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2024/06/27
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:56

非がん性疼痛へのトラマドール、コデインより死亡リスク高い?/JAMA

 欧米では、非がん性慢性疼痛の治療にトラマドールが使用される機会が増えているが、安全性を他のオピオイドと比較した研究はほとんどないという。英国・オックスフォード大学のJunqing Xie氏らは、トラマドールの新規処方調剤はコデインと比較して、全死因死亡や心血管イベント、骨折のリスクを上昇させることを示した。便秘やせん妄、転倒、オピオイド乱用/依存、睡眠障害には両薬で差はなかった。研究の成果は、JAMA誌2021年10月19日号に掲載された。

介護施設の入居者、乳製品増量で骨折、転倒が減少/BMJ

 高齢者介護施設の入居者では、乳製品を用いてカルシウムとタンパク質の摂取量を増量する栄養学的介入は、転倒や骨折のリスクの抑制に有効で、容易に利用できる方法であることが、オーストラリア・メルボルン大学のSandra Iuliano氏らの調査で示された。死亡率の改善は認められなかった。研究の成果は、BMJ誌2021年10月21日号で報告された。  本研究は、ビタミンDの摂取量は十分だが、カルシウムの平均摂取量が600mg/日で、タンパク質の摂取量が1g/kg体重/日未満の高齢者介護施設入居者における、乳製品による栄養学的介入の骨折予防効果と安全性の評価を目的とする2年間のクラスター無作為化対照比較試験であり、2013年12月~2016年8月の期間に参加施設と参加者の募集が行われた(Dairy Australiaなどの助成を受けた)。  この試験には、オーストラリアの主に歩行可能な高齢者が居住する60の認定介護施設が参加し、介入群に30施設、対照群に30施設が無作為に割り付けられた。参加者は、7,195例(平均年齢86.0[SD 8.2]歳、女性4,920例[68%])だった。

急性尿閉は泌尿生殖器・大腸・神経系オカルトがんの臨床指標?/BMJ

 急性尿閉は、泌尿生殖器や大腸、神経系のオカルトがん(潜在がん)の臨床マーカーとなる可能性があり、急性尿閉を呈する年齢50歳以上の患者で、明確な基礎疾患がみられない場合は、オカルトがんを考慮すべきとの知見が、デンマーク・オーフス大学のMaria Bisgaard Bengtsen氏らの調査で得られた。研究の成果は、BMJ誌2021年10月19日号で報告された。  本研究は、急性尿閉と診断された患者における泌尿生殖器、大腸、神経系のがんのリスクの評価を目的とするデンマークの全国的なコホート研究である(研究助成は受けていない)。

NAFLDの肝線維化ステージが肝合併症・死亡リスクに影響か/NEJM

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の組織学的スペクトラム全体の死亡や肝臓・肝臓以外のアウトカムの予後は十分に解明されていないという。米国・バージニア・コモンウェルス大学のArun J. Sanyal氏らNASH Clinical Research Network(CRN)は「NAFLD DB2試験」において、NAFLDの中でも肝線維化stageが高い(F3、F4)患者は低い(F0~2)患者に比べ、肝関連合併症や死亡のリスクが高く、F4では糖尿病や推算糸球体濾過量が40%超低下した患者の割合が高いことを明らかにした。研究の成果は、NEJM誌2021年10月21日号で報告された。

心停止後昏睡患者の低体温療法、31℃ vs. 34℃/JAMA

 院外心停止後の昏睡状態の患者において、体温31℃を目標とした体温管理を行っても、34℃を目標とした体温管理と比較して180日死亡率や神経学的アウトカムは改善しないことが示された。カナダ・University of Ottawa Heart InstituteのMichel Le May氏らが、単施設での無作為化二重盲検優越性試験「CAPITAL CHILL試験」の結果を報告した。院外心停止後の昏睡状態の患者は死亡率が高く、重度の神経学的損傷を生じる。現在のガイドラインでは、目標体温32℃~36℃で24時間の体温管理が推奨されているが、小規模な研究においてより低い体温を目標とすることに利点があることが示唆されていた。JAMA誌2021年10月19日号掲載の報告。

