件のコホート試験のメタ解析で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年1月24日号に掲載された。喫煙者の多くはタバコの本数を減らすことで関連疾患の発症リスクを低減できると考えているが、これまでにも冠動脈疾患のリスクは軽度の喫煙(1日5本未満)でも予想以上に高いことが報告されている。
敗血症性ショックへの低用量ステロイド、死亡率は低下せず/NEJM
人工呼吸器を装着した敗血症性ショック患者において、低用量ステロイド(ヒドロコルチゾン持続静脈内投与)は、プラセボと比較し90日死亡率を低下させるという結果は得られなかった。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBalasubramanian Venkatesh氏らが、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験「ADRENAL(Adjunctive Corticosteroid Treatment in Critically Ill Patients with Septic Shock)試験」の結果を報告した。現在、敗血症性ショックに対する低用量ステロイド療法は、敗血症ガイドラインにおいてショックの離脱を目的とした投与は推奨されているが、エビデンスの質が低く推奨度は低い。死亡率低下については賛否両論が報告されていた。NEJM誌オンライン版2018年1月19日号掲載の報告。
心臓手術時の左心耳閉鎖が血栓塞栓症リスクを低下/JAMA
心房細動(AF)を有する高齢患者において、心臓手術と外科的左心耳閉鎖(surgical left atrial appendage occlusion:S-LAAO)の併施により、非併施と比べ3年後の血栓塞栓症による再入院リスクが低下することが示唆された。米国・デューク大学のDaniel J. Friedman氏らが、後ろ向きコホート研究の結果を報告した。左心耳は、AF患者における血栓形成の鍵を握っており、心臓手術時に閉鎖または除去されることがある。S-LAAO併施で血栓塞栓症のリスクが低下するかについて、これまでエビデンスに限りがあった。JAMA誌2018年1月23/30日号掲載の報告。
インフルエンザと心筋梗塞に有意な関連/NEJM
呼吸器感染症、とくにインフルエンザと急性心筋梗塞には、有意な関連が認められることが明らかにされた。インフルエンザの感染が検査で確認された後の1週間以内に、急性心筋梗塞で入院するリスクは、B型で約10倍、A型で約5倍に増大する。また、RSウイルスについても、同リスクは約4倍に上昇することが示された。カナダ・トロント大学のJeffrey C. Kwong氏らが、自己対照ケースシリーズ試験を行い明らかにしたもので、NEJM誌2018年1月25日号で発表した。これまでにも、インフルエンザ感染と急性心筋梗塞との関連を示唆した試験結果はあったが、インフルエンザ感染の確認に非特異的な検査方法を用いる、バイアスを受けやすい試験デザインを採用するなどの欠点があったという。
軽度アルツハイマー病への抗Aβ抗体、第III相試験の結果/NEJM
軽度アルツハイマー病患者に対するヒト化モノクローナル抗体solanezumabの投与(400mgを4週ごと)について、認知機能低下を遅らせる有意な効果は認められなかった。米国・コロンビア大学のLawrence S. Honig氏らが、2,129例を対象に行った第III相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果を、NEJM誌2018年1月25日号で発表した。アルツハイマー病は、アミロイドβ(Aβ)斑と神経原線維変化を特徴とするが、solanezumabは、可溶性Aβ(原線維アミロイドとして沈着する前の段階で、シナプスで毒性を引き起こすとされるペプチド)が、脳から除去される量を増やすようデザインされた。
重症肥満への外科治療、そのリスクとベネフィット/JAMA
肥満外科手術を受けた重症肥満患者は、内科的治療を受けた患者と比較すると臨床的に重大な合併症リスク増大と関連しているが、その半面、肥満関連の併存疾患のリスクが低いことが明らかにされた。ノルウェー・Vestfold Hospital TrustのGunn Signe Jakobsen氏らが中央値6.5年間追跡したコホート研究の結果で、JAMA誌2018年1月16日号で発表された。これまで、両者の有益なアウトカムおよび有害なアウトカムとの関連は、明らかにされていなかった。結果を踏まえて著者は、「臨床決定プロセスにおいて、合併症リスクは考慮されなければならない」とまとめている。
肥満DM患者に胃バイパス手術を加える必要性は?/JAMA
肥満を伴う2型糖尿病患者に対して、生活習慣介入に力点を置いた医学的管理のみを行った場合と比べて、ルーワイ胃バイパス術を併用したほうが、5年追跡時点の糖尿病の3つの評価項目(HbA1c、脂質、収縮期血圧)は、有意に良好さを維持していたことが示された。米国・ミネソタ大学のSayeed Ikramuddin氏らが、2つの無作為化試験「Diabetes Prevention Program」と「LookAHEAD試験」(それぞれ介入期間は2年)の被験者の観察フォローアップの延長試験の結果、報告した。ルーワイ胃バイパス術は、糖尿病をターゲットとした治療として有効性が確立しているが、効果の持続性については明らかになっていなかった。JAMA誌2018年1月16日号掲載の報告。