tirzepatideの効果、心血管高リスク2型DMでは?/Lancet

 心血管リスクが高い2型糖尿病患者において、デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideの週1回投与は、インスリン グラルギンと比較し52週時点のHbA1c値低下について優越性が示され、低血糖の発現頻度も低く、心血管リスクの増加は認められないことが示された。イタリア・ピサ大学のStefano Del Prato氏らが、心血管への安全性評価に重点をおいた第III相無作為化非盲検並行群間比較試験「SURPASS-4試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2021年10月18日号掲載の報告。

汎PPAR作動薬のlanifibranor、活動性NASHに有効/NEJM

 活動性非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者において、汎ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)作動薬lanifibranorの1,200mg、1日1回24週間経口投与は、プラセボと比較して肝線維化が増悪することなく脂肪変性・活動性・線維化(SAF)評価スコアの活動性(SAF-A)が2点以上低下した患者の割合を有意に増加させた。ベルギー・アントワープ大学のSven M. Francque氏ら、lanifibranorの無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相試験「NATIVE試験」の結果を報告した。NASHの治療はアンメットニーズであるが、lanifibranorはNASHの発症に重要な役割を果たす代謝、炎症および線維形成の各経路を調節し、前臨床研究では1種類または2種類のPPARに対する作動薬より高い効果が示唆されていた。今回の結果を受けて著者は、「第III相試験におけるlanifibranorのさらなる評価が期待される」とまとめている。NEJM誌2021年10月21日号掲載の報告。

D-ダイマー高値のコロナ中等症、ヘパリン治療量の有効性は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院したD-ダイマー高値の中等症患者において、治療量のヘパリンは主要評価項目の有意な改善には至らなかったが、28日死亡リスクは低下し、大出血リスクは低いと考えられることが、カナダ・トロント大学のMichelle Sholzberg氏らによる医師主導の多施設共同無作為化非盲検(評価者盲検)比較試験「RAPID試験」で示された。これまで、無作為化試験において、治療量のヘパリンは中等症のCOVID-19入院患者には有益であるが、重症患者には効果がなく、治療量ヘパリンの開始時期が重要であることが示唆されていた。BMJ誌2021年10月14日号掲載の報告。

キャノーラ油1日大さじ1杯増、死亡5%減/BMJ

 食事によるα-リノレン酸(ALA)の摂取量が多い集団は少ない集団に比べ、全死因死亡や心血管疾患(CVD)死、冠動脈疾患(CHD)死のリスクが有意に低いが、がんによる死亡リスクがわずかに高く、ALAの血中濃度が高いと全死因死亡とCHDによる死亡のリスクが低下することが、イラン・テヘラン医科大学のSina Naghshi氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年10月14日号に掲載された。  研究グループは、ALAの食事摂取量やその組織バイオマーカーと、全死因死亡、CVD死、がん死との関連の評価を目的に、前向きコホート研究を系統的にレビューし、メタ解析を行った(イラン・アバダン医科大学の助成を受けた)。

細胞培養由来4価ワクチン、小児で良好なインフル予防効果/NEJM

 インフルエンザ流行期の健康な小児/青少年における感染予防では、細胞培養由来4価不活化インフルエンザワクチン(IIV4c、Flucelvax Quadrivalent、英国・Seqirus製)は非インフルエンザワクチンと比較して、インフルエンザワクチン接種歴の有無を問わず良好な有効性が認められ、有害事象の発現は両者でほぼ同様であることが、オーストラリア・メルボルン大学のTerence Nolan氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年10月14日号で報告された。  研究グループは、8ヵ国の小児/青少年において、Madin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞株を用いたIIV4c(A/H1N1、A/H3N2、B/Yamagata、B/Victoria)の有効性、免疫原性、安全性の、非インフルエンザワクチン(髄膜炎菌ACWY[A、C、W-135、Y群]ワクチン)との比較を目的に、観察者盲検化層別無作為化第III/IV相試験を行った(Seqirusの助成による)。

コロナ外来患者へのアスピリン・アピキサバン投与は?/JAMA

 臨床的に安定した症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、アスピリンまたはアピキサバンによる治療はプラセボと比較し複合臨床アウトカムを改善しなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJean M. Connors氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「ACTIV-4B試験」の結果を報告した。急性期のCOVID-19入院患者は通常、抗血栓療法を受けるが、COVID-19外来患者における抗血栓療法のリスクとベネフィットは確立されていなかった。なお、本試験は、イベント発生率が予想より低かったため、予定症例数の9%が登録された時点で試験中止となった。JAMA誌オンライン版2021年10月11日号掲載の報告。

J&Jコロナワクチン、ギラン・バレー症候群発症が約4倍/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するAd26.COV2.Sワクチン(Janssen/Johnson & Johnson製)の接種により、ギラン・バレー症候群の発症リスクがわずかではあるものの統計学的に有意に高まることが、米国食品医薬品局(FDA)のEmily Jane Woo氏らの解析で明らかとなった。FDAは、承認後安全性サーベイランスにおいてAd26.COV2.Sワクチン接種後のギラン・バレー症候群発症に関し懸念を示していた。なお、著者は今回の結果について、「受動的な報告システムと推定症例の定義の限界があり、確定診断を下すための医療記録の分析が終わるまでは予備的なものと考えなければならない」との見解を述べている。JAMA誌オンライン版2021年10月7日号掲載の報告。

PCI後心筋梗塞、クロピドグレルによるde-escalation戦略が好結果/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の安定した急性心筋梗塞(AMI)患者において、チカグレロルからクロピドグレル(ローディングなし)への非ガイド下でのde-escalation抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)戦略は、虚血リスクを増大することなく出血リスクを有意に低下し、12ヵ月までの臨床イベントリスク低下がチカグレロルを継続するDAPT戦略よりも優れている。韓国・カトリック大学議政府聖母病院のChan Joon Kim氏らによる同国32施設で実施した医師主導の多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「TALOS-AMI試験」の結果を報告した。PCI後のAMI患者に対しては、クロピドグレルよりも強力なP2Y12受容体阻害薬を最大1年間投与することが推奨されているが、維持期に出血リスクが高い状態が続くことが懸念されていた。Lancet誌2021年10月9日号掲載の報告。

COPD増悪入院患者、肺塞栓症診断戦略の追加は?/JAMA

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪で入院した患者において、通常治療に積極的な肺塞栓症(PE)の診断戦略を追加しても、通常治療のみと比較し複合的な健康アウトカムの有意な改善は認められないことが、スペイン・Universidad de AlcalaのDavid Jimenez氏らが同国18施設にて実施した、多施設共同無作為化非盲検試験「Significance of Pulmonary Embolism in COPD Exacerbations trial:SLICE試験」の結果、示された。PEはCOPDの増悪を呈した患者に多くみられることが報告されているが、増悪により入院したCOPD患者においてPEを積極的に検査することで臨床アウトカムが改善されるかどうかを評価した臨床試験はこれまでなかった。JAMA誌2021年10月5日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン後の心筋炎、非接種者と比較した発症率/NEJM

 mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)接種後の心筋炎の罹患率は、低率だが、とくに若い男性の2回接種者で増大すること、また臨床症状は概して軽症であったことを、イスラエル・Hadassah Medical CenterのDror Mevorach氏らが同国保健省のモニタリングデータを分析して報告した。イスラエルでは2021年5月31日時点で、約510万人がmRNAワクチン・BNT162b2の完全接種を受けている。同国保健省は、有害事象のモニタリングにおいて心筋炎が報告された早期の段階から積極的なサーベイランスを行っていたという。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン後の心筋炎、発症率と重症度/NEJM

 イスラエルの大規模医療システムにおいて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)を1回以上接種した人の推定心筋炎罹患率は2.13/10万人で、16~29歳の男性の罹患率が最も高く、重症度は軽症~中等症だったという。イスラエル・Rabin Medical Center・Beilinson HospitalのGuy Witberg氏らが、1回以上接種者250万人超を調べた結果を報告した。心筋炎発症とCOVID-19のmRNAワクチン接種との関連を示唆する報告がされているが、これまで頻度や重症度について大規模な調査は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。

急性期脳梗塞の血栓除去療法、直接吸引術併用は有効か/JAMA

 大血管閉塞による急性期脳梗塞患者の機械的血栓除去療法では、直接吸引術(ADAPT)とステント型血栓回収機器(ステントリトリーバー)の併用はステント型血栓回収機器単独と比較して、血栓除去療法終了時のほぼ完全/完全な再灌流の達成率を改善せず、ほとんどの有効性の副次エンドポイントにも差はないことが、フランス・University of Versailles and Saint Quentin en Yvelines, Foch HospitalのBertrand Lapergue氏らが実施した「ASTER2試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年9月28日号で報告された。

中等度リスクの急性冠症候群への早期冠動脈造影CTは有効か/BMJ

 急性胸痛で救急診療部を受診し、急性冠症候群および続発する臨床イベントのリスクが中等度の患者において、早期の冠動脈造影CT検査は、冠動脈への治療的介入全般および1年後の臨床アウトカムに影響を及ぼさず、侵襲的冠動脈造影の施行率は減少させたものの、入院期間はわずかに延長したとの研究結果が、英国・エディンバラ大学のAlasdair J. Gray氏らが実施したRAPID-CTCA試験で示された。研究の詳細は、BMJ誌2021年9月29日号に掲載された。  研究グループは、急性胸痛がみられ急性冠症候群のリスクが中等度の患者への早期冠動脈造影CT検査は、1年後の臨床アウトカムを改善するかの検証を目的に、非盲検無作為化対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成を受けた)。本試験には、英国の37の病院が参加し、2015年3月~2019年6月の期間に参加者が登録された。

プラリマリケアでの抗うつ薬治療、再発リスクの評価/NEJM

 抗うつ薬治療を中止できるほど良好な状態であったプライマリケアのうつ病患者において、投薬を中止した患者は継続した患者と比べて、52週までのうつ病再発リスクが高いことが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)Faculty of Brain SciencesのGemma Lewis氏らが両者を比較する無作為化二重盲検試験の結果を報告した。プライマリケアで治療を受けるうつ病患者は、長期間抗うつ薬の投与を受ける可能性があるとされるが、投与を継続または中止した場合の影響に関するデータは限定的であった。NEJM誌2021年9月30日号掲載の報告。  研究グループは、英国にある150の一般診療所(GP)で治療を受ける成人患者を対象に試験を行った。全患者が2つ以上のうつエピソード歴があるか、抗うつ薬治療を2年以上受けており、治療中止を考慮可能なほど良好な状態であった。  被験者(citalopram、fluoxetine、セルトラリン、ミルタザピンのいずれかを服用)は1対1の割合で無作為に、現行の抗うつ薬治療を継続する群(継続群)またはマッチさせたプラセボを用いて漸減・中止する群(中止群)に割り付けられた。

早期妊娠高血圧腎症、分娩時期の延伸にメトホルミンが有用/BMJ

 早期妊娠高血圧腎症を発症した妊婦(妊娠26~32週)への徐放性メトホルミン投与は、妊娠期間を延長できることが、南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のCatherine A. Cluver氏らが行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。投与群はプラセボ群と比較して妊娠期間が1週間延長し、出生児の新生児室入室期間を短縮できることが示された。著者は、「今回の試験で早期妊娠高血圧腎症の治療は可能であることが実証されたが、さらなる試験を行う必要はある」とまとめている。BMJ誌2021年9月22日号掲載の報告。  無作為化試験は南アフリカ共和国・ケープタウンの紹介制病院で行われた。妊娠26+0週~31+6週の待機的管理を受けている妊婦180例を無作為に2群に割り付け、徐放性メトホルミン(3g/日を分割投与、90例)またはプラセボ(90例)を分娩時まで投与した